経理

公開日:2022.03.18

ファクタリングとは?買取型と保証型の仕組みやメリットを解説

ファクタリングとは?買取型と保証型の仕組みやメリットを解説

ファクタリングは、資金調達の方法のひとつとしても知られています。ファクタリングには「買取型」と「保証型」の2種類があり、資金調達の方法として使われているのは買取型のほうです。保証型は買取型とはまったく異なるサービスですが、この2つの違いをきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、買取型と保証型それぞれのファクタリングの仕組みと利用するメリット、注意点について解説します。

買取型ファクタリングと保証型ファクタリングの違い

ファクタリングとは、事業者が持つ売掛債権を支払期日前にファクタリング会社が買い取ったり、取引先による代金の支払いをファクタリング会社が保証したりする金融サービスのことです。一般的に前者を買取型、後者を保証型のファクタリングと呼びます。

買取型ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、当初の支払期日より前に売掛債権を現金化できるサービスです。取引先からの支払いを待たずに、額面から手数料を引いた現金を得ることができます。
保証型ファクタリングは、取引先による代金の支払いをファクタリング会社に保証してもらうことで、売掛債権の回収不能リスクを軽減できるサービスです。ファクタリング会社に保証料を支払うことで、万一取引相手が倒産して売掛債権の回収ができなくなっても、あらかじめ設定した保証額までの現金を受け取ることができるため、貸倒損失を軽減することができます。

名前は似ていますが、2つのサービスはまったく別物であり、利用する場面も違うのです。

買取型ファクタリングの仕組み

買取型ファクタリングは、期日前に売掛債権を現金化できるという狙いがあります。
契約形態によって、利用者とファクタリング会社の2者で契約する「2社間ファクタリング」と、取引先も含めた3者で契約する「3社間ファクタリング」の2つの方法があります。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、自社がファクタリング会社に債権を譲渡し、債権額面から手数料を引いた金額を現金として手にする方法です。その後、取引先から利用者へ売掛金債権の代金が支払われたら、利用者は回収した代金をファクタリング会社に渡します。
取引先への通知が不要のため、取引先には債権を譲渡したことがわからないというメリットがあります。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社から取引先に債権譲渡の通知を行い、取引先の承諾を得て、売掛債権の譲渡を行う方法です。売掛債権金の代金は、取引先から直接ファクタリング会社に支払われます。
2社間ファクタリングに比べて手数料は安くなりますが、手続きに手間と時間がかかることや取引先の協力が必要であるというデメリットもあります。

保証型ファクタリングの仕組み

保証型ファクタリングは、売掛債権が回収不能に陥るリスクを軽減できるという狙いがあります。

保証型ファクタリングでは、まず利用者が売掛債権の保証をファクタリング会社に依頼します。ファクタリング会社は独自の審査を行った後、保証引受の可否と保証金額や保証料といった条件を利用者に伝え、利用者は提示された条件で問題なければ、保証料を支払い、保証契約を締結します。

もし、取引先の倒産などで売掛債権が回収できなかった場合、ファクタリング会社から利用者に保証金額が支払われ、利用者にとっては貸倒損失を軽減することが可能となります。

買取型ファクタリングのメリット

買取型ファクタリングを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つのメリットについてご説明します。

買取型ファクタリングのメリット

支払期日より早いタイミングで現金化できる

ファクタリング会社に売掛債権を譲渡することで、取引先とのあいだで決めた支払期日より前に現金化することが可能になります。そのため自社の資金繰りを好転させる効果があるといえます。

資金調達に取引先の信用力を活用できる

買取型ファクタリングを利用する際にはファクタリング会社による審査がありますが、ファクタリン会社は売掛債権の支払人である取引先の信用力も勘案して審査を行いますので、取引先の信用力が高い場合には、審査において有利に働くことがあります。

自社の借入金に計上されない

ファクタリングは借入にはあたらないので、ファクタリングによる資金調達は自社の借入金項目には記載されないケースもあります。ただし、実際の会計上の取り扱いについては、会計士または税理士の方と相談する必要があります。

買取型ファクタリングの注意点

買取型ファクタリングの注意点としては、どのようなものがあるのでしょうか。利用時に注意したい4つのポイントについて見ていきましょう。

手数料がかかる

買取型ファクタリングの利用には手数料がかかるため、現金として受け取ることができる金額は、売掛債権の額面金額を下回ります。

売掛債権以上の金額は現金化できない

買取型ファクタリングは、売掛債権の金額を超える資金調達はできません。売掛債権の金額以上の現金が必要な場合は、借入などほかの手段をとる必要があります。

2社間ファクタリングは手数料が高め

2社間ファクタリングは、3社間ファクタリングに比べて手数料が高めになる傾向があります。

3社間ファクタリングは時間がかかる

3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングと比べると手数料は低めになる傾向がありますが、取引先の承諾が必要なため、手続きに時間がかかることがあります。

保証型ファクタリングのメリット

保証型ファクタリングを利用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、保証型ファクタリングのメリットを2つご紹介します。

保証型ファクタリングのメリット

取引先の倒産リスクに備えられる

大口の取引先が倒産すると、自社の経営まで危うくなる可能性があります。保証型ファクタリングを利用すれば、取引先倒産時の貸倒リスクを軽減することが可能になります。

与信管理の省略化が図れる

保証型ファクタリングを利用することで、取引先の審査にかかる業務負担の軽減が可能になります。また、取引先倒産後の債権管理に関する事務負担も軽減できます。

保証型ファクタリングの注意点

保証型ファクタリングを利用する際の注意点としては、どのようなものがあるのでしょうか。2つの注意点について見ていきましょう。

保証料がかかる

買取型ファクタリングの利用には手数料が発生しましたが、保証型ファクタリングの利用には所定の保証料が発生します。

取引先の信用力によっては保証の引き受けができない

保証型ファクタリングを利用する際にはファクタリング業者による審査が行われるため、取引先の信用力などによっては保証の引き受けができないことがあります。また、保証開始後に取引先の信用力が低下した場合は、保証の廃止を通知されることもあるため、注意が必要です。

保証型ファクタリングで、貸倒損失のリスクを回避しよう

取引先の倒産などで売掛債権の回収が滞ると、自社の資金繰りに大きな影響が生じることにもなりかねません。代金の支払能力に懸念のある取引先や、詳細な与信調査が難しい取引先がある場合、また、そうした会社と新しく取引を始めるときなどは、保証型ファクタリングを利用することで、万一の事態に備えるのがおすすめです。

SMBCグループのポータルサイト「Amulet」では、保証型ファクタリングへのお申し込みが可能です。取引先から債権回収ができない場合に備えるだけでなく、与信管理の手間や倒産後の債権回収にかかる負担を軽減する効果もあります。
与信管理や貸倒損失のリスクにお悩みの方、もしくは売掛債権の保証をご検討の方は、ぜひ「Amulet」をご利用ください。

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