事業の内容を教えてください。
日総グループの中核企業である日総工産は、1971年の創業以来、製造系人材サービスのパイオニアとして日本のモノづくりを支えてきました。NISSOホールディングス株式会社(以下、当社)は、そうしたグループの持株会社として2023年10月に設立されました。今後は、グループ全体の適切なコーポレート・ガバナンスやコンプライアンス・リスク管理を強化しつつ、グループ各社がそれぞれの分野で高い専門性を発揮できるような体制を整え、意思決定の迅速化を図っていきます。
日総グループの中核企業である日総工産は、1971年の創業以来、製造系人材サービスのパイオニアとして日本のモノづくりを支えてきました。NISSOホールディングス株式会社(以下、当社)は、そうしたグループの持株会社として2023年10月に設立されました。今後は、グループ全体の適切なコーポレート・ガバナンスやコンプライアンス・リスク管理を強化しつつ、グループ各社がそれぞれの分野で高い専門性を発揮できるような体制を整え、意思決定の迅速化を図っていきます。
人材サービスが主要の事業であることから、自社のGHG排出量はそれほど多くはありません。とはいえ、主要な取引先である製造業では、業界を挙げて排出量削減に取り組んでいることもあって、われわれにとっても他人事ではありません。もちろん人材サービスという観点からは、多様な人材の雇用促進や女性活躍の推進なども大きなテーマではありますが、脱炭素も率先して取り組むべき課題のひとつです。その意味では、当社の従業員も脱炭素に対する高い意識を持ちつつ、業務に取り組むことが大切だと考えています。
当社の中核である日総工産が創業してから、脱炭素に向けた取り組みを行っています。2005年にはISO14001を取得し、電気の使用量のみならず、紙や水の使用量、廃棄物の総量などについてそれぞれ目標を設定し、目標達成に向けてさまざまな活動を推進してきました。
そうした取り組みの一環として、2019年には脱炭素をはじめとしたサステナビリティに関する討議を行う「企業価値向上委員会」を立ち上げ、持続可能な事業を通じて社会に価値をお届けしつつ、企業価値の向上を図っています。さらに、毎年発行している「サステナビリティ報告書」にて、当グループにおける取り組みを紹介する中で、GHG排出量の開示を行っています。
ガソリンや電気などの使用量削減が主な取り組みとなります。例えば、当グループは全国で数百台の社有車を有して、移動手段の確保が難しい地方での営業活動やスタッフ管理などに利用していることから、アイドリングストップ、ハイブリッド車への切り替えやEV車の導入などによって、ガソリンの使用量を減らしたり、オフィスの電気をこまめに消して電気の使用量を減らしたりといった取り組みを行っています。また、いま力を入れているのが、従業員の脱炭素マインドの醸成です。毎年、新入社員や既存社員に対し、自社グループにおけるサステナビリティへの取り組みについての説明会を開催するなどして、意識付けを行っています。
メーカー様に比べれば、効果は限定的な部分も多くあるかもしれませんが、地道な努力によって得られる効果が、目標として掲げている「2050年カーボンゼロ」の社会への貢献につながるものと考えています。
導入のきっかけは「日総グループ サステナビリティ報告書2022」の作成です。
自社グループのGHG排出量を算出し記載する要求の高まりもあり、排出量を正確に算出したいと考えたのです。当初はエクセルを使って算出していたのですが、当社グループは全国に拠点を有し、電力会社も一定ではありません。算定のための係数もそれぞれ異なります。エクセルの作業では、正確性も担保できないことから、専用ツールが必要なことはすぐ分かりました。
正確性の担保をどう確保するかを検討していたところ、取引先のひとつである三井住友銀行からSustanaの紹介を受け、低コストなこともあって導入を決めました。
各拠点で収集した排出量データを、SustanaでCSVデータとして取り込み、グループ全体の排出量を算出しています。
Sustanaの操作は簡単で、手間も掛からないことから、今後は、報告書作成のためだけでなく、例えば四半期ごとのペースで可視化するなどして、従業員の脱炭素のマインド向上にも役立てたいと考えています。
Sustanaで、正確な排出量を算出し、開示できるようになったのは大きな効果だと思っています。また、実数値で見ることで、従業員のみならず、投資家をはじめとしたステークホルダーの方々にも分かりやすく伝えることが出来ているのではないかと考えています。
日総工産においては、古くから「ISO14001」に取り組んでおり、環境保全とは近いところにありましたし、新たな考え方であったもののTCFD *1 に基づいた情報開示の必要性も感じ取ることができました。それは、設立と同時にプライム市場に再上場した当社においても同様です。これまで行ってきた気候変動に関する情報開示や実践を深めるためにも、2023年10月に「TCFD提言への賛同」を表明しております。今後は、脱炭素の実現に向けて排出量のみならず、開示していく情報の増加が想定されると思いますので、Sustanaを積極的に利用していく方針です。
あわせて、グループ全体への浸透を進めていくためにも、社内でSustanaを利用できるユーザーを順次拡大していくことを予定しています。
また、当社の設立に合わせてWebサイトもリニューアルし、新たにサステナビリティページを設け、当社の取り組みをアピールしており、今後もSustanaによる排出量の可視化は欠かせないものになると思います。
脱炭素に向けた活動の重要性を、分かりやすく伝えてもらいたいと考えています。2015年に国連で採択された「SDGs」は、社会に広く認知されるようになりました。一方で、「GHGプロトコルのScope」と言ってもなんのことなのか分からないといった認知になっています。三井住友銀行にはより多くの人に関心を持ってもらう取り組みを進めてもらえれば、当社グループにおいても、脱炭素に向けて全従業員の意識が高まるだけでなく、算出作業や開示を行っている従業員のやりがいにもつながるのではないでしょうか。
また、Sustanaについては、経理システムとの連携を強化してもらい、よりスムーズな排出量算定が可能になることを期待しています。