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公開日:2022.04.27

DX人材とは?必要スキルやDX人材を確保する方法について解説

DX人材とは?必要スキルやDX人材を確保する方法について解説

DX推進を実現させるために、最も大きな課題とされているのがDX人材の不足です。そもそもDX人材とは、どのような知識やスキルを持つ人材なのでしょうか。そして、DX人材を確保するには、どのような方法が考えられるのでしょう。
ここでは、企業がDX人材を確保するために知っておくべきポイントについて解説します。

DX人材とは、企業のDX推進のために必要とされる人材のこと

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術による変革のことを指します。2018年12月に経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」では、DXは下記のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

このガイドラインは、DXの実行のために必要な人材の育成・確保に向けた取り組みの必要性についてもふれています。DX人材とは、「デジタル技術やデータ活用に精通した人材」のことです。同時に「DXの取り組みをリードする人材」であり、「DXの実行を担っていく人材」でもあります。

DXを推進するには、こうした人材をDX推進部門に登用してDX化の道筋を示していく、あるいは各事業部門に加えて具体的な業務を進めていく必要があります。

DX推進を担うDX人材の職種

上記の説明を読んでも、実際にDX人材がどのような仕事をするのか今一つイメージがわかないかもしれません。そこで、社内のDX化を担うとされる、代表的な職種をご紹介します。

DX推進を担うDX人材の職種

ビジネスプロデューサー

DXにおけるビジネスプロデューサーは、企業の経営戦略を踏まえてDXの取り組みを統括し、リードする立場のことです。既存のビジネスプロセスをDXによって変革することもあれば、DXを組み入れた新しいビジネスの立ち上げを指揮することもあります。ビジネス戦略を構築する力やデジタル領域の広く深い知識・知見のほか、経営者的視点や統率力が求められます。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、ビジネスプロデューサーのもとで具体的なビジネスモデルやビジネスプロセスを構築する人材です。市場ニーズや顧客の課題をくみ取り、提供する商品・サービスの価値を設定して、ビジネスを具体化していく役どころといえます。

DXにおけるビジネスデザイナーは企業内のDXの進め方を企画立案して、ビジネスや事業のDX化を進めていきます。ビジネスプロデューサーが示すコンセプトや方向性にもとづいて、ビジネスデザイナーがDX化をプランニングしていくというイメージです。市場ニーズや顧客の課題をくみ取り、提供する商品・サービスの価値を設定して、ビジネスを具体化していく役どころといえます。
そのため、企画力はもちろん、社内外のステークホルダーの理解を得るための提案力、コミュニケーション力、ファシリテーション(調整)力が要求されます。

アーキテクト

DXやデジタルビジネスに関するシステムの設計に携わります。システム全体や基礎部分の設計、仕様策定、プロジェクト管理などを行います。時代に即した、新しい各種デジタルシステムの開発に従事するポジションです。あるいは、レガシーシステムと呼ばれる過去の技術で構築されているシステムを最新のものに刷新することを意味するモダナイゼーションに取り組むケースもあります。

データサイエンティスト / AIエンジニア

データサイエンティストは、統計学などにもとづく情報科学理論を活用してデータを分析し、合理的な判断につながる知見を得る人材です。
AIエンジニアは、AI技術を用いてデータ解析を行う、あるいはAIのソフトウェア開発に携わるエンジニアです。AI関連技術の中でも、機械学習を扱う場合は機械学習エンジニアとも呼ばれます。

DXにおいては、これらの人材は主に、データ分析・解析のスペシャリストとして活躍します。IoTデバイスや各種モニタリングシステム、スマートフォンなどからもたらされるビッグデータなどのデータを解析し、ビジネスに活用するためのレポートを作成します。また、そうしたデータ解析のための仕組みづくりに関わることもあります。

UXデザイナー

UXデザイナーは、製品・サービスのUX(ユーザーエクスペリエンス)を設計する人材です。UXとは、ユーザーが商品と接したときに得られる体験のことであり、UXデザイナーはユーザーにとって心地良く魅力的な体験を提供するための、総合的なデザインを担当します。

システムがいくら最先端かつ高機能であっても、それがユーザーにとって使いづらいものであるなら社内への浸透は円滑に進みません。DXにおいてUXは、非常に重要なものと位置づけられています。

エンジニア / プログラマー

エンジニアやプログラマーも、DX推進に不可欠な存在です。特に、デジタルシステムの実装やインフラ環境を構築する人材として需要が高く、人員数も多く必要とされます。
使用言語は、機械学習や計算処理のライブラリーやフレームワークが充実しているPythonのほか、統計領域に特化したR言語などが注目されています。

DX人材に必要な知見やスキル

DX人材に必要とされる知見やスキルについても整理しておきましょう。ここでは、4つの知見やスキルを取り上げてご説明します。

ITやデジタル技術に関する知見

DX人材にIT、デジタル技術の知識は、当然ながら必須です。単なる知識だけではなく、DXの目的や自社にとってのDX推進の意義についての、深い理解にもとづく知見が求められます。
AI、機械学習、ディープラーニング、IoT、クラウド、ビッグデータなど、先進・先端技術に関する知見も必要です。国内はもちろん、海外の状況や新しい技術についても常にアンテナを張っておくべきです。
なお、DXでは、過去の技術や仕組みで構築されているレガシーシステムからの脱却がテーマとなることも多いため、その場合は古い技術についての知識もしばしば求められます。

データサイエンス領域の知見

データサイエンティストやAIエンジニアはもちろんのこと、そのほかの職種の場合もデータサイエンス領域の知見があると仕事に役立ちます。統計学や基礎数学、さまざまな分析手法に通じていれば、データの有効活用に関して深い理解を得ることが可能です。データを効率良く収集し、正確かつスピーディーに分析してビジネスに活用するために役立つデータサイエンスは、企業の競争力を高める大きな武器になると考えられます。

プロジェクトマネジメントのスキル

ビジネスプロデューサーとビジネスデザイナーに欠かせないのが、プロジェクトマネジメントのスキルです。スケジューリング、人材管理、コミュニケーション、ファシリテーションなど、DX推進プロジェクトを確実に遂行していくための能力を有していることが望まれます。また、現場のエンジニアも、マネジメント能力があれば仕事の幅が広がるでしょう。

システムやサービス設計についての知見

アーキテクト、UXデザイナー、エンジニア、プログラマーには、システムやサービス設計についての知見が要求されます。DXの推進だけではなく、その先にある浸透や定着を目指すには、使い手に寄り添った設計・デザイン思想が欠かせません。

DX人材を確保する方法

DX人材は現在、圧倒的に不足しているといわれています。DX人材を確保するには、社外の人材を採用する方法と、社内の人材を育成する方法の大きく分けて2つがあります。

社外から新たな人材を採用する

ある程度の経験を持ち、知識・スキルを得ている社外のDX人材を採用する方法には、キャリア採用のほか、ハイキャリアな人材は企業側から候補者へアプローチするダイレクトリクルーティングを活用するケースが増えています。コロナ禍の影響もあってスカウト型のサービスの利用率が上がっており、転職検討者向けのオンラインイベントなども開催されています。また、自社の社員などから友人・知人を紹介してもらうリファラル採用も注目されています。

しかし、DX人材は引く手あまたで、採用するのはそう簡単ではありません。そこで、業務請負会社やフリーランスエンジニアなど、外部の人材を活用するのも有効な方法のひとつです。特に、UXデザイナーやエンジニア、プログラマーに関しては、外部委託するケースが増えています。

社内の人材をDX人材として育成する

現在、多くの企業が取り組んでいるのが、社内の人材をDX人材へと育成する方法です。特に、プロジェクトマネージャーやビジネスデザイナーに関しては、自社の経営や事業などに関する深い理解が必要なため、社内のマネージャーなどを登用するケースが少なくありません。新卒社員をDX人材に育成しようという試みも行われています。
DX人材育成のための知識・スキル・マインドセットを学ぶための研修や講座もあります。DX人材としての素養を持つ人材をいかにして社内から見いだすかということは、企業が抱える重要な課題のひとつです。

DX人材育成にご関心のある方は、こちらも合わせてご参照ください。

DX人材確保のための情報収集を

DX人材が不足している中、企業がDX人材を確保するには、DXに関する情報を得るためのアンテナを張っておく必要があります。社外の人材を採用・活用するにも、社内の人材を育成するにも、常にDXとDX人材に関する最新情報を得て、そのノウハウや状況について把握することが重要だからです。

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