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環境経営の現場から

小型製紙装置で使用済みコピー紙をオフィス内で再生紙によみがえらせる デュプロ株式会社 代表取締役社長 志磨 克彦 氏
デジタル印刷機など各種オフィス向け機器を扱うデュプロ株式会社。同社は、2011年4月にオフィス内で使用済みコピー紙をリサイクルする小型製紙装置「RECOTiO(レコティオ)」の販売を開始しました。レコティオは、環境負荷低減とセキュリティ強化を同時に実現する新しいリサイクルソリューションとして注目を集めています。同社の製品・サービスを通じた環境への取り組みについて、代表取締役社長の志磨克彦氏にお話を伺いました。

御社の事業内容と環境方針をお教え下さい。

 “Duplo(デュプロ)”という社名は、英語の“duplicator(印刷機)”から生まれました。これは、弊社グループが1950年に国内で初めて簡易型印刷機を手掛け、事業をスタートさせたことに由来しています。現在では印刷機だけでなく、DMや連絡文書などの作成に役立つ「紙折り機」、製本をスピーディに仕上げる「丁合機」、請求書や通知書などの圧着ハガキを作成する「メールシーラー」など、“紙”に関わるさまざまな製品を扱っています。こうした製品やサービスの提供を通じて、作業の省力化、効率化、コストの軽減など、お客さまの業務向上に貢献する事業を展開しています。

 近年、ITの普及、ペーパーレス化、森林の減少、省資源化による環境への対応など、紙を取り巻く状況は目まぐるしく変化しています。弊社は、紙を扱う企業としてオフィスにおける紙の有効利用と環境問題への対応を両立させるため、事業活動を通じた環境貢献に取り組み続けてきました。使用済みコピー用紙をリサイクルする小型製紙装置「レコティオ」は、弊社の環境への思いを具現化した製品といえます。

小型製紙装置「レコティオ」のご紹介をお願いします。

 弊社が扱うオフィス機器は、印刷機など紙を消費する製品が大半を占めています。紙を消費するだけではなく使用した紙を再生できれば、事業活動で生じる環境負荷を大きく低減できるという着想から小型製紙装置の開発が始まりました。開発に当たって、一般のオフィスに設置可能なコンパクトさと市販品同等の品質を持つ再生紙を実現することを目指しました。

 質の高い再生紙をつくるには、原料となる繊維からインクなどの異物を確実に取り除くことがポイントになります。従来、製紙工場では、ごみやちりを取り除いた後、脱墨剤と呼ばれる洗浄剤を使ってインクを除去しています。しかし、これだけでは繊維が完全に白くならないため、塩素もしくは過酸化水素などを使い漂白しています。しかし、一般のオフィスには製紙の専門知識を持った人材や十分な設備がないため、薬品の管理・処理を適正に行うことは困難です。かといって、薬品の維持、使用、排水処理などを自動化しようとすると、装置が巨大化してしまったり、設置工事や運用管理に多大なコストが必要になります。弊社では、誰もが使える小型の製紙装置をつくるには、薬品を使わない脱墨方法を開発するしかないという結論に達しました。着目したのは、オフィスで大量に発生する使用済みコピー紙です。コピー機やプリンターの大半は、トナーと呼ばれる粉末状のインクを用紙に吸着させる方式を採用しています。トナーは一般印刷用のインクと異なり、紙の繊維まで成分が染み込まないため、薬品や大型装置を使わず除去できるかもしれないとの発想から研究を進めました。その結果、特殊な洗剤の泡を使ってトナーを繊維から浮き上がらせる独自のトナー除去技術の開発に成功しました。この特許技術を核として、長年蓄積してきた紙に関わる独自のノウハウを活用し誕生したのが小型製紙装置「レコティオ」です。

 レコティオは、従来のオフィス機器同様、誰でも簡単に操作できます。使用済みコピー紙あるいはシュレッダーダストをセットするだけで、約50分で再生紙を生産でき、1時間に360枚の処理能力を有しています。製紙工程は、まず使用済みコピー紙を細かく裁断した後、水を加えて撹拌します。家庭用洗濯機と同様の仕組みで、紙を繊維に分解した後、洗剤を加えて洗います。次に、独自のトナー除去技術でトナー成分を繊維から浮き上がらせて取り除きます。異物が除去された繊維に水を混ぜて液状にし、ベルトの上に均等に展廷、これを加熱したドラムに巻き付けながら水分を蒸発させます。最後に、乾燥したシートをA4判に裁断して再生コピー紙が完成します。レコティオの再生コピー紙はよく見るとトナーが微小な点となって残っていますが、品質的には市販の再生コピー紙と比べて遜色なく、一般のコピー機やプリンターなどで利用することができます。

レコティオを導入すれば、ごみの減量と再資源化をオフィス内で完結できますね。

 製紙工場では体育館ほどの広さがなければ設置できない製紙用設備を、レコティオでは幅1メートル、長さ約5メートルというコンパクトなサイズに収めています。レコティオを使ってオフィス内で製紙工程を完結させれば、産業廃棄物の回収や工場での製紙工程で排出されるCO2を削減でき、環境への負荷を大幅に減らせます。レコティオのランニングコストは再生紙1枚当たり24銭ほどですから、1枚50〜60銭の市販の再生コピー紙より低コストだといえます。ただし、装置の導入コストを加算する必要があるので、必ずしも市販の再生コピー紙より安価になるとは限りません。

 しかし、レコティオにはコスト以上に大きなメリットがあります。それは情報セキュリティ面における効果です。個人情報や機密情報を扱う企業および組織の多くは、情報漏えい対策として1枚当たり1円程度の費用を支払ってシュレッダーダストの処理を専門業者に委託しています。しかし、どれだけ信頼のおける業者に頼んでも、紛失、誤配送、盗難など万一の事故を完全に防止することはできません。レコティオを使えば、機密文書を一切外部に持ち出すことなく処理できるので情報漏えいリスクをほぼゼロにするとともに、業者への委託費用を削減することができます。こうした特徴が高く評価され、レコティオの発表以降、金融機関や中央省庁、自治体、企業の研究機関などから問い合わせが数多く寄せられています。

御社で取り組まれているレコティオ以外の環境配慮活動のご紹介をお願いします。

 タイタン工法による防振対策は、大阪モノレールの地盤振動防止工事に採用されるなど、すでに実績が生まれ始めています。今後も多くの案件に採用していただくためには、地質に合わせた埋設方法の確立や、経年変化を監視する仕組みなどを開発していくことが必要だと考えています。これについては、今後も実証試験を続けながら研究開発に取り組んでいく予定です。

 しかし、技術開発だけでは解決できない問題があります。それは法的な課題です。産業廃棄物である廃タイヤの利用がタイタン工法のポイントですが、自治体によっては廃棄物の利用が規制され施工許可が下りないことがあるのです。廃タイヤの有効活用は、環境保全やCO2削減という国の重要な政策に貢献することですから、一刻も早くこうした課題が解決されることを望みます。

御社ではタイタン工法以外にも環境配慮技術を研究されているそうですが、その一端をご紹介願えますでしょうか。

 事業活動における環境への配慮や、製品の省エネ化、省資源化の活動だけではなく、製造・流通過程における3R推進、カーボンオフセット商品の販売などにも積極的に取り組んでいます。カーボンオフセット商品とは、インドの風力発電事業で創出された排出権を活用して、デジタル印刷機用の純正インク(U、M、S、eシリーズ)1パック当たりCO2 880グラムをオフセットするというものです。ちなみに、880グラムという量はインク1パック分の印刷時に発生するCO2排出量から算出した数値です。この取り組みによる年間のオフセット量は現在、総計で約8万トンに達しています。

 さらに、弊社では、「E・COOL(イー・クール)」と呼ばれる次世代型蛍光灯を販売普及する新事業を開始しました。イー・クールは、液晶モニターなどに使われているCCFLという技術を応用して開発された蛍光灯です。従来の蛍光灯に比べ、長寿命で電力使用量の約50%を削減できますが、導入コストが高いため普及が進んでいませんでした。この課題を解決するため、我々はCCFL蛍光灯のレンタルサービスを始めました。従来の蛍光灯の使用時に支払っていた電気料金より安価なレンタル料を設定することにより、電力コストを確実に削減しながら環境負荷低減を実現します。仮に、全国のオフィスや工場、店舗の蛍光灯がすべてイー・クールに置き換われば、それだけで日本全体の電力使用量、CO2排出量を大幅に抑制することが可能です。電力供給量の不足が問題化している昨今、こうした省エネ関連事業は非常に社会的意義の高い仕事だと考えています。このように弊社はオフィス機器の販売だけでなく、環境負荷低減をはじめとする社会に貢献できるさまざまな事業に取り組んでいきたいと考えています。

会社概要

社名
デュプロ株式会社
所在地
東京都豊島区東池袋3-23-14
資本金
1億円
事業内容
事務機器・省力化機械機器の販売および保守
TEL
03-5952-6111
URL
http://www.duplotky.co.jp/

この情報は環境情報誌『SAFE』Vol.89(2011年5月号)の記事より引用しております。
内容については記事作成時のものとなりますので、ご了承ください。


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