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環境 vol.8

『新・環境経営』を理解する上での3つの視点 第1回 守りから攻めの「環境経営」の時代が到来 善い企業イメージ創りのツールから、ビジネスに直結する強力な武器へ

株式会社 環境経営戦略総研 取締役社長 村井 哲之

リクルート、第二電電を経て現職。各企業に対して「経営品質を高めるコスト削減」を提案し、好評を得ている。指導実績は600社を超える。著書に『コピー用紙の裏は使うな! −コスト削減の真実』(朝日新書)、『ハイヒールと宝石が温暖化をもたらす』(PHP新書)など多数。

我々は、リーマン・ショック以降、“バランスを欠いた資本主義は持続可能ではない”ことを学んだような気がします。そうした中、来るべき「低炭素社会」において、企業が持続可能であるためには何に軸足を置き、何に気をつけ、どのような経営をしていけば良いのか?!私はそれをして、新時代の経営のあり方としての『新・環境経営』と位置づけています。

今回より3回に分け、自らが考える『新・環境経営』を3つの視点から、先進実践事例を交えて語りたいと思います。

『新・環境経営』を理解する3つの視点とは

まず先に、低炭素社会において企業が持続可能性を担保するための3つの視点を整理しておくと、一つ目は、『守りから攻めの「環境経営」の時代』が到来したこと、二つ目は、『「環境経営」は経営の本質的テーマ』であること、そして、三つ目は、『「環境経営」とは経済と道徳の両立』であると言うことです。

ひとことで言えば、“経済の一部に環境があるのではなく、経済も環境の一部でしかない”ことを企業として“腹落ち”することでもあります。

温暖化が原因のハリケーンで、“守り”から“攻め”へ

『「持続可能な社会」を創るために、その強大な力を使う』

この言葉は、売上高がベルギー一国のGDPを上回り、毎週全世界の店舗で2億人のお客様がレジを通過するスーパーであるウォルマート(米国)の経営方針です。しかし、これまでウォルマートにとって「環境問題」は経営の中の課題の一つでしかありませんでした。環境に配慮した経営(企業)のイメージをよくすることばかりに目が向いており、まさに“守りの発想”以外の何物でもありませんでした。

この流れを一挙に変えたのは、地球温暖化を背景に常識外の勢力で米国を襲った巨大ハリケーン“カトリーナ”でした。被災直後に、国は一台のトラックも派遣できませんでした。一方、ウォルマートからはライフラインの確保のために、全米に渡る巨大な物流網を駆使して4,000台のトラックがいち早く現地に駆けつけたのです。そのとき彼らの頭を駆け巡った考えは、「我々は店に来る客だけでなく、国家や世界の役に立てるのではないか!」というものでした。

そして彼らはこう考えたのです。「持続可能な社会を創るために、その強大な力を使おう!」と。これをして、自らの企業としての持続可能性を担保する“サスティナビリティ戦略”としました。つまり、エコ・環境をビジネスに直結する強力な武器と明確に位置づけたのです。“攻めの発想”そのものでした。

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