SMBC-JICAサステナブルファイナンス フレームワーク

商品概要

SMBC-JICAサステナブルファイナンスフレームワーク(以下、「本フレームワーク」)は、三井住友銀行およびその国内外のグループ会社(以下、「SMBC」)と国際協力機構(以下、「JICA」)が協調して行う融資の内、資金使途を環境や社会課題の解決に資する事業に特定したローンを対象としています。環境面に配慮した事業へ用途を限定した「グリーンローン」、社会面に配慮した事業へ用途を限定した「ソーシャルローン」、及び環境・社会面の双方に配慮した事業へ用途を限定した「サステナビリティローン」として取り扱うための手続きを定めています。

本フレームワークでは、関連原則(※1)が定める4要素に沿って、①調達資金の使途、②プロジェクトの評価と選定のプロセス、③調達資金の管理、④レポーティングに関する手続きを定めています。

  • (※1)関連原則
    国際資本市場協会(以下「ICMA」(※2))が公表している「グリーンボンド原則」「ソーシャルボンド原則」、「サステナビリティボンド・ガイドライン」、
    ローン・マーケット・アソシエーション(以下「LMA」(※3))等による「グリーンローン原則」、「サステナビリティ・リンクローン原則」、「ソーシャルローン原則」(但し、「サステナビリティ・リンクローン原則」に基づいた個別案件を組成する際は、資金使途を特定する代わりに、貸付条件に紐づいたサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットを設定します。)
  • (※2)国際資本市場協会(ICMA)
    持続可能な経済の成長と発展に必要な安定的な資金提供が行われるよう、国際債券市場の健全性を保ち、機能的な、世界を一貫できるクロスボーダー債券市場を促進することを目的として1968年に欧州にて設立されました。
  • (※3)ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)
    ヨーロッパ、中東、アフリカ地域のローン市場の拡大等を推進することを目的として、1996年に設立されました。

スキーム図

スキーム図

SMBC-JICAサステナブルファイナンスフレームワーク概要

(1)調達資金の使途

本フレームワークに則り実行する融資は、JICAとSMBCによる、海外投融資協調案件、かつ一定の環境又は社会課題の解決に資するものであり、定量的な効果が図れるものと定義します。JICAの海外投融資の対象分野は、以下の2分野です。

  • 1.インフラ・成長加速
  • 2.SDGs(貧困削減、気候変動対策を含む)

上記カテゴリーの内、SMBCが独自に作成している「グリーン/ソーシャル/サステナビリティローンの資金使途例」と照らし合わせて、個別にその適格性を判断致します。

<除外クライテリア>

  • 以下に定めるプロジェクトは、適格プロジェクトカテゴリーから除外します。
  • 化石燃料資産、化石燃料を利用した輸送機関/インフラ、主として化石燃料を輸送するインフラ及び輸送機関、

    防衛及び安全保障、パーム油、木材パルプ、原子力発電、石炭火力発電所、並びに全ての鉱業及びタバコセクター。

  • なお、SMBCにて検討の結果、除外クライテリアに該当すると判断した場合には、本フレームワークの対象外とします。

(2)プロジェクトの評価と選定のプロセス

  • 適格プロジェクト選定基準の概要

SMBCは、以下の視点より検証を行います。

  1. 1対象事業の内容
  2. 2社会課題との整合性
  3. 3社会的インパクト
  4. 4資金使途の充当管理方法
  5. 5インパクト開示方法

JICAの有償資金協力業務(含む海外投融資)の個別事業は、日本政府・外部専門家を交えた審査・選定プロセスを経て、融資の実行に至ります。

個別事業の審査・選定においては、JICA法、開発協力大綱等の枠組みとの関係に加え、事業が実施される開発途上国の経済・社会開発計画と整合的であることを前提に、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)による国際的な事業評価の視点である「DAC評価6項目」を用い、事業計画を検証します。

  • 融資実行までのプロセス概要

SMBCにおける融資実行までのプロセスの概要を、以下に記載します。

  1. 1資金使途が選定基準を満たしていることをSMBC関係各部で確認するための採り上げ時チェックシートを作成し、検証します。
  2. 2資金使途の適格性を判断します。
  3. 3選定基準、適格性を満たしていないと判断した場合、対象融資が本フレームワークに整合したものとなるように、借入人と協議し修正の上、①に戻ります。
  4. 4事業の適格性の検証と併せて、審査担当部署にて与信条件等の審査を行い、融資を決定します。
  • 事業における環境・社会的配慮に関する取り組み、ガイドライン等

プロジェクトの選定に際し、準拠するガイドラインや原則を以下に記載します。

  • SMBC「クレジットポリシー」
  • SMBC「環境社会リスク評価手続き」に基づく環境社会リスク評価・モニタリング
  • 環境や社会へ大きな影響を与える可能性が高い事業・セクター方針
  • JICA環境社会配慮ガイドライン
  • JICA不正腐敗防止ガイダンス

(3)資金の管理

  • 融資金及び充当資金の追跡管理方法
    SMBCは、融資金が適格プロジェクトに充当された時、または、年1回のレポーティングにて纏めて、借入人より報告を受けます。
    SMBCは、充当資金の管理状況を年に1度、担当部署にて検証を実施します。

(4)レポーティング

  • KPIの設定方法
    調達資金が充当されているプロジェクトがどのような結果をもたらすかについて、KPIの指標(アウトプット指標)については、JICAとSMBCが協議の上、借入人と設定致します。
  • インパクトレポーティングの開示方法/頻度及び管理方法
    借入人より、年に1回、インパクトレポートによる報告を受け、資金の充当状況等について報告を受けます。
    また、SMBC関係各部にてその内容の検証を実施します。
  • 上記プロセスの内部監査、外部レビュー
    JICAでは、有償資金協力業務の全事業(協力額が2億円以上の案件が対象)について、国際的なODA評価の視点である「DAC評価6項目」に基づき、事前評価、事後評価を実施しています。
    年に一度、本フレームワークと個別事業の状況についてその整合性を確認するための外部レビューを受けます。
    ただし、個別事業のインパクトに変化が見られないと判断した場合は、それを理由として外部レビューは不要と考えます。
    年次外部レビュー(2023年)

評価結果

本フレームワークは、関連原則と整合的であることについて株式会社日本総合研究所より、第三者意見を取得しています。
評価機関(JRI)によるレビュー結果

ご留意事項

  1. 1本資金調達を取り組まれたお客さまには、ご自身で以下を実施頂いております。
    • ご融資の実行迄に、JICAおよび弊行と連携の上、本フレームワークに則ったローン契約書を策定。
    • ご融資の実行後、ローンの完済迄、最低年1度の頻度で弊行にインパクト・レポートを提出。
  2. 2その他
    • 本商品の取組に際しては、JICAおよび弊行による所定の審査がございます。
    • ご契約に際しては、商品内容を十分ご検討のうえ、必ずお客さまご自身でご判断ください。
    • 契約締結にかかる会計、税務および情報開示等については、必ず事前に貴社の顧問会計士、弁護士、監査法人等にご相談ください。弊行は、貴社による本商品の取組みや、契約締結ならびに本商品の取組みにより貴社が意図される経済的効果にかかる会計、税務処理等について、何ら表明・助言等を行うものではありません。
    • 弊行は、お客さまの自由かつ自主的なご判断により、ご契約いただくことを前提としております。このため、弊行が、本特約にご契約いただくことをローンの条件としたり、本特約をご契約いただかないことを理由に、不利なお取り扱いをすることは一切ありません。
    • 詳細については、お取引店までお問合せください。