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公開日:2022.05.30

IoTが持つ可能性とは?仕組みと実現できること、活用事例を紹介

IoTが持つ可能性とは?仕組みと実現できること、活用事例を紹介

昨今では、パソコンやスマートフォンといった情報通信機器以外のさまざまな「モノ」を、インターネットに接続したサービスが展開されています。こうした技術を「IoT」と呼びます。
ここでは、IoTの仕組みや実現できることのほか、さまざまな業種におけるIoTの活用事例について解説をしていきます。

モノをインターネットにつなげるIoT

モノをインターネットにつなげるIoT

IoT(アイオーティー)とは、「Internet of Things」の頭文字を取った言葉で、直訳すると「モノのインターネット」となります。

IoTは、あらゆるモノをインターネットに接続する技術です。IoT技術を使えば、パソコンやスマートフォンだけでなく、家電や工場設備、住宅設備など、さまざまなモノをインターネットに接続して、遠隔操作をしたり、監視したりすることができます。

IoTの仕組み

IoTの登場によって、従来インターネットにつながる機能を持っていなかった家電や設備類等にも通信機能が搭載され、インターネット経由でデータの送信が可能となりました。また、インターネット経由でモノに指示を出して遠隔操作するのも、IoT技術のひとつです。

IoTを活用すれば、家電などのそばにいなくてもデータを計測したり、制御したりすることが可能です。さらに、集めたデータをビッグデータとして活用すれば、AIの進化にもつながるでしょう。

IoTで使われている通信技術

IoTを利用するためには、ネットワーク通信を行う必要があります。ネットワークケーブルに接続していない家電等は、無線方式でネットワークにつなげます。
無線方式の通信方式には、BluetoothやWi-Fiといった種類があることはご存じでしょう。ここでは、IoTにも利用されている次世代の通信方式を2つご紹介します。

5G

スマートフォンの通信方式として目にすることも多い「5G」は、「高速で大容量の通信ができる」「同時に多数の機器が接続可能」「低遅延で、タイムラグのない通信が可能」という3つの特徴を持っています。
それらの特徴を活かして、タイムラグの少なさを活用した精密遠隔操作や、多数のセンサー類を接続した大容量データのやりとりが可能となりました。5Gは、IoT技術を使った工場のような大規模施設等での利用が期待されています。

LPWA

LPWA(Low Power Wide Area)は、通信速度は早くないものの、消費電力が小さく、長距離の通信ができるという特徴を持っています。一度の充電や電池交換で、長時間安定的に通信を行えるので、IoTに適した仕様といえます。
また、コストが小さい点もメリットです。長期間連続して稼働させる監視システム等への活用に適した通信方式といえるでしょう。

IoTで実現できること

IoTで実現できること

IoTには、さまざまな活用方法があります。IoTによってどのようなことが可能となるのか、実現できることをひとつずつ見ていきましょう。

遠隔からの制御

IoTが登場するまでは、「モノを操作するためには、その場にいる必要がある」というのが当たり前の考え方でした。たとえば、エアコンのスイッチを入れるには、リモコンで電源ボタンを押す必要がありました。また、ペットに食事を与える際にも、餌をお皿に入れるという行動が必要です。

しかし、IoTを活用すれば、その場にいなくてもモノを操作できるようになります。スマートフォンを使って外出先でエアコンのスイッチを入れることは可能となっています。また、スマートフォンの操作によって外出先でペットの様子を見守ったり、食事のときにフードサーバーから餌を出したりすることも可能です。スイッチのオンオフや家電への指示出しなどを離れた場所から行えるようになるため、利便性の向上に役立ちます。

遠隔地の状況確認

IoT技術を使うと、遠隔での操作だけでなく、遠隔地の状況を確認することも可能になります。たとえば、外の天気が雨か晴れかは、外に出るか、窓を開けなければわかりません。しかし、外に雨粒や太陽光を感知するセンサーが設置されていれば、家の中にいても天気を知ることができます。

モノに知りたい情報を検知できるセンサーを搭載し、インターネットを介して情報を確認すれば、離れた場所の知りたい情報も手に入れることができるようになるのです。

モノの自動化

遠隔制御や状況の確認は、最終的に「制御」「確認」を人の手で行う必要があります。一方、自動化は、モノ同士が通信し合い、連動することで最適な状態を作り出します。

普段の生活において、人は状況に応じたさまざまな行動をとります。「雨が降ったら洗濯物を取り込む」というのは、誰もが当たり前に行っていることでしょう。しかし、「雨を検知するモノ」と「洗濯物を取り込むモノ」を用意して双方を連動させることができれば、人が指示を出さなくても、「雨が降ったら自動的に洗濯物を取り込む」システムを作ることができます。このようなモノ同士の連携を、モノの自動化といいます。

IoTでデータを収集し、事業に活用

IoTは、さまざまなデータを取得して、モノの制御や操作を行います。こうしたデータを収集・分析すれば、より良い製品・サービスの開発や、業務効率の向上に役立てることができます。

IoTは、業務効率化や利便性の向上に活用するだけにはとどまりません。IoTによって得られたデータを活用すれば、新事業の創出などにも役立つことでしょう。

IoTの活用事例

ここからは、「家電」「医療」「交通」「物流」「農業」の5分野における、IoTの実際の活用事例をご紹介します。自社でIoTをどのように活用していくべきか、検討をする際の参考にしてください。

家電分野の活用事例

「IoT家電」という言葉もあるように、エアコンや冷蔵庫、電気ポット、セキュリティシステムなど、現在はさまざまな家電にIoT技術が取り入れられています。

たとえば、エアコンのスイッチのオンオフや設定温度の変更を外出先から操作できる機能を使えば、帰宅時間に合わせて室温を快適に調整することが可能です。また、IoT対応冷蔵庫の中には、開閉数や使用した電気代などがスマートフォンで確認でき、節電に役立つモノもあります。

医療分野の活用事例

医療分野においては、寝ている人の睡眠状態や呼吸数、心拍数などのデータを遠隔で常時監視できるシステムが開発されています。

利用者の呼吸や心拍数に異常があった場合は、登録先にアラートが送られるため、体調の急変にもスピーディーに気づくことが可能です。また、収集データを電子カルテとリンクさせれば、アラートが送られたのは誰の情報なのかすぐにわかり、対応の正確性や効率性が向上します。

交通分野の活用事例

交通分野におけるIoT技術の代表例としては、自動運転システムが挙げられます。センサーによって周辺の状態を検知する技術とIoT技術が組み合わさったことで、システムの精度が高まり、自動運転はさまざまな車に導入されるようになりました。

また、バス業界の中では、後続のバスの位置情報や、バス停への到着予定時間を表示するシステムを採用している企業もあります。こうした技術もIoTを活用したものです。同様に、高速道路の混雑状況の把握や、電車の運行状況の把握などにもIoTが使われています。

物流分野の活用事例

IoTが普及する以前は、倉庫でのピッキング作業は人の手で行うことが当たり前でした。しかし、現在では、注文に応じた自動ピッキングや、食品輸送時の適切な温度管理にIoT技術が活用され、業務効率化に役立っています。

農業分野の活用事例

農業分野でも、天候などに合わせた水や肥料の自動供給を、IoT技術で行っているケースがあります。
また、ビニールハウス内の温度や湿度の管理のほか、収穫時期や収穫量の予測などにもIoTが活用されています。

IoTを活用して業務効率化を

IoTの導入により、利便性の向上のみならず業務効率化やデータの利活用など、さまざまな効果を得られる可能性があるため、目的や業務実態に合わせた導入を検討することが大切です。

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