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公開日:2022.08.31

サブスクリプション(サブスク)とは?サブスクビジネスのメリットやビジネスモデルの事例などについて紹介

サブスクリプション(サブスク)とは?サブスクビジネスのメリットやビジネスモデルの事例などについて紹介

近年、注目のビジネスモデルとして企業が取り入れている「サブスクリプション」。
しかし、言葉自体は聞いたことがあっても、実際にどんな意味なのか、その他のビジネスモデルとの違いや具体的なビジネスモデルの理解が深い方は少ないのではないでしょうか?
本記事では、サブスクリプションの概要、他のビジネスモデルとの違い、サブスクリプションビジネスのメリットやデメリット、ビジネスモデルの事例について解説します。

サブスクリプションとは?

サブスクリプションとは「料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができる」形式のビジネスモデルのことをいい、英語では予約購読や定期購読という意味を持っています。略してサブスクと呼ばれることも多いです。

サブスクリプションの歴史

サブスクリプション(以下、サブスク)の発祥は諸説ありますが、その一つとして17世紀初頭に、ウィーンで週に一度、定期新聞が配達されていたというものがあります。日本における古くからの新聞定期購読サービスも、サブスクの元祖といえるでしょう。1990年代末には、顧客管理や営業支援を行う業務アプリケーションがWebサービスとして提供が開始されました。これがサブスクを採用した初のデジタルサービスです。
そして、2010年代には、スマートフォンの普及により音楽配信や動画配信がスタートし、世界中で活発にサブスクが利用されるようになりました。
日本でのサブスクの流行を決定づけたのは2019年に「サブスク」が流行語大賞にノミネートされたことと考えられています。
こうした背景やユーザーのニーズの多様化により、サブスクの市場規模は現在も拡大傾向にあります。

他のビジネスモデルとサブスクの違い

従来のビジネスモデルにもサブスクに類似したビジネスモデルがいくつかあります。以下でその違いを見てみましょう。

買い切りモデルとサブスクの違い

買い切りモデルとサブスクとの大きな違いは主に2つあります。
1つ目は価格の決定要因です。買い切りモデルは主に原価と利益が価格の決定要因ですが、サブスクではユーザーのニーズと使用量が価格の決定要因となります。買い切りモデルの場合、サービス・商品の販売後に所有権はユーザーに移転しますが、サブスクの場合、契約後に所有権は移転せず、ユーザーに途中解約されるリスクがあります。そのため、常にユーザーのニーズを的確に捉え期待に応え続けることができれば、継続的に利用され使用量を増やすことができます。ユーザーのニーズからどれだけの使用量が見込めるかを計算し、中長期的に利益を確保できる価格を決定します。
2つ目は製品の機能です。買い切りモデルは購入後、機能は変わりませんがサブスクではユーザーのニーズ、需要に合わせて随時アップグレードされていく点に違いがあります。

レンタルサービスとサブスクの違い

レンタルサービスとは「ある特定の商品(モノ)を一定期間借りる」サービスです。レンタル期間が過ぎると商品(モノ)自体を返却しなければなりません。代表例としてはレンタルショップからDVDやCDなどを借りることが挙げられます。
サブスクでは料金を支払うことでサービスを利用する権利が得られ、料金を支払い続ける限りサービスを利用することができます。

リカーリングとサブスクの違い

「リカーリング」とは英語で「繰り返す」や「循環する」といった意味を持っています。ビジネスにおけるリカーリングとは継続的に価値を提供し長期的な収益を目指すビジネスであり、代表例としては電気料金やガス料金が挙げられます。これらは「一定期間内の使用量によって料金が変動する」という特徴を持っています。
サブスクとは「継続的に料金を支払う」という点で似ていますが、「一定期間内の使用量によって料金が変動する」という点で異なっています。

シェアリングエコノミーとサブスクの違い

シェアリングエコノミーとはある個人が使っていないモノ、場所、特別な技能などを、それらを求める個人に対して貸し出すサービス概念のことであり、主に民泊や家事代行サービスが当てはまります。一見サブスクと似ていますが、サブスクが定額による継続的な利用を前提としているのに対してシェアリングエコノミーはあくまでもその時限りの取引である点が異なります。

定額制、月額制とサブスクの違い

定額制、月額制は定期的に決まった料金を支払い、サービスの利用や商品を受け取ることができるビジネスモデルです。サブスクとは「継続的にサービスを提供する」という点が似ておりますが、一般的な定額制、月額制は決まった料金を設定しユーザーに同一のサービスや商品を提供することがゴールとなります。
一方でサブスクは、ユーザーの解約を防止するため、「顧客満足度の向上」「顧客ニーズの理解」を重視しており、商品・サービスの内容や価格をユーザーに合わせて柔軟に変更することが求められていることから、商品・サービスの内容がアップグレードされやすい、という点に違いがあります。

サブスクに向いているサービス(商品)

サブスクに向いているサービス(商品)は「継続的な利用が考えられるもの」、「利用頻度が高いもの」であることが必要です。以下のサービス(商品)がサブスクに向いているものと考えられます。

動画、音楽、電子書籍などのデジタルコンテンツ

コンテンツを一つ一つ販売するのではなく、「月額〇〇円」など一定の料金を毎月支払うことで、スマートフォンのアプリなどでコンテンツ聴き放題、見放題となるサービスです。一つ一つを購入するよりもお得感を享受しやすい特徴を持っています。

ソフトウェア

毎月、一定の料金を支払うことで、一定期間ソフトウェアを使用する権利が与えられるサービスです。ソフトウェアを購入せず導入することができるだけでなく、ソフトウェアを購入すると自ら行わなければならない新しいバージョンのアップデートやサポートも利用可能になります。ユーザー側にとってはソフトウェアの購入に比べ導入の初期コストやソフトウェアのアップデートコストを抑制できる点が特徴であるといえます。

食品、飲料、サプリメント

毎月、一定の料金を支払うことで自宅に食品や飲料、サプリメントが届くサービスです。それぞれ多種多様な商品が提供されておりユーザー側にとっては様々な志向に対応できるようになってきています。

サブスクビジネスのメリット

サブスクを導入することは企業側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、サブスクのメリットについて詳しく説明していきます。

サブスクビジネスのメリット

市場規模が拡大傾向にあり新規ユーザーの拡大を図りやすい

ユーザーのニーズの多様化や昨今の新型コロナウィルス蔓延によるユーザーのライフスタイルの変化から、今後もサブスクの市場は拡大傾向にあると考えられます。提供できるサービスが多種多様なサブスクビジネスでは、参入の余地は十分にあり、新規ユーザーの拡大を図ることができるかもしれません。

業界や業種、有形・無形に囚われず新規参入がしやすい

一般的なサブスクビジネスはデジタルコンテンツを配信するイメージが強いかもしれません。しかし、サブスクはユーザーの「継続的な利用」があれば、自社が保有する既存商品やサービスでも様々な形で組み込むことが可能であり、様々な分野で新規参入が容易であると考えられます。

将来の利益を試算しやすい

従来の買い切りモデルでは、新商品を開発するたびに過去の実績や、見込み客数などで売上を予測する必要があることや毎月売上が変動するため、利益の試算は難しいものです。一方で、サブスクは継続型の課金ビジネスであり、契約を解約されない限り売上が継続されることから、「ユーザー数×(1−解約率)×定額料金」という計算式で売上の計算が行いやすく将来の利益を試算しやすいと考えられます。

ユーザーの属性情報や利用情報を把握し、サービスの改善が可能

サブスクではユーザーが利用申込を行う際、一般的にスマートフォンやパソコンで「性別」「年齢」などの属性情報項目を入力します。そして各ユーザーが利用を重ねていくうちに「利用情報」が蓄積されていきます。それらのデータを事業者側が活用することでユーザーの特徴や嗜好を把握し、サービスの改善を図ることが可能になるのです。

サブスクビジネスのデメリット

サブスクビジネスは企業にとってデメリットがないわけではありません。サブスクビジネスを導入する際は下記のデメリットを把握したうえで検討することが大切です。

サブスクビジネスのデメリット

収益化までに時間がかかる

サブスクビジネスについては、ビジネスを開始する時点でユーザーに提供する商品やサービス、コンテンツなどを準備しなければなりません。ビジネスを開始してから少しずつ対応しようとすると、ユーザーにとってはその魅力が見出せず顧客の獲得が困難となりかねません。そのため、ビジネスを開始する時点である程度準備を行う必要があることから、相応のコストがかかります。
それに加えて、開始直後はユーザー数が少ないことが考えられ初期段階では赤字となる可能性もあり、収益を確保できるまで時間がかかる可能性が高いことを理解しておく必要があるでしょう。

「ユーザーのニーズや需要」に合わせた継続的な改善が必要

ユーザーを飽きさせないために、適宜ユーザーの利用状況などのフィードバックを分析し、素早く利用中のサービスに反映していく取組が必要です。継続的に新鮮な体験を提供するアップデートを行うことができれば、ユーザーの継続利用を促すことができ、さらには口コミ等で新規ユーザーの獲得につながる可能性があります。

解約リスクが内在し、解約防止施策にコストが必要

サブスクビジネスはユーザーに継続して利用をしてもらうことで収益を確保するビジネスモデルですが、ユーザー側から見れば容易に解約が可能なサービスでもあります。ユーザーが解約に至る理由は「飽き」や「費用面」など様々ですが、解約を防ぐためにサービス内容の改善を常に行っていかなければならず、開発費や人件費などのコスト負担が必要です。

ブランドイメージが低下する可能性がある

一般的にサブスクビジネスにおいて企業がユーザーにアピールするのは「お手頃感」や「コストパフォーマンスの良さ」です。しかし、これらを強調しすぎることはブランドイメージの低下を招く恐れがあります。従来のビジネスモデルからサブスクビジネスに変更する際にはブランドイメージへの影響を考えつつ、慎重に検討しましょう。

サブスクビジネスの導入事例

実際に、どのような業界がサブスクビジネスを導入しているのでしょうか。ここでは3つの業界を例に挙げ、具体的な導入事例を見ていきましょう。

IT業界の事例

大手ソフトウェア開発・製造業者では定額制音楽ストリーミングサービスを提供。一つ一つ購入するよりも安い値段で音楽を視聴できることやスマートフォンやタブレット、パソコンなど様々な媒体で楽しむことができる点でユーザーから好評を得ています。また、最初の1か月間は無料で体験できるトライアル期間を設けておりユーザーに優しい商品設計となっていることも特徴です。

情報・通信業界の事例

クラウド型の営業DXサービスを展開している業者では、企業名や従業員数、財務情報などの企業に関する情報や取引先から得られた情報を蓄積できるデータベースソフトウェアを提供しています。料金については利用する従業員数や用途に合わせて月額料金の設定を行いますが、契約期間中はソフトウェアを制限なく利用できる点が特徴です。

飲食業界の事例

あるラーメン店ではラーメンやトッピングが毎日無料になるサブスクサービスを提供しています。ラーメンについてはユーザーが複数の種類から選べるようになっていることや複数回利用すれば元が取れるようになっているサービス設計がユーザーに好評を博しています。

サブスクビジネスの導入を検討されている方は、「PlariTown」へ

サブスクビジネスの導入は新規ユーザーの拡大を図ることができるなど、様々なメリットがあります。しかしながら、導入のためには例えばECサイトの構築など、社内の環境整備が必要です。
SMBCグループが提供する「PlariTown」はサブスクビジネスの導入を支援するサービスなどDX推進に資する多様なデジタルサービスや、ユーザーに合った業界ニュースやレポートをワンストップで利用できるプラットフォームです。「PlariTown」の担当者がお客様のニーズに合わせたデジタルソリューションをご提示し、DX推進をサポートします。
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