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SAFE EYE



環境政策のアカウンタビリティ

 日本版グリーン・ニューディール政策として2009年4月に打ち出された「緑の経済と社会の変革」。盛り込まれた省エネ家電買い換え誘導のエコポイントと次世代自動車の購入費用の支援、税制特例措置は一定の効果を上げたとの見方が定着してきた。

 一方で、なぜダイナミックな政策展開がなされなかったのか不可思議な分野がいくつかある。その1つがLED式信号灯器である。

 我が国に初めてLED式信号灯器が登場したのは、1994年だ。反射鏡を使用せず、光源であるLED素子そのものが発色・発光するため、電球式のものに比べて光のムラが少なく、高い視認性を有しているというメリットは当初から指摘されてきた。着色レンズを通じて反射鏡に太陽光が当たることで、あたかも信号が点灯しているように見える疑似点灯現象も発生しないというメリットもある。何より、消費電力は電球式の4分の1以下であり、電気料金の低減だけでなく地球温暖化の原因となるCO2の排出削減にも役立つことはいうまでもない。さらに、寿命についても、電球式が半年から1年程度であるのに対し、LED式はおおむね6〜8年と見込まれており、コスト縮減や電球交換作業に伴う交通流阻害の観点からも優れた性能を有している。それでも普及は遅々として進まなかった。警察庁が「整備を推進する」と態度を明確にするのが2002年。2006年3月末時点でも、LED式信号灯器の普及率は約9.5%に過ぎず、それ以降、公式の数字すら公表されていない。

 「緑の経済と社会の変革」にも、国立公園や地方公共団体の施設でLED照明を導入することが謳われているが、信号灯器への言及はないのである。確かにLED式信号灯器の値段は高い。しかし、それが理由のすべてか。環境政策への素朴な疑問に答えることも、地球温暖化防止の力を結集させる要諦と心得たい。

(株式会社日本総合研究所 足達 英一郎)


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