Sakura News Release


平成12年3月3日


さくらファイナンスサービスによる「債務引受型決済サービス」の
取扱開始について


 株式会社さくら銀行(頭取 岡田明重)は、関連会社のさくらファイナンスサービス(株)(社長 西堀次郎)を利用することにより、支払手形に代わる新たな決済方法として「債務引受型決済サービス」を開発いたしました。平成12年4月3日(月)より取り扱いを開始いたします。

 この商品は大企業の支払債務に対してさくらファイナンスサービスが併存的債務引受(注)を行うもので、従来の債権譲渡方式による一括ファクタリングシステムや一括信託と比べ、仕入先企業にとっては、(1)売掛先が変わらないこと(会計処理の変更不要)や(2)さくらファイナンスサービスが連帯債務者となることにより、売掛債権の回収リスクに対し支払企業とさくらファイナンスサービスの二重の保全が得られることになります。

 又、手形割引に代わる資金調達手段として債権期日前の資金化についても、 さくらファイナンスサービスがさくら銀行の短期プライムレートによる割引を実施できるシステムを用意しており、通常の手形割引と同様、または有利な条件で資金調達が可能になるとともに、仕入先は割引を利用することで債権流動化と同様に財務のオフバランス化が可能になります。

 一括ファクタリングや一括信託の場合には、高格付の優良支払企業宛の売掛債権を、格付を持たないファクタリング会社へ債権譲渡することに抵抗のあった仕入先にとっては、このネックを解消できるスキームとなります。また、支払手形廃止ニーズの高い企業や一括支払システム導入済の支払企業にとっては、仕入先の本件システムへの加入率が従来に比べて1〜2割程度上昇し、支払手形の廃止率が8割以上になると予想されます。

 現在、さくら銀行は従来型の一括ファクタリングシステムについて、約2,300億円の債権買取極度で仕入先企業約6,000社と契約済です。今後は従来型のファクタリング方式と今回開発した併存的債務引受方式の両商品を用意し、支払企業のニーズに合せていずれの方式でも対応できる体制を構築し、大企業の出金パイプと仕入先企業群のファイナンス収益を効率的にフォローしていく方針です。

債務引受型決済サービスのスキーム
債務引受型決済サービスのスキーム
(1) 仕入先は従来通り商品等を支払企業に納入し、販売代金を請求します。
(2) 支払企業は、ファイナンス会社に対し、仕入債務の明細を送付します。また、この明細についての債務引受をファイナンス会社に申込みます。
(3) ファイナンス会社は、上記の申込に基づき、支払企業が仕入先に負っている売掛債務について併存的債務引受(注)をします。(これにより支払企業とファイナンス会社は、仕入先宛の売掛債権に対して連帯債務者となります)
(4) ファイナンス会社は仕入先に対し代金を支払います。
仕入先が期日前に資金化を希望する場合((4)’)は、ファイナンス会社への申込により指定口座へ振込します。
(5) 上記((4))によりファイナンス会社は支払企業に対して、求償権を持ちます。
(6) 支払企業は債権期日(従来の支手期日)にファイナンス会社に対して、代金を振り込みます((5)の求償権に基づく支払)。
 
(注) 債務引受には、旧債務者が債務を免れる免責的債務引受と、旧債務者と新債務者が連帯債務者となる併存的債務引受(重畳的債務引受とも言います)があります。



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