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話題の環境本

私のおすすめ Eco Book

裏山の奇人 野にたゆたう博物学◎ 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

小松 貴 著 東海大学出版部

 子どもだったころ、日々浮き上がってくる「なぜ?」を大人にぶつけて困らせたことは誰もが経験したことだろう。だが、その純粋な好奇心は成長の対価としていつの間にか失われていくものだ。一部の例外を除いては…。

 本書の著者、「奇人」小松貴は、まさにその例外である。彼の唯一の行動原理は「わからないことを、わかりたい」。

 2歳にして、庭石の下にあるアリの巣からアリヅカコオロギを発見し、その習性を学ぶ。1歳から昆虫図鑑を穴が開くほど眺めていたらしいので、三つ子の魂なんてもんじゃない。物心がつくころにはすっかり生き物に魅せられてしまった彼は、小学生でスズメバチの生態を利用し手なずける「使い魔遊び」を敢行、中学生ではスズメの学習能力を試すために騙し続け、大学受験のストレスをコウモリに餌をやることで発散する。

 大学入学後、生息地である裏山を得た彼は、日々さまざまな生き物と触れ合い、たまにゲームの二次元美少女とも触れ合いながら優れたナチュラリストに成長し、研究者の道を歩み始めるのである。

 駆け出し研究者となった「奇人」がフィールドを世界に広げて新種発見に挑む、情熱にまみれた怒濤の後編は、ぜひご自身で読んでいただきたい。


推薦人:ジュンク堂書店 福岡店スタッフ 福田 雄克さん


新刊紹介

◎ 自然をまねる、世界が変わる
バイオミミクリーが起こすイノベーション

ジェイ・ハーマン 著 化学同人

自然の模倣から問題解決を導く「バイオミミクリー」。技術革新の実例、ビジネスとしての課題を紹介。

自然をまねる、世界が変わる バイオミミクリーが起こすイノベーション


◎ アメリカ版 大学生物学の教科書 第5巻 生態学

デイヴィッド・サダヴァほか 著 講談社

シリーズ完結編。MITをはじめアメリカの各大学で絶賛された世界基準の教科書で生態学を学ぶ。

アメリカ版 大学生物学の教科書 第5巻 生態学


◎ クジラとアメリカ

エリック・ジェイ・ドリン 著 原書房

今なお議論が続く捕鯨問題。語られることが少ないアメリカの捕鯨の歴史を紹介する。

クジラとアメリカ


温故知新 〜今こそ、古典を〜

パンセ◎ パンセ

パスカル 著 中央公論新社

 パスカルは17世紀のフランスの科学者・哲学者です。16歳のときに「パスカルの定理」を証明。数学や物理学の分野で数多くの功績を残しますが、39歳の若さで亡くなります。まさに早熟の天才でした。

 「パンセ」は「思索」を意味する仏語ですが、「格言」「断章」という意味もあります。題名通りパスカルの思索の断片を集めた本書は、有名な「人間は考える葦である」をはじめ、金言に満ちあふれています。

 「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。(中略)だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある」。この文章を読むと、「人間は考える葦である」の前提に、人間の弱さに対する認識があったことがわかります。

 実は、この人間の弱さや有限性に対する認識こそが、パスカルの思想を特徴づけるものです。そして、パスカルを読む現代的意義もそこにあります。「理性の最後の歩みは、理性を超えるものが無限にあるということを認めることにある。それを知るところまで行かなければ、理性は弱いものでしかない」や、「人間は、天使でも、獣でもない。そして、不幸なことには、天使のまねをしようとおもうと、獣になってしまう」というパスカルの言葉は、どんなに技術が進歩し、人間の領域が拡大しようとも、真実であり続けると思うからです。


推薦人:株式会社日本総合研究所 マネジャー 井上 岳一


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