三井住友銀行承継アドバイザリー部 椎野 良成 三井住友銀行承継アドバイザリー部 椎野 良成

お客さまの承継をサポートする上での、SMBCの強みは何だと思いますか。

SMBCの強みの1つとして「銀証」連携による提案の引き出しの多様さが挙げられると思います。以前、SMBC日興証券とお取引があるIPO志向のお客さまから、資本政策について相談したいとの情報を同社から聴取し、情報共有の同意書を頂いて、お客さまとご面談をしたことがあります。最初のご面談では、まずオーナー様の株式承継に対する想いをじっくりとお聞きしました。そこでお聞きしたのは、①入社済のご子息様に承継したい、②議決権は自分が保持し実権は握っておきたい、③個人の資金負担が少ない手法を提案してほしい、という3点です。これを受けて当方からご子息様が99%、オーナー様が1%、議決権はオーナー様が大半を保有する資産管理会社を設立し、そこにオーナー様の保有株式の一部をご売却、そして資産管理会社による株式買取資金は当行がご支援をさせて頂き、配当金で借入金の返済を行うスキームをご提案致しました。お客さまはIPOへ向けて課題であった資本政策が解決し、本業に邁進することができ、その後、無事上場を果たしました。なお、本対策が実行になった後も、オーナー様個人がお持ちの資産をどのように次の世代に遺していくか、という資産承継のサポートについてもお手伝いをさせて頂いております。

お客さまとお会いするうえで大切にしていることは何でしょう。

まずはお客さまのことをよく知ること、そして自分自身に対しては「謙虚さ」を大切にしています。特に初めてお会いするお客さまについては、過去の取引経緯やお客さまのホームページ等を拝見してイメージを膨らまし、面談の流れを想像して、お客さまへの質問事項等を予めいくつか用意しておき、面談では何かしらの宿題を頂き、次回に繋げられるように努めています。また常に「謙虚さ」を忘れずにお客さまに寄り添っていくために、当部に着任したばかりの駆出しの頃、背中に冷や汗をかきつつお客さまに必死で説明した頃の気持ちを持ち続けることを心掛けています。今後はお客さまの想像を少しでも超えた提案ができるよう自己研鑽を積みたいと思います。