経理

公開日:2022.10.03

POSシステムとは?特徴や活用方法、導入メリットを解説

POSシステムとは?特徴や活用方法、導入メリットを解説

さまざまな業界でさまざまな業務のDXが進み、店舗型ビジネスにおいてもデジタルテクノロジーの導入が活発化しています。特に近年ではスーパーやコンビニなどのレジでセルフレジが導入されるなど「POSシステム」の高度化も、DX時代を象徴するデジタルテクノロジーのひとつです。
ここでは、POSシステムの特徴や活用方法のほか、導入のメリットについて詳しく解説します。

POSシステムは、販売時点で物品の情報を記録・集計できるシステム

POSはPoint Of Salesの略で、「販売時点情報管理」の意味です。POSシステムとは、その名の通り物品を販売した時点での情報を商品単位で記録・修正するシステムのことです。
POSシステムで商品のバーコードを読み取ると、商品名、購入時刻、購入店舗、価格、個数などのデータを集計し、加えて顧客セグメントを店員が追加することで、企業が販売戦略を立てる上で欠かせない顧客の購買行動が可視化されます。

なお、POSとさまざまな形で連動する周辺機器を併せてPOSシステムと呼ぶ場合もあります。POSシステムは、小売店をはじめ、人手不足を解消したい医療機関や自治体などでも活用が浸透中です。キャッシュレス決済の拡大や、在庫や販売歴といった「店舗の見える化」につながるDX推進の一環として、POSシステムを中心とした多様なソリューションの需要が高まっているのです。

レジスターとPOSレジの違い

レジスターとPOSレジの違い

従来から店舗に置かれているいわゆる「レジスター」と「POSレジ」には、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの具体的な違いを見ていきます。

・レジスターの特徴

レジスターは、会計金額の計算・記録がメイン機能となっており、引き出し部分に売上金や釣銭を収納できます。登録したデータをもとに、部門別の売上傾向や日別・時間別の売上状況などを集計・把握できるタイプもありますが、記録したデータを自動で分析することはできません。
顧客の購買パターンを見つけ出すバスケット分析や、売上高・在庫・コストといった指標をランク分けして注力商品を導き出すABC分析を行いたい場合は、印字したレシートをもとに人力で分析を行う必要があります。なお、機能が絞られているため、導入コストは比較的安価です。

・POSレジの特徴

POSレジは、商品の売買が成立した際の情報をその場で記録・集計することが可能となっています。売上分析や在庫管理などの機能もあり、効率的に購買分析をして戦略立案につなげることもできます。
レジスターに比べると初期導入コストがかかり、システム維持費や、定期的な入れ替えなどでランニングコストも発生しますが、業務効率化によるコストカットが成功すれば、投資対効果が期待できます。

POSデータの活用で自社製品を詳しく分析する

POSデータは、自社製品を分析するための重要な材料となります。たとえば、下記に紹介するような情報をピックアップし、戦略立案に活かすことが可能です。

顧客が求める商品、サービスは何か

POSシステムの登録データを見れば、商品・サービスの売れ筋・動向がわかります。需要があるものとないものを比較することによって、顧客のニーズに応えられるラインナップを用意することもできるでしょう。

商品が最も売れるのはいつか

POSデータを時系列で整理することで、特定商品の売れやすい・売れにくい時期、時間帯などが分析できます。この情報をもとに、陳列の場所を工夫したり、売れやすい時間帯は多めに、売れにくい時間帯は少なめにといったような商品の陳列数や時間を調整したりすることもできるでしょう。

重要度が高い商品はどれか

POSシステムでは、商品の重要度を踏まえた、在庫管理を行えます。データをもとにした根拠のある在庫管理によって、無駄なコストの削減や、注力商品の在庫を増やして機会損失を減らす、などの効果が見込めるでしょう。

小売業におけるPOSシステム導入メリット

ここからは、小売業にフォーカスして、POSシステムを導入するメリットをご紹介します。大きく2つに分けて、具体的なメリットを見ていきましょう。

小売業におけるPOSシステム導入メリット

会計・経理の効率化

POSシステムは、自社の基幹システムとの連携が可能です。会計システムと連携した場合、POSレジを操作するだけで会計ソフトが自動的にデータを収集・仕分けしてくれるため、売上データの管理も簡単です。
レジの売上データを効率的に管理して、店舗責任者や経営者、総務・経理担当者などの事務作業の負担を軽減しつつ、毎月の会計処理にかかっている時間も削減できます。
従来のレジスターを使用して、店舗責任者や経営者が閉店後の膨大な事務作業に忙殺されている小売店や、売上管理に負担がかかりすぎて本業が疎かになっている小売店などでは、POSレジの導入による会計の自動化は大きなメリットとなるでしょう。

商品・在庫管理の質の向上

スタンドアローンと呼ばれる、ネットワークに接続されていないレジスターと違って、POSレジのデータは他店舗や本部ともリアルタイムに共有できます。これにより、全社の販売状況を即座に可視化し、在庫の状況や売れ筋を総合的に見極めた上での全体最適化が可能となります。
販売データが蓄積されれば、購買行動との関連性を見つけ出し、アップセル・クロスセルを図る戦略の立案に役立てたり、注力すべき商品や、購買層別の売れ筋を分析するABC分析に活用するといったマーケティングに役立てることが可能です。

POSレジを活用して、マーケティングの精度を高めましょう

インターネットが普及し、年代を問わず多くの人がひとり1台のスマートフォンを所有するようになり、消費者は簡単に商品やサービスの情報を手に入れて比較検討できるようになりました。この社会変化に伴って、消費者のニーズは多様化し、消費スタイルも大きく変化しています。
こうした中で継続的に利益を出すために、企業には「顧客のニーズをいかに正確に・素早く把握するか」が問われています。時代の変化に対応するためにもPOSデータを活用し、マーケティングの精度を高めて、顧客のニーズに合った商品展開・サービス拡充を図っていきましょう。

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店舗業務のDXを検討している場合は、ぜひ「assetforce for stera」をご活用ください。

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