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特集2 三井住友フィナンシャルグループ 環境ビジネスフォーラム in エコプロダクツ2010 2010年12月9 〜11日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2010」が開催された。第12回を迎える今回は、745社に及ぶ企業・団体が参加し、来場者は過去最高の18万3,140人を記録した。三井住友フィナンシャルグループは、この会場内で最大規模となるスペースを使用し、「三井住友フィナンシャルグループ 環境ビジネスフォーラム in エコプロダクツ2010」と題したイベントを開催。環境ビジネスへの新規進出や販路拡大、情報収集などを考えるさまざまなステークホルダーへ出会いと情報共有の場を提供することを目指し、“環境”をテーマにした集中商談会、ブース展示やセミナーなど、複数のプログラムを実施した。本特集では、12月11日に行われたトークイベントの様子を紹介する。

イベント概要

金融機関が地球環境に出来ることは?〜SMFGの環境金融 実践編〜

環境ビジネスフォーラムの最終日、会場にて「金融機関が地球環境に出来ることは? 〜SMFGの環境金融 実践編〜」と題したトークイベントが開催された。2部構成で行われた同イベントでは、「地球規模の環境貢献活動や環境ビジネス創出活動」「国内における環境ビジネス」という視点からそれぞれ三井住友フィナンシャルグループの取り組みを紹介。弊社グループ内で実際に取り組みを推進する担当者に加え、環境やCSRの分野で世界的に活躍する専門家がコメンテーターとして登壇し、環境時代における金融機関の在り方を解説した。

 第1部は、国連環境計画・金融イニシアチブの特別顧問である末吉竹二郎氏の基調講演から 始まった。その冒頭で「21世紀は問題解決の時代」と述べた末吉氏は、地球温暖化、生物多様性などの環境問題やそのほかの社会問題を解決に導くには経済と企業活動の在り方を見直し、改革を行うことが必要だと指摘。これを実現する3要素として、「政治」「消費者」「金融」を挙げた。特に、金融は社会や企業の在り方に強い影響力を持っており、自らの役割と責任を自覚することが重要だと訴えた。こうした考え方は社会の中で広まりつつあり、金融業界ではすでに変化が見えつつある。たとえば、2006年、国連事務総長の呼びかけに応じた複数の機関投資家を中心に、環境、社会、企業統治に関する課題への対応を投資の意思決定プロセスに反映させることを掲げた「責任投資原則」が誕生。日本でも現在、多くの金融機関が協力して、自主的に日本版の環境金融行動原則づくりを進めている。今後、企業が投資家の信頼を得るには、「環境への影響度」が大きなテーマになるという。最後に、末吉氏は同時期に開催されたCOP16について言及。「温暖化問題の解決には数兆ドルの費用が必要であり、これには民間投資が欠かせない」と述べ、「責任ある金融」の重要性について訴えた。
 基調講演に引き続き、末吉氏をコメンテーターとしてパネルディスカッションが行われた。登壇した三井住友フィナンシャルグループの4人のパネリストは、金融における環境問題への取り組み事例として、自身が携わる地球規模での環境貢献活動や環境ビジネス創出活動を紹介した。まず、三井住友銀行 ストラクチャードファイナンス営業部 部長 吉田英土が、2010年度に新設された 「成長産業クラスタープロジェクトチーム」の活動を紹介。同チームでは、水、新エネルギー、環境、資源の4つの成長分野に注目し、新興国でのインフラ投資や再生可能エネルギー案件などの発掘を進めている。ただし、相手国の実情に合わせた製品・技術の提供やキャパシティ・ビルディングが重要であり、そのための仕掛けとして、インドネシアやマレーシアでの国際金融機関や地場経済団体との業務提携が事例紹介された。
  次に、同行 国際与信管理部 国際環境室長浅野佳代子が環境社会リスクに対する取り組みを紹介した。同行では、融資を実施する際の与信ポリシーとしてエクエーター原則(国際的な金融機関によるプロジェクトファイナンスにおける環境・社会への配慮基準・ガイドライン)を採択、また専門部署として国際環境室を設置し、対象事業の環境社会影響やその対応策を評価し承認されたもののみに融資を実行する体制を整えていると説明した。
  3番目のパネリスト、日興コーディアル証券 アセットマネジメント・マーケティング部長 桜井歩は、投資信託を通じた環境貢献について紹介。同社が三井住友銀行とともに手掛ける投資信託「SMBC・日興 世銀債ファンド(愛称:世界銀行グリーンファンド)」を一例に挙げ、個人投資家から環境事業へお金を回す仕組みを解説した。  最後に、三井住友フィナンシャルグループ 企画部グループ CSR室長 條晴一が、銀行業務を中心にクレジットカード、証券、シンクタンクなど、さまざまな金融事業を展開するグループ各社の取り組みを総括的に紹介した。各社はそれぞれの分野で取り組みを進めているが、「環境」はグループ各社を1つにまとめ上げるキーワードであり、次世代へ持続可能な社会を残すため、総合力を発揮していきたいと語った。


 


 第2部では、日本総合研究所 主席研究員 足達英一郎が基調講演とコメンテーターを務めた。足達は冒頭の基調講演において、自身が携わった「UBS日本株式エコ・ファンド(愛称:エコ博士)」を例に挙げ、環境と金融機関の役割に ついて説明した。エコ博士が誕生した1999年当時、環境をテーマにしたファンドに懐疑的な目を向ける事業者もいたが、企業の中でISO14001取得などに取り組む担当者からは「経営陣に環境対策の重要性を理解してもらう説得材料ができた」と感謝されることもあったという。現在では、多くの企業が環境報告書、 CSRレポートを発行するなど、情報開示が進んでいる。このように企業が自主的取り組みを促進した背景には、環境に特化した金融商品の普及があることが指摘された。また、足達は、新しい銀行の在り方として社会あるいは環境に貢献する事業・企業にしか融資しないという独自の方針を掲げるイギリスのThe Co-operative BankやオランダのTriodos Bankを紹介。さらに、これからの金融機関は細心のリスク管理のもと環境問題に取り組み、健全な経営を堅持していくとともに、環境配慮型企業への融資・投資など、より価値ある金融商品・サービスを提供していくことが必要だと訴えた。
  これを受けて、三井住友フィナンシャルグループから登壇した4人のパネリストは、国内企業や消費者向けに実施している環境ビジネスを紹介した。まず、三井住友フィナンシャルグループ企画部グループ CSR室 上席室長代理 中島雅樹は、「環境負荷軽減」「環境リスクへの対応」「環境ビジネス」を3つの柱としたグループ各社の取り組みについて説明。また、グループ横断型の取り組み事例として、環境配慮型商品・サービスの開発に向けて協議を行う「Eco-biz 推進協議会」を紹介した。
  次に、三井住友銀行 法人マーケティング部部長代理 藤崎有美が、「SMBC-ECOローン」「SMBC環境配慮評価融資/私募債」「SMBC環境配慮評価融資ecoバリューup」といった金融商品の発売経緯を概説。大企業から中堅中小企業までを対象にしたラインナップを強化することで、より多くの企業の環境活動をサポートできるよう努めていることをアピールした。
  続いて三井住友ファイナンス&リース 環境事業部 部長補佐 種村慎一は、省エネ法改正などにより環境配慮に迫られる企業を支援するリース事業を解説。初期負担の平準化、タイムリーな環境設備の導入などを可能にする「リー スの力」と、省エネ診断や最適設備のアドバイス、公的補助金の申請支援などの「情報提供」の2つからなる同社のサービスを紹介した。
  三井住友銀行 法人業務推進部 営業支援グループ長 久保田剛一は、企業がビジネスパートナーを見つけ出すための「ビジネスマッチング」の取り組みを紹介。同会場で前日に開催された集中商談会に初めて韓国企業が参加したことに触れ、ビジネスマッチングの取り組みがグローバル化しつつあることを報告した。
  全パネリストの発表後、足達から今後の取り組みについて質問された中島は、環境に配慮しながら独創的なサービスを提供していく「攻め」と、コンプライアンスの遵守やリスク管理の徹底などの「守り」の両面から環境問題に一途に取り組んでいきたいと抱負を語った。



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