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2013年の環境経営展望

 2012年は、6月にリオ+20サミットがブラジルで開催され、採択された成果文書「我々の求める未来」には、環境と成長の両立を目指す「グリーン経済」の重要性や、都市・防災など26の分野別の認識合意が盛り込まれた。しかし、世界的な関心を集めるには至らず、11月26日〜12月8日に開催された国連気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)および京都議定書第8回締約国会合(CMP8)では、第二約束期間を2013年1月1日からの8年間とするなどの京都議定書の改正が決まったが、これを批准する国は、EUなどさらに一部に限定されることになった。

 日本国内では、9月、原子力安全・保安院に替わる機関として「原子力規制委員会」が環境省の外局として発足したものの、国のエネルギー政策の方向性は依然として定まっておらず、放射能除染も成果を上げていない。12月に発表された2011年度の速報値に基づく日本の温室効果ガス削減状況では、電力排出原単位の悪化等で排出量が基準年比+3.6%(前年度比+3.9%)に跳ね上がってしまった。

 2013年も、環境対策の停滞感を払拭できない1年になるだろう。その一方で、米国では、ハリケーン・サンディの甚大な被害が「気候変動は現実のもの」という人々の意識をさらに深めた。英国政府は、「Climate Ready UK」という掛け声のもと、気候変動による脅威に備える長期的視野に立った社会建設を目指す政策をすでにスタートさせている。海面上昇による災害コスト、気温上昇による空調コスト、水資源の変化による工場稼働制約などに企業は早晩、直面せざるを得ないという前提である。

 2013年の環境経営は、環境劣化の緩和から、環境劣化への適応に舵が切られる年になるかもしれない。過去、緩和のコストは適応のコストよりはるかに小さいことが主張されたが、人間の想像力は行動に結び付くところまで強くはなかったようだ。皮肉なことだが、環境経営は、新たなフェーズに移行しようとしている。

(株式会社日本総合研究所 足達 英一郎)


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