経理

公開日:2024.02.07

クレジットカード決済は導入すべき?メリットや費用について解説

クレジットカード決済は導入すべき?メリットや費用について解説

店舗などでの現金以外の支払方法として、クレジットカード決済は導入した方がいいのでしょうか。クレジットカード決済を導入するメリットや費用などについて、気になっている店舗オーナー様も多いのではないでしょうか。
今回は、クレジットカード決済の2つの導入方法と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介すると共に、店舗・お客さま双方のクレジットカード決済のメリットについて解説します。決済代行会社を比較するポイントについても、併せて見ていきましょう。

クレジットカード決済とは?

クレジットカード決済は、クレジットカードを用いた代金の支払方法です。クレジットカード払いの手続をすると、クレジットカード会社が商品の代金を一時的に立て替えます。
近年は現金以外にも様々な決済手段がありますが、クレジットカード決済はその中でも、最も利用者の多い手段です。

クレジットカード決済の利用が増加している背景

クレジットカード決済の利用は、年々増加しています。その背景にあるのが、政府が後押しするキャッシュレス決済の普及です。
政府は、2025年までにキャッシュレス決済の比率を全体の4割に引き上げる目標を掲げており、2022年のキャッシュレス決済比率は36%に到達しています。その内訳を見ると、クレジットカードが30.4%、電子マネーが2.0%、コード決済が2.6%(※)と、クレジットカードが最も多くの割合を占めているのが実情です。

(※)出典:経済産業省「2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2023年4月)

クレジットカード決済の導入方法

店舗にクレジットカード決済を導入するには、大きく分けて2つの方法があります。ひとつはクレジットカード会社と直接契約する方法、もうひとつは決済代行会社を経由する方法です。

クレジットカード決済導入の方法

クレジットカード会社との直接契約

クレジットカード会社に直接問い合わせ、加盟店契約を締結することができます。
Visa、Mastercard、JCBといった各ブランドの加盟店契約事業者は、アクワイアラーと呼ばれます。アクワイアラーごとに直接契約を結ぶことになるため、決済手段として提供できるのは契約したブランドのみです。

決済代行会社経由の契約

決済代行会社を経由して、複数のクレジットカード会社と契約することができます。この場合、一度の申込手続で複数のクレジットカードブランドと一括契約ができ、決済システムも統一されます。
また、クレジットカード以外にも、様々な決済手段を導入することが可能です。

クレジットカード会社と直接契約するメリット・デメリット

クレジットカード会社と直接契約する場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。主なメリット・デメリットは次の通りです。

<直接契約のメリット>

・決済代行会社を経由しないため、決済手数料が抑えられる

クレジットカード会社と直接契約し、決済代行会社を挟まないため、決済手数料を抑えられます。決済ごとにかかるのは、クレジットカード会社が定めた手数料のみです。決済手数料を抑えられる点では、直接契約する方ことにメリットがあります。

・長期間事業を展開していく場合はトータルで割安になる

中長期的な視点で捉えた場合、決済代行会社を挟むよりも直接契約した方がトータルのコストは割安になります。決済代行会社が提供する各種サービスを利用しないため、店舗側では運用や管理にかかる手間や時間といったコストがかかってしまいます。一方で、このコストは長期的に運用していくと効率化できるようになるため、トータルでのコストダウンが可能です。

<直接契約のデメリット>

・決済代行会社経由よりも審査に時間がかかる傾向がある

クレジットカード会社ごとに加盟店契約時の審査方法が異なることから、決済代行会社経由で一括契約する場合と比べて審査に時間がかかるケースが少なくありません。また、審査通過までに必要な書類を、店舗側で1件ずつ準備する必要があり、準備も含めると相当の時間がかかることが想定されます。

・経理業務が煩雑化する可能性がある

クレジットカード会社ごとに締め日や入金日がまちまちであるため、経理業務が煩雑になります。クレジットカード会社の入金状況と明細をひとつひとつチェックするには、多くの手間と時間をかける必要があるでしょう。

・決済代行会社経由よりもシステム開発・運用コストがかかる可能性がある

クレジットカード会社ごとに異なる要件に合わせて決済システムを構築するには、多くの開発・運用コストを要します。セキュリティ対策を講じるためのコストも含めると、結果的に決済代行会社経由で契約するよりもコストが増大する恐れがあります。

決済代行会社経由で契約するメリット・デメリット

決済代行会社経由でクレジットカード決済を導入した場合、どのようなメリット・デメリットが想定されるのでしょうか。主なメリット・デメリットは次の通りです。

<決済代行会社経由のメリット>

・審査の準備にかかる工数・期間を大幅に削減できる

決済代行会社に窓口を一本化することにより、クレジットカード会社の審査を個別に受ける必要がなくなります。審査の準備にかかる工数・期間を大幅に削減し、クレジットカード決済をスムーズに導入できる点が大きなメリットです。

・運用する際も手間がかからない

クレジットカード決済導入後に関しても、窓口は決済代行会社に一本化されます。締め日や入金日を統一することにより、運用の手間が大幅に軽減されます。入金状況や明細のチェックを一元化できるため、最小限の工数で運用できる点がメリットです。

・セキュアな決済システムが提供される

決済代行会社が提供する決済システムを活用することにより、セキュアなシステムを簡単に導入できます。自社でセキュリティ対策を施す必要がなくなることから、コストを抑えたスピーディーな導入が可能になります。

<決済代行会社経由のデメリット>

・決済手数料がかかる

決済代行会社を挟むデメリットは、決済手数料が発生することです。決済代行会社が提供する各種サービスを利用したり、導入・運用のコストを抑えたりするためには必要な手数料と言えます。

店舗にクレジットカード決済を導入するメリット・デメリット

クレジットカード決済を導入することで、店舗運営にはどのような影響があるのでしょうか。店舗の主なメリットとデメリットについて見ていきましょう。

<店舗のメリット>

・顧客単価が上がる可能性がある

クレジットカード決済が利用可能となることで、顧客単価が上がる可能性があります。買い物の金額を、手持ちの現金の範囲内に収める必要性がないことから、より高額な商品を選んだり、「ついで買い」をしたりする傾向があるからです。

・販売機会の増加が期待できる

キャッシュレス決済が浸透しつつある昨今では、決済手段が現金しかないことは、顧客の利便性を低下させることに直結します。クレジットカード決済が利用できないことが、店舗にとって機会損失の一因となる可能性は十分にあるでしょう。クレジットカード決済を導入することでこうした機会損失を回避し、販売機会を増加させる効果が期待できます。

・現金管理の手間が大幅に減る

クレジットカード決済の導入に伴い、現金管理にかかっていた手間が大幅に軽減されます。釣り銭の用意やレジ締め作業などの手間が減ることに加え、防犯上のリスクを低減させる効果も期待できるでしょう。現金管理の負担が軽減される分、接客や販売活動に集中しやすくなる点が大きなメリットです。

<店舗のデメリット>

・決済端末などの初期費用がかかる

クレジットカード決済の導入時には、カード情報を読み取るための決済端末を用意する必要があります。機能が充実している端末の中には高額のものもあるため、初期費用がかかる点がデメリットです。スマートフォンやタブレットを決済端末として活用できるタイプなど、比較的安価に導入できるものもあります。

・クレジットカード決済導入時にある程度の手間がかかる

クレジットカード会社と個別に直接契約を結ぶ場合にも、決済代行会社を利用した場合にも、導入時にある程度の手間がかかるのは避けられません。現金のみの決済と比べた場合、新たな決済手段を導入するにあたって手間が増えるのは、致し方ないことと言えるでしょう。

・月額費用がかかる

クレジットカード決済を導入すると、システム利用料や顧客情報管理費用といった月額費用もかかります。セキュリティ対策の強化や入金サイクルの指定などがオプション機能として提供されているケースもあるため、こうした機能を活用する際には月額費用がさらに加算されることも想定されます。

・クレジットカード決済に手数料がかかる

クレジットカード決済を行う度に、手数料がかかるというデメリットもあります。手数料はクレジットカード会社や決済代行会社ごとに異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

・売上がすぐには現金化されない

クレジットカード決済では締め日と支払日にタイムラグがあるため、売上がすぐに現金化されるわけではありません。例えば、その日の売上を翌日以降の仕入れに回すといったことができなくなる点に注意が必要です。資金に余裕がない場合には、入金サイクルができるだけ短い決済代行会社を選択するのが得策と言えます。

なお、SMBCグループが提供するキャッシュレス決済サービス「stera pack(ステラパック)」は、多種多様な決済手段に対応できるオールインワンの決済ソリューションであり、クレジットカード決済やタッチ決済、ICカード決済を含む様々な決済手段を導入可能です。決済、コスト、集客の全てにゆとりが生まれ、導入も気軽に行うことができます。

クレジットカード決済導入で生まれるユーザーのメリット

クレジットカード決済が導入されることによって、店舗のお客さま、すなわちユーザー側にはどのようなメリットが生まれるのでしょうか。
次に挙げるメリット面を踏まえて、クレジットカード決済を導入する費用対効果を検討することが大切です。

現金不要で買い物を楽しめる

クレジットカード決済に対応している店舗であれば、お客さまは現金を用意することなく買い物を楽しめます。高額商品を購入する際にも、多額の現金を持ち歩く必要がないことはお客さまにとって大きなメリットです。レジでスマートに決済を済ませられ、釣り銭のやりとりなども省略できるため、お客さまの利便性が向上します。

分割払いなど、複数の支払方法が選べる

クレジットカードには1回払いのほか、分割払いやボーナス払いなど多くの支払方法があります。家計への負担を考慮しつつ、様々な支払方法を選択できることはお客さまにとってメリットと言えるでしょう。購入を躊躇しがちな高額商品であっても、分割払いやボーナス払いを利用することで購入できる可能性があります。

ポイントが還元される

クレジットカードの利用額に応じて、ポイントが還元される点もメリットのひとつです。貯まったポイントを商品と交換したり、買い物に利用したりすることで、お得に活用できます。ポイント還元は、現金払いにはない魅力と言えるでしょう。

特典や割引サービスを利用できる

クレジットカードによっては、様々な特典や割引サービスを提供しています。空港のラウンジが無料で利用できたり、同系列の店舗などを利用する際に割引が適用されたりするなど、サービス内容は多種多様です。こうした特典や割引サービスを利用できることも、お客さまがクレジットカード決済を利用するメリットとなります。

クレジットカード決済導入に必要な費用

クレジットカード決済導入に必要な費用について、直接契約、決済代行会社経由の契約の、それぞれの場合を見てみましょう。

直接契約の場合

直接契約の場合は、クレジットカード会社ごとに初期費用が必要です。導入後は、月額固定費がかかるほか、決済ごとに手数料やトランザクション費用(データ通信・処理費)がかかります。

決済代行会社経由の契約の場合

決済代行会社経由の契約の場合は、初期費用は無料であることが多いです。導入後は、直接契約と同じように月額固定費がかかります。また、決済ごとに手数料やトランザクション費用(データ通信・処理費)もかかりますが、月額費用に含まれている場合もあります。

決済代行会社を比較する際のポイント

決済代行会社を選ぶ際のポイントについて解説します。次に挙げる4点を比較検討し、自社に合った決済代行会社を選びましょう。

決済代行会社を比較する際のポイント

入金サイクルの短さ

入金サイクルとは、売上額が確定する締め日から売上金が入金されるまでの期間を指します。決済代行会社によって入金サイクルに差があるため、売上額をできるだけ早く現金化したい場合には、入金サイクルが短い決済代行会社を選ぶのが得策です。

自社が必要とする決済手段に対応しているか

クレジットカードには複数のブランドが存在するため、どのブランドに対応しているかも重要な選定ポイントです。決済代行会社によっては、クレジットカード以外に電子マネーやコード決済など、複数の決済方法に対応している場合があります。自社が必要とする決済手段に対応しているか、確認しておくことが大切です。

付加サービスが充実しているか

決済代行会社の中には、決済以外にも様々な付加サービスを提供しているケースがあります。販売実績管理や顧客管理のほか、APIによる外部システムとの連携といったサービスを活用することで、店舗運営の効率化に役立つでしょう。

導入までの日数

申込から導入までの日数も、決済代行会社ごとに異なります。目安として1週間〜1ヵ月程度の期間がかかることが想定されますが、決済代行会社によっては短期間での導入にも対応可能です。自社の導入スケジュールに照らし合わせて、決済代行会社を選ぶといいでしょう。

クレジットカード決済の導入事例

クレジットカード決済の導入によって、利便性が向上した事例を紹介します。業種ごとに3つの事例を挙げていますので、事業者様の業態に近い事例を是非参考にしてください。

セレクトマーケットを運営するA社:クレジットカード決済導入により、会計待ちの時間を短縮

A社では、かつて独自に会計システムを導入していましたが、操作しづらく決済に時間がかかっていました。会計時にお客さまをお待たせする原因となっていたため、クレジットカード決済を導入することにしたのです。結果として決済の操作が簡単になり、会計にかかる時間も短縮されました。お客さま・店舗の双方にとってメリットを得られた事例と言えるでしょう。

美容室を展開するB社:決済代行会社の提供端末で、利便性を向上しつつ雰囲気も維持

B社では決済代行会社が提供する端末を導入したことにより、1台で様々な決済に対応できるようになりました。クレジットカード決済だけでなく、電子マネーやコード決済にも対応しているため、お客さまのニーズに合った支払方法を選んでいただけるようになったのです。
また、端末1台のみの設置で事足りるため、店舗の雰囲気を壊すことなくクレジットカード決済を導入することができました。利便性向上と店舗の雰囲気の維持を両立した事例と言えます。

懐石料理店を運営するC社:高額支払でも決済手数料を抑え、セキュアに決済

C社では、質の高い食材と磨き上げた技を施した本格的な懐石料理を提供しています。最高級コースでは顧客単価が5万〜7万円となるほか、接待などのご利用時には会計金額が数十万円に上るケースも少なくありません。決済代行会社を通してクレジットカード決済を導入したことにより、決済手数料を抑えつつセキュアな決済手段を導入できました。お客さまのニーズに応えつつ、コストを抑えた安全な決済方法の導入に成功した事例と言えるでしょう。

クレジットカード決済の導入には、オールインワンの決済ソリューションがおすすめ

クレジットカード決済の導入には、顧客の増加や取引単価の増加といったメリットがある一方、システム利用に関する費用も検討しておく必要があります。サービス提供各社の金額設定やサービス内容などを、比較・検討することが重要です。

SMBCグループが提供するキャッシュレス決済サービス「stera pack(ステラパック)」は、多種多様な決済手段に対応できるオールインワンの決済ソリューションです。クレジット決済やタッチ決済、ICカード決済を含む様々な決済手段を導入いただけます。手軽に導入できることに加え、決済・コスト・集客の全てにゆとりが生まれます。本端末を実際に触って体験することができるstera terminal体験カウンターで、その便利さを実感してみてはいかがでしょうか。

クレジットカード決済の導入をご検討されている方は、是非「stera pack」をご活用ください。

stera terninal体験カウンター

合わせて読みたい記事