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総務
公開日:2022.10.03
チャットボットとは?チャットボットの種類や活用される場面、導入方法、事例をご紹介

近年、業務効率化を図る目的でチャットボットを導入する企業が増えてきています。チャットボットとはどのようなシステムなのでしょうか?ここではチャットボットの概要、活用される場面、導入方法、事例について解説します。
チャットボットとは?
「チャットボット」という言葉のうち、「チャット(CHAT)」は会話を意味し、インターネット上で複数の利用者がリアルタイムにメッセージを送信するためのシステムを指します。一方「ボット(BOT)」は「ロボット(ROBOT)」から生まれた言葉であり、一定のタスクや処理を自動化するためのアプリケーションやプログラムのことを指します。「チャットボット」は「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉であり、自動的に会話を行うプログラムのことをいいます。「会話をするロボット」と考えるとわかりやすいでしょう。
チャットボットが注目される理由
チャットボットは1960年代にアメリカで開発された「ELIZA(イライザ)」が源流とされています。しかし、当時はユーザーからの質問に対して定型的な返答しかできず、応用が利かなかったためにビジネスの世界で広く活用されることはありませんでした。
近年になり、技術革新やAI(人工知能)の性能が格段に向上したことでチャットボットの性能も飛躍的にアップし、柔軟性のある回答ができるようになり、日本国内における人材不足の状況の中で注目されるようになったと考えられています。
チャットボットの種類
チャットボットにはいくつかの種類が存在します。ここではチャットボットの種類について詳しく説明していきます。
シナリオ型(ルールベース型)
シナリオ型のチャットボットとは、ユーザーの選んだ質問にあらかじめ作成されたシナリオに基づいて、決められた回答を自動的に返すチャットボットを指します。一定のルールに従って回答をすることから、ルールベース型とも呼ばれます。頻繁に発生する定型的な質問について回答を代行させたり、特定の質問内容に対して「よくある質問」の回答が記載されているページに誘導したりするなど、カスタマーサポート業務の一部を代行することが可能です。シナリオ型のチャットボットはその名の通り、ユーザーからの質問を予測して回答シナリオを作成しておく必要があります。
機械学習型(AI型)
機械学習型のチャットボットとは、あらかじめ入力されたデータやユーザーの入力内容をAI(人工知能)が学習し、統計的に最適な回答をするようにプログラミングされたチャットボットを指します。AIを活用することからAI型とも呼ばれます。AIを活用することでユーザーからのフィードバックを収集してデータを再学習することができ、徐々に回答精度を高めていける特徴を持っています。シナリオ型のチャットボットに比べ、ユーザー一人ひとりに合わせた高度な回答を行うことができるため、ユーザーの意図や感情の理解を要求される会話型のコミュニケーションに適しています。
ハイブリッド型チャットボット(複合型チャットボット)
ハイブリッド型のチャットボットとは、シナリオ型と機械学習型の両方の機能を持つチャットボットです。ユーザーからの質問に対し、まず、事前に設定された回答シナリオに基づいての回答を試みます。質問が回答シナリオに基づいていないと判断した場合、AIを活用して質問の意図や文脈を理解しながら柔軟な対応を行います。
チャットボットが活用される場面
チャットボットはどのような場面で活用されるのでしょうか?ここではチャットボットが活用される場面について詳しく説明していきます。
カスタマーサポートでの活用(対顧)
チャットボットは、ユーザーからの問い合わせ対応を担うカスタマーサポートの現場で活用されているケースが多いです。簡易的なよくある問い合わせに対し、チャットボットが対応することでサポートスタッフの業務負担を減らすことが期待できます。更に、スタッフ対応が難しい休日・夜間の対応も可能になることから、顧客満足度の向上に繋がると考えられています。
バックオフィス部門での活用(社内)
バックオフィス部門の問い合わせ対応にチャットボットを活用することも可能です。総務・人事・経理など従業員より問い合わせを多く受ける部門では、毎日同じような質問の対応に追われる可能性もあることから、社内用ヘルプデスクとしてチャットボットを導入することで担当者の業務負担軽減が期待できます。
社内用の教育コンテンツとして
社内用の教育コンテンツとしてチャットボットを活用することも可能です。例えば、中途採用された社員や新入社員は業務に関する不明点や疑問点が多く発生することが想定されます。チャットボットを導入することで、先輩・同僚に聞きづらいことでも気兼ねなく質問できるようになるでしょう。また、質問を回答する社員側にとっても業務負担の軽減が期待できます。
マーケティングリサーチ
チャットボットでは、ユーザーが入力した情報をデータとして保存・蓄積することが可能です。例えば、ユーザーからの問い合わせには、ユーザー目線でのニーズや商品・サービスに関する不明点などが含まれています。チャットボットを活用した場合、それらの意見をデータとして蓄積・分析することで、隠れたニーズの発見や商品・サービスの改善につなげる等、マーケティングリサーチに活かすことも可能です。
チャットボットの導入方法
企業がチャットボットを導入するためには、どうすればよいのでしょうか?ここではチャットボットの導入方法について解説していきます。

導入目的の設定
まずは、チャットボットの導入目的を設定しましょう。導入目的の設定は、解決すべき課題や費用対効果を算出するために非常に重要となります。
機能の選定
導入目的を設定した後はチャットボットに求める機能を選定しましょう。シナリオ型であれば「質問を選択形式にして回答する」機能、機械学習型であればAI応答機能、ハイブリッド型であればその両方の機能をつけるなど、自社の活用用途に合わせて機能を選定しましょう。
導入目的・予算に合ったチャットボットの調査
導入目的の設定、機能を選定した後はチャットボットの調査を行いましょう。チャットボットが提供している機能は多種多様に渡るため、検討しているチャットボットの「得意分野」を確認することが重要です。また、チャットボットを提供するベンダーによって利用価格が異なるため、予算に合ったチャットボットを比較検討するようにしましょう。
導入に向けたベンダーとの面談
チャットボットの調査結果を踏まえ、検討しているチャットボットのベンダーと面談しましょう。ベンダーと面談する際には導入準備にかかる期間や必要なデータ量・形式などを確認するようにしましょう。対顧向けにインターネット上で提供する場合は、各製品のセキュリティ対策も重要です。また、ベンダーが無料トライアルを用意している場合は、利用を検討してみても良いでしょう。実際に利用をしてみることで「利用がしやすいか」、「導入目的・求める機能とマッチしているか」などを確認することができます。
回答シナリオの作成(シナリオ型、ハイブリッド型の場合)
シナリオ型及びハイブリッド型のチャットボットを導入する場合は、導入前に回答シナリオを作成する必要があります。シナリオを作成する際には、会話の選択肢やステップ数を極力抑え、自然な会話になるようにしましょう。シナリオを正しく作成することで、ユーザーがストレスなく欲しい情報を得られるようになり、顧客満足度アップなどに繋がります。
運用体制の整備
導入準備が完了したら、運用体制の整備を行いましょう。例えば、チャットボットのシステムに不具合が生じ、回答できないなどのトラブルが発生した際には別手段を用意するなどの速やかな対処が求められることから、チャットボットの社内担当部署や責任者をあらかじめ決めておきましょう。また、運用ルールを策定することや組織全体へ周知徹底を行うことも重要です。
効果の検証・改善
チャットボットは導入して終わりではありません。チャットボットの導入効果を出すには、利用率の分析・検証や、蓄積されたデータを分析・検証してチャットボットの回答精度向上施策を継続的に実行していくことが重要となります。これらの効果検証ルール・フローは、チャットボット導入開始前に定めることが理想です。
チャットボットを導入するメリット
チャットボットを導入することはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではチャットボットを導入するメリットについて解説していきます。

対応業務の効率化、負担軽減
例えば、Webサイトにチャットボットを設置しておくとユーザーからの質問や問い合わせに対して自動対応が可能となるため、これまでカスタマーサポートで対応していた業務の負担軽減が図られ、業務効率化に繋がるといえます。
また、バックオフィスに対する問い合わせとしてチャットボットを利用する場合においても、問い合わせ対応に使う時間を削減できる為、業務効率化に繋がると考えられます。
対応可能時間拡大による顧客満足度の向上
企業がユーザーからの問い合わせ対応を行う際はカスタマーサポートでの対応が多いと思われます。しかし、コールセンターの対応は基本的に有人でありオペレーターの就業時間によって対応時間が左右される場合が多く、その結果、カスタマーサポートの対応時間外でユーザーが問い合わせを諦めてしまい、顧客満足度が低下することが考えられます。チャットボットを導入することで対応時間の制限を設けることなく、お客様はいつでも問い合わせをすることができるようになる為、顧客満足度の向上に繋がるでしょう。
ユーザー接点の増加
チャットボットの種類によってはWebサイトに組み込むだけでなく、各種SNSとの連携も可能です。有人チャットや問合せフォームでは質問しにくかった、ユーザーのちょっとした疑問についても、チャットボットであれば質問のハードルが下がり、気軽に質問できるようになるでしょう。結果、企業としてはユーザー接点の増加に期待できます。
チャットボットの導入事例
実際にどのような業界がチャットボットを導入しているのでしょうか。ここでは3つの業界を例に挙げ具体的な導入事例を見ていきましょう。
製造業界A社の事例
食料品の製造及び販売を主軸としたA社では、社内のITヘルプデスクの対応が属人的な対応となっていることや対応品質、応対スピードが課題となっていました。そこで、既存のFAQを活用してツールを構築し、バックオフィス用にチャットボットを導入したことで従業員からの社内問い合わせ対応を自動化することに成功、業務効率化に繋がっています。
保険業界B社の事例
自動車保険や火災保険を取り扱うB社では、自動車保険の相談や見積もり依頼にコールセンターのオペレーターが対応していました。その為、営業時間外になると対応が難しくなり、ユーザーにとって不満を抱きやすい状況となっていましたが、24時間対応できるチャットボットを導入し、営業時間外や土日祝日でもチャットボットで問い合わせ対応が可能になり顧客満足度の向上に繋がっています。
IT業界C社の事例
業務系システムやソフトウェアの開発を行っているC社では年間200〜300名ほどの人員を採用しており、スタッフからの問い合わせが増加したことで対応漏れや回答ミスなどのトラブルを抱えていました。そこで、対応漏れや回答ミスを減らす目的で、問い合わせ内容別にチャットボットを導入し、有人での回答・対応量を減らしたことでトラブル解消に役立てています。
チャットボットを導入する際は導入目的、業務の線引きを明確にしよう
チャットボットを導入することで業務効率化や顧客満足度の向上を図ることができます。
なお、チャットボットの導入目的を明確にすることに加え、人の対応業務とチャットボットの対応業務の線引きもしっかり決めておくことが重要です。
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