環境ビジネス情報

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環境経営の現場から

リサイクル建築資材やオゾンを用いた空気清浄機など独自の発想で環境保全に貢献 三協エアテック株式会社 代表取締役 加来 裕生氏

御社の事業の内容をご紹介いただけますか。

 弊社は業務用の空気清浄機から事業をスタートしました。 1993年の設立以来、人と環境に優しい“爽快空間”の創造を目指し、集塵や殺菌、脱臭、VOC対策など、さまざまな分野で事業に取り組んできました。中でも、弊社のオゾンを利用した脱臭・殺菌装置や空気清浄機は、独自技術を用いて開発・製造を行っており、特定分野で高いシェアを獲得しています。

 オゾンというと、地球を取り囲むオゾン層が有名ですが、地表の大気中にもオゾンは存在しています。オゾンは、酸素に比べて原子の結合力が小さいため、酸素と酸素原子に分かれやすい性質を持っています。この酸素原子はほかの原子・分子と反応しようとする力が強く、悪臭の元となる有機物などをすばやく分解することができます。フランスなどでは100年も前からオゾンが上水の殺菌に利用されていました。殺菌の手段には熱や化学薬品、バイオなど、さまざまな処理方法がありますが、オゾンによる殺菌は「反応が速い」「新たな毒性物質を生み出さない」「役目を終えた後、酸素に戻り残留しない」という特徴があります。化学薬品のように残留する心配がないので、特に医療用や食品・厨房での利用に適しています。日本では、法律によりプール用水の殺菌に次亜塩素酸ナトリウムを使うことが義務づけられていますが、オゾンを併用すれば、薬品の使用量を削減し、環境負荷を低減することが可能です。

 弊社の中核事業はこのオゾンを利用した各種装置の製造とエンジニアリングです。オゾンは制御が難しい気体で、使用目的(脱臭・殺菌・洗浄など)や使用環境(温湿度条件・有人か無人)により適切な濃度管理をすることが重要です。このオゾンのコントロール技術を有していることが、弊社の最大の強みといえます。

目に見えない物質のコントロールという意味では、 臭気対策にも取り組んでいらっしゃいますね。

 悪臭、騒音、振動など、人の感覚に訴えるさまざまな公害の中で、においに関わる分野は最も対策が遅れているようです。悪臭防止法はありますが、多様な悪臭の原因すべてを規制することは困難です。飲食店から発せられる食欲をそそる焼き肉のにおいも住居スペースで毎日嗅がされると悪臭になるわけで、こうした問題への対応も弊社の仕事の一部です。弊社では、悪臭問題を抱えるお客さまに対し、臭気診断測定・脱臭テストを行い、現場状況をきめ細かくチェックするとともに、効果・コスト面を考慮した適切な対策を提案しています。


御社の環境配慮製品であるリサイクル可能な建築資材について、 ご紹介願えますでしょうか。

 我々が開発し特許を取得した「BBcube」「BBdonut」「BBwrap」は、使い捨てスリーブの代替となる新発想の建築資材です。スリーブとは、建築現場において、床や壁などに空調や給排水用の配管スペースを確保するため使用される筒状の建築資材です。厚紙でできたボイド管はその代表例です。ボイド管は、コンクリートを打設する前にあらかじめ設置しておき、コンクリートが凝固した後、取り外して配管スペースを確保するために使用されています。このボイド管の撤去作業には大変な時間と手間がかかっています。しかも、ボイド管は撤去する際に破れてしまうため再利用できず、産業廃棄物として処理しなくてはなりません。これに対し、BBcubeとBBdonutは、周りにBBwrapという樹脂でできた特殊なシートを貼り付けることで、コンクリートから簡単に剥離でき、再利用可能なまったく新しい発想の建築資材です。組み立て式でさまざまな形に変えられるので、あらゆる建築現場で利用することができます。

 このBBcube、BBdonut、BBwrapを実際の建築現場で試用したところ、従来の手法と比べて撤去作業時間を10分の1に短縮できたという結果が報告されています。弊社としては、今後、同製品を普及させることによって、建築現場での環境負荷低減に貢献していきたいと考えています。 

もう1つの環境配慮製品である「うるおリッチ」のご紹介をお願いします。

 通常、我々が利用する水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が含まれています。そのため、気化式や超音波式の加湿器を使うと、水蒸気と同時に含有物質を空気中にばらまいてしまい機械類のトラブルにつながることがあります。うるおリッチは特殊な透湿膜によって不純物を膜内に閉じ込め、純水水蒸気でクリーンな加湿をおこなうことができます。

 また、病院などでは殺菌能力の高い蒸気式加湿装置が使用されていますが、このタイプの加湿器はエネルギーを大量に消費します。これに対し、うるおリッチは14分の1の消費電力で同様の性能を発揮することができます。さらに、ウイルスを不活化・細菌を殺菌するプロテイドフィルタを装置内に内蔵しているので、感染対策として使用していただくのにも非常に適しています。

 これらにより、環境負荷の低減と電力コストの削減を両立することができるのです。

蛍光灯型LED普及に向けた新事業をはじめられたと伺いました。

 昨今、白熱球と代替できる電球型LEDが急速に普及し、家庭や店舗などのCO2削減や省エネが進んでいます。その一方で、オフィスや工場などで大量に使われている蛍光灯の代替はほとんど進んでいません。その理由は、現在市場に流通している蛍光灯型LEDの価格が非常に高価であることに起因しています。

 この課題を解決するため弊社は、2010年7月に世界シェア1位を誇るオプティレッド社と代理店契約を締結し、蛍光灯型LEDの取り扱いを開始いたしました。オプティレッド社の製品は既存の蛍光灯器具本体を利用できることが特徴で、これに加え、市場価格の4分の1という低価格を実現しています。弊社はこうした特徴を最大限に生かした新たなビジネスモデルを提供いたします。それは、蛍光灯をLEDに交換する費用をいただくのではなく、LEDへの交換により削減できた電力料金の一定割合を期間限定でお支払いいただくという新しい仕組みです。企業はイニシャルコストを必要とせず削減できたコストから支払うという“ゼロコスト・ノーリスク”の仕組みで環境負荷と電力コストを同時に削減できます。弊社は、この仕組みでオフィスや工場の蛍光灯をLEDに代替し、日本全体のCO2削減に貢献していきたいと考えています。

「環境」と「経営」の両立についてご意見をお聞かせ願えますでしょうか。

 社会的なモラルを重んじて守ろうとする“公徳心”と無駄を排除する“質素倹約”の精神に立てば、経済合理性と環境配慮は利害相反しないと思っています。つまり、社員教育によって“公徳心”と“質素倹約”の精神を会社に根付かせることができれば、必然的に環境配慮と事業の成長を両立できるはずだと考えています。

会社概要

社名
三協エアテック株式会社
所在地
大阪府大阪市北区芝田2-5-6
資本金
3,500万円
事業内容
脱臭・殺菌装置、空気清浄機、業務用加湿装置の開発・販売・保守、空調設計など
TEL
06-6374-6140
URL
http://www.sat.co.jp/

この情報は環境情報誌『SAFE』Vol.85(2010年9月号)の記事より引用しております。
内容については記事作成時のものとなりますので、ご了承ください。


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