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2010年10月に生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開催される。これを受けて、 国内では生物多様性への関心が高まり、政府、企業およびNPOなどの取り組みが活発化している。 一方で、生物多様性は事業活動との関わりが見えにくく身近に感じにくいテーマともいわれている。 そこで、本特集では生物多様性に関する基本的な概念から、企業活動との関わり、COP10の注目点など の基礎知識を、環境省の生物多様性広報・参画推進委員会の座長であり、東京都市大学などで教鞭を とる涌井史郎教授に解説していただいた。

生物多様性とは

 「生物多様性」を維持する目的とは、生物種の多様さが支える、人々の生活基盤である生態系サービスのバランスを保ち、持続的な未来を担保することにある。そのために、さまざまな種類の生物が生息する「種の多様性」、地球全体に森林、湿原、河川などさまざまな自然環境が存在する「生態系の多様性」、それぞれの種の中に個体差が確保されている「遺伝子の多様性」などを含む包括的な概念としての生物多様性の損失を少しでも防がなくてはならない。生態系サービスとは、地球の自律的なエネルギーや物質の循環を支えるという物理的な側面から、精神や地域固有の文化に至るまで、さまざまな恩恵のことである。

COPとは

 「生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)」が発効された翌年の1994年から、条約加盟国によって締約国会議(COP:Conference of the Parties)がほぼ2年ごとに開催されている。これまでの成果として、2002年のCOP6では「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」という「2010年目標」を採択。このほか、過去のCOPでは、遺伝資源へのアクセス手続きの基礎となる「ボン・ガイドライン」や持続可能な利用に関する「アジスアベバ原則とガイドライン」など、さまざまな原則・ガイドラインが策定された。開催を間近に控えたCOP10では、「2010年目標」の達成状況の検証と今後の国際的な取り組みの方向性を示す新目標の設定などが主要議題とされており、生物多様性条約の節目となる重要な会議として注目を集めている。

また、COPに併せ、条約に関連する議定書の締約国による会合「COP/MOP(Meeting of the Parties)」が開かれている。今回COP10とともに「カルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)」が同時開催される。カルタヘナ議定書は、遺伝子組換え生物の使用による生物多様性への悪影響を防止することを目的として、2000年に採択された。MOP5では、国境を越えて移動した遺伝子組換え生物によって悪影響が生じた場合の損害賠償制度や、遺伝子資源の利用から生ずる利得の公正で衡平な分配などが議題として想定されている。食品業界、薬品業界など、生物資源を原料として扱う企業にとって非常に重要な議論が交わされることになる。


COP10 会議概要

開催期間 2010年10月11〜29日
開催場所 会場:名古屋国際会議場(名古屋市熱田区)
関連事業会場:白鳥会場、愛・地球博記念公園、栄地区
主催 生物多様性条約事務局(カナダ・モントリオール)
※開催国(日本政府)は議長国として協力
参加者数 約8,000名(各国政府関係者・国連関係者・NGOなど)

この情報は環境情報誌『SAFE』Vol.85(2010年9月号)の記事より引用しております。
内容については記事作成時のものとなりますので、ご了承ください。

新しいウィンドウで開きます。 『SAFE』Vol.85(2010年9月号)



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