環境ビジネス情報

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環境経営の現場から

商品価値の向上と環境負荷の軽減を両立する 新たなシール・ラベルを「創造」する シーレックス株式会社 取締役 業務・品証本部 本部長 住谷 薫氏

御社の事業概要について教えていただけますか。

 1935年2月の創業以来、弊社は「創造(クリエイティブ)」をテーマとして掲げ、さまざまな事業を展開してきました。日本専売公社のたばこ値上げシールの全量一括受注に始まり、ラベリングシステムの販売、製版の内製化、業務のコンピューター化、SP(販促)シールの製造およびカタログ販売、多層ラベルの製造販売など、常に新しい仕事、新しい市場、新しい需要、新しい商品、新しい仕組み、新しい価値を「創造」し続けてきました。一般的にシール・ラベル業界では、業種に特化したシール・ラベルを扱う事業者が多いのですが、弊社は電気機器から化粧品、食料品、トイレタリー、医薬品、化学品、小売、広告業界まで、幅広い分野のお客さまに多種多様なシール・ラベルを提供してきました。なぜ、これほど多様なニーズに応えられるのかというと、それはオフセット間欠輪転機からフレキソ機、凸版輪転機、凸版間欠輪転機、平圧機、タックフォーム機、グラビア機まで、さまざまな印刷機器を揃えていることと、社内に開発部を設けて技術を磨いてきたからだと考えています。

市場における競争優位のポイントをご紹介いただけますか。

 先ほども申し上げました通り、弊社の最大の強みはお客さまのニーズに合わせて多種多様なシール・ラベルを製造できることです。弊社で扱っているのは、商品容器のパッケージラベルから、商品の特徴を紹介するリーフレットラベル、商品への異物混入など不正行為を防止する開封検知ラベル、さらには商品管理およびトレーサビリティーにも使われるICタグまで実に幅広く、それぞれ使用する素材もインキも印刷方法も異なります。こうした多種多様なシール・ラベルの製造は、印刷機械があればできるというものではありません。豊富な知識や経験、技術、ノウハウなどが必要です。これらの要素をすべて備えていることが、弊社の競争優位性の源泉なのです。

 それに加えて、もう1つの強みが充実した品質保証体制です。耐光性試験機や環境試験機、引張圧縮試験機、保持力試験機、レーザー顕微鏡、赤外分光光度計などの先進的な検査機器を揃え、品質の保証・評価を行える企業は、業界にもさほど多くありません。

シールやラベルに、それほど厳格な品質が求められるものなのですか。

 たとえば、ウイスキーのボトルに貼られているラベルを思い浮かべてください。ラベルのデザインや質感は、ウイスキーの高級感や品質、ブランドイメージを表現する上で重要な役割を果たしていると思いませんか。ラベルというのは、まさに「商品の顔」なのです。もし、その「商品の顔」が色褪せたり、剥がれていたら、ブランドイメージに悪影響を与えてしまいますよね。だからこそ、どのメーカーさまもラベルの品質にこだわるのです。

 また、シール・ラベルには「商品の顔」以外に、もう1つの側面があります。それは、消費者に注意喚起を促したり、正しい使用方法を提示したりする役割です。さまざまな商品に注意や使用方法を書いたシール・ラベルが貼られていますが、万一の事故が起きたときに文字が読めなくなっていたら、メーカーは製造責任を問われる可能性があります。特に、冷凍、冷蔵、加熱など過酷な条件下で保存・利用される食品や、屋外で風雨にさらされる機器の場合、シール・ラベルには強固な耐久性・耐光性・耐温性が求められます。こうしたニーズに応えるため、弊社は先進的な検査機器を揃え、品質を保証・評価できる体制を整えているのです。

これまでに開発・採用した技術で、環境問題に貢献するものを教えていただけますか。

 飲料メーカーさまと共同で「水性フレキソ印刷」を採用した飲料用ラベルを開発しました。これまで使われていた有機溶剤を含むインキを水性インキに置き換えたことで、安心・安全で環境に優しいラベルを実現しました。従来の溶剤系インキは、印刷するフィルムにもダメージを与えるため相応の厚みが必要でしたが、これを水性インキに替えたことによりフィルムを薄くでき、資源を削減できました。さらにフィルムの薄膜化は重量軽減につながるため、商品の生産・流通におけるCO2削減にも貢献できました。

 乳製品メーカーさまと共同で開発した「ハイバリアタックラベル」も、包装廃棄物の削減という意味で環境問題に貢献しています。これはスライスチーズ向けに開発した技術です。今までのスライスチーズは、一度パッケージを開けると再封保存できず、購入された方はラップフィルムで包んだり、保存容器に入れるなど、製品の保存に大変苦慮されていました。「ハイバリアタックラベル」は、包装の開封口をラベルで覆うことで未開封時の密封性(バリア性)を保持し、開封後は開け口を元に戻せば、簡単に閉めることができる開閉・再封機能を持っています。また「割り印」の加工により、開封検知機能も付与しています。

 このラベルは、包装や保存の機能を向上させ、セキュリティー機能も持たせた画期的な技術で、保存包材の低減・包装廃棄物の削減につながっています。この技術を採用したスライスチーズは、パッケージリニューアル後、前年を大きく上回る売り上げを記録していると伺っております。

「ごみゼロラベル」などの環境に配慮したシール・ラベルのご紹介をお願いいたします。

 「ごみゼロラベル」とは、剥離紙を使用しないラベルのことです。2枚のラベルの裏面にシリコンと糊をストライプ状に塗布して貼り合わせた「ごみゼロセパレートラベル」、1枚のラベルを2つ折りにすることで剥離紙を不要にした「ごみゼロパノラマラベル」、ラベル同士をメモ帳状に積み上げて貼り合わせた「ごみゼロ積層ブロックラベル」という3種類の製品を提供しています。これらのラベルはいずれも剥離紙を使わないため、ごみの減量化、資源保護に貢献します。

 「バイオマスプラスチックフィルムラベル」は、商品だけではなくラベルまで環境に配慮した素材を使いたいというお客さまの要望に応えて開発した製品です。ラベル素材と糊の両方に植物由来の原料を採用しました。これにより化石資源の保護に貢献するとともに、焼却時の有害物質発生を防ぎ、使用熱量やCO2発生量も抑制します。

 「再生可能剥離紙」は、古紙として再利用できるように改良を加えた剥離紙です。従来の剥離紙にはポリエチレンがラミネートされていたため再生できず、産業廃棄物として扱われてきました。このラミネートをクレーコート層やポリビニルアルコール層に置き換えたことで、新聞・雑誌と同様の一般古紙として再生できるようになりました。この剥離紙が広く普及すれば、産業廃棄物の削減とリサイクル推進に貢献できると考えています。

  「インモールドラベル」は、シャンプーやリンスなどのボトルに使われる"剥がれないラベル"です。これは通常のラベルと異なり、ボトルを成型する金型にあらかじめセットして、そこに樹脂を注入することで容器とラベルを一体成型する技術です。ラベルが容器に埋め込まれた状態となるため、お風呂などで使ってもラベルが剥がれず、いつまでもきれいなまま使うことができます。この技術は、製造工程における原料削減だけではなく、一般家庭の容器リサイクルを促進するという面でも環境負荷の軽減に貢献しています。

製造現場における環境負荷軽減の取り組みをお聞かせ願えますか。

 2012年に東北工場(宮城県利府町)、2013年に兵庫工場(兵庫県朝来市)の増築を行った際、照明のLED化と、電力消費の低い機械を導入し、CO2排出量の削減に取り組みました。また、製造工程で発生するシール・ラベルの廃棄物と、営業所で使用したサンプルなどをすべて回収し、外部業者に委託してRPF(固形燃料)化するサーマルリサイクルにも取り組んでいます。

2014年8月に中国・上海へ進出されましたが、その目的を教えていただけますか。

 弊社では、シール・ラベル印刷加工事業に続くもう1つの柱として電気製品部材事業に取り組んでいます。その事業の取引先である電機メーカーさまの多くが中国市場に参入、あるいは工場を設立するケースが増えています。近年、そうしたお客さまならびに中国のメーカーさまから、弊社が開発した機能性材料・製品の引き合いが急増しています。そのようなニーズに対応するため、現地法人の販売会社「上海世栗始貿易有限公司」を設立しました。

今後の事業展望について教えていただけますか。

 弊社の目標は、「人」を幸せにし、「存続」し続け、「100年企業」になることです。それを実現するには、"ものづくり"を通じて社会に貢献し、信頼され、必要とされる企業であり続けなくてはなりません。その理想をかなえるため、創業以来培ってきた技術やノウハウにさらに磨きをかけ、新しい価値を創造し、高い目標に挑戦し続けたいと考えています。

会社概要

社名
シーレックス株式会社
所在地
東京都台東区柳橋1-1-11
資本金
2億6,000万3,000円
事業内容
シール・ラベル製品の企画・印刷・販売等
TEL
03-3862-725
URL
http://www.sealex.com/

この情報は環境情報誌『SAFE』Vol.108(2014年11月号)の記事より引用しております。
内容については記事作成時のものとなりますので、ご了承ください。


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