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公開日:2022.06.29

サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?導入メリット等を紹介

サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?導入メリット等を紹介

大企業を中心に導入が進むサプライチェーンマネジメント(SCM)。グローバル化に伴う市場変化、ビジネスモデルの変化などにより、再注目されている概念です。
ここでは、サプライチェーンマネジメントの仕組みやメリットのほか、導入方法について解説します。

サプライチェーンとは、原材料の調達から消費者に商品が届くまでの流れのこと

サプライチェーンマネジメントについて解説する前に、サプライチェーンについて確認しておきましょう。サプライチェーンは、原材料の調達から消費者に商品が届くまでの「物」「金」「情報」の一連の流れのことです。
具体的には、下記のようなプロセスの連鎖と、それに伴う物、金、情報の流れを表します。

<サプライチェーンを形成するプロセスの一例>

  • ・調達
  • ・製造
  • ・在庫管理(保管)
  • ・流通
  • ・販売
  • ・消費

サプライチェーン全体で流れを共有し、連携して全体の最適化を図るサプライチェーンマネジメント

サプライチェーンマネジメントは、サプライチェーン全体で物と金、情報の流れを共有し、連携して全体の最適化を図る手法のことです。
サプライチェーンマネジメントを行うことで、需要予測などの情報をサプライチェーン全体で共有できるようになり、経営に大きな影響を及ぼす過剰在庫の発生を防ぐことができます。
消費者が今必要としている物を、必要な分だけ供給する生産プロセスを実現するために必要なのが、サプライチェーンマネジメントであるといえるでしょう。

今、企業にサプライチェーンマネジメントが求められている背景

今、企業にサプライチェーンマネジメントが求められている背景

近年、サプライチェーンマネジメントが注目を集めている背景としては、どのようなことがあるのでしょうか。続いては、企業にサプライチェーンマネジメントが求められている3つの背景について、くわしく説明します。

企業のグローバル化

近年、企業のグローバル化が進み、調達や製造、販売の拠点が世界各国に広がりました。そのため、各企業は世界を相手にビジネスをしなければなりません。そのためには、個別最適ではなく全体最適を行い、サプライチェーン全体を連携管理することで、トラブルに強い体制を構築する必要があります。

消費者ニーズの多様化

インターネットの普及などによって、消費者がみずから情報を得て個別のニーズに合った商品を選ぶようになり、多様化する消費者ニーズに応えるための無駄のない供給が求められるようになりました。
多様化するニーズに応えるために、需要と供給のバランスによって必要な物を必要な量だけ生産できるサプライチェーンマネジメントが重視されるようになったと考えられます。

ビジネスモデルの変化

ECの普及により、販売と配送が一体化したビジネスモデルが増加しました。これにより、全体を統合して管理するサプライチェーンマネジメントのニーズは一層増しています。

サプライチェーンマネジメントを導入するメリット

サプライチェーンマネジメントを導入することで得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。メリットは大きく3つあります。

サプライチェーンマネジメントを導入するメリット

リードタイムの削減

サプライチェーンマネジメントを導入すると、POSの情報や営業担当者の受注状況などから予測した需要の状況を、調達・製造・在庫管理・流通・販売の各プロセスの計画に活かすことができます。これにより、全体を最適化してサプライチェーンにおける無駄がなくなることで、生産や製造に必要な期間であるリードタイムが削減されます。

在庫の最適化ができる

需要に見合わない生産や、販売時期の見極め不足などによって大量の在庫を抱えた場合、売れ残った際の損失が大きくなり、経営を圧迫する可能性があります。一方、少なすぎる在庫数では、需要が増加したときに十分な供給ができず、機会損失を招くことになります。
こうした場合に、サプライチェーンマネジメントを導入すると、リアルタイムの需要予測と情報共有によって適切な在庫管理が可能になります。市場の状況と消費者の需要に合った在庫を持つことで、機会損失を減らして売上を増大させることができるでしょう。

人的リソースを合理的に活用できる

サプライチェーンマネジメントの導入後は、物・金・情報の流れが可視化されます。そのため、需要の拡大や市場の変化を早めに察知して、必要なリソースの投入時期を把握できるようになるでしょう。
需要が少ない時期に大量のスタッフが勤務していたり、繁忙期に人手不足だったりといったアンバランスな状態を避けられ、人的リソースの合理的な活用が可能になります。

サプライチェーンマネジメントの導入ステップ

サプライチェーンマネジメントの導入を成功させるには、十分な準備と振り返りが必要です。下記に挙げる4つのステップに沿って、導入準備と効果測定を行いましょう。

サプライチェーンマネジメントの導入ステップ

1. 導入の目的や、導入によって解決すべき課題を明確にする

まずは、導入の目的や企業が解決すべき課題を洗い出し、社内の関係者で共有しましょう。続いて、その課題を解決する上で、サプライチェーンマネジメントが有効かどうかを検討します。
サプライチェーンマネジメントで解決できる課題については、導入後の理想像(プロジェクトのゴール)を明確にした上で、具体的な進め方を決定してください。

2. サプライチェーンマネジメントの担当者を決める

次に、サプライチェーンマネジメントの導入プロジェクトメンバー、または導入を主導する部署を決定します。併せて、チームを率いる責任者も決めましょう。
人員の選定が終わったら、ステップ1で決定した導入の目的やプロジェクトのゴールをメンバーに共有し、メンバー個々の役割や動きについても明確に分担しておきます。

3. サービスの比較・検討

サプライチェーンマネジメントを行うにあたって、必要なサービスを比較・検討し、選定します。サプライチェーンマネジメントに資するサービスには、下記のような種類があります。

<サプライチェーンマネジメントに資するサービスの種類(一例)>

  • ・需要予測・販売計画・在庫基準計画・分析レポートなどの提供で需要予測度の向上とリードタイムの削減に貢献するサービス
  • ・基幹系システムと連携して業務データのやりとりを自動化するサービス
  • ・クラウド上でサプライチェーンの流れを一元管理し、分析やシミュレーションを行うサービス

現状の業務における課題に最もフィットし、業務の円滑な進行を助けるサービスを選ぶことが大切です。

4. 導入効果の測定

最後に、サプライチェーンマネジメントを導入したことによってどのような効果が得られたか、またどの程度課題が改善したかについて、導入前後を比較して分析します。
このとき、改善点が見つかれば次回の実行計画に盛り込んでPDCAを回し、少しずつ効果を高めていきましょう。

サプライチェーンマネジメントの成功には、課題に合ったツールやサービスが必須

サプライチェーンマネジメントは、事前に課題を洗い出し、その課題を解決できるツールやサービスを利用することによってより効果的に実施することができます。

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また、相性の良い他社とのビジネスマッチングによって、サプライチェーンマネジメントが良い方向に進むことも考えられます。SMBCグループが提供する「Biz-Create」は、無料で利用可能なビジネスマッチングサイトです。金融機関と取引のある企業だけが利用できるサービスですので、安心して商談が可能です。チャット機能を使った商談が可能で、簡単な操作で利用ができます。

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