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営業
公開日:2022.08.31
D2Cとは?従来の販売モデルとの違いやメリット、成功させるポイントなどを解説

近年、ビジネスモデルとして注目されている「D2C」。D2Cの導入により、企業は従来とは違う方法で顧客にアプローチを行うことができます。本記事では、D2Cの概要や仕組み、導入のメリットからポイントまで、解説していきます。
D2Cとは?
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、企業がECサイト(自社が商品を販売するためのインターネットサイト)上で、顧客に直接自社製品を販売する販売方式を指します。
従来のインターネット上の販売方法と異なる点は、「大手プラットフォーム等、販売会社を通さず、自社が運営するECサイト上で販売を行う」ということです。

また、似た言葉で、「B2C」という言葉もありますが、これは、企業が顧客に対して何かのサービスを提供する状態を指して使う言葉です。企業がどのように商品販売を行うか、という販売形態を指す「D2C」とは、この点で異なっています。
D2Cが広まった要因
では、なぜ近年、「D2C」と呼ばれる販売形態が普及しているのでしょうか。要因はいくつか考えられますが、ここでは代表的な要因を4つ取り上げます。
インターネットやスマホ/PCに抵抗のない世代が増加している
D2Cは、ECサイト上で販売を行うため、スマホやSNSを使いこなしている年代を主なターゲットとすることができます。
ECサイトを主な販売媒体として活用するD2C事業にとって、スマホやSNSを使いこなし、ECサイトに馴染みのある世代が増えることは、追い風になっています。
消費に対する個人の価値観が変化している
かつての一般的な価値観として、モノを購入し所有する価値を重視する考えがありました。しかし現在は、あるモノやサービスを購入したことによって得られる価値を重視する考えが一般的になりつつあります。
D2Cは、商品の世界観やそれにマッチするライフスタイルを提供しているという特徴があり、顧客は、商品やサービスを単に購入・所有すること以外の付加価値を得ることができます。
SNSの発達
D2Cマーケティングにおいては、顧客によって有益である情報を顧客の元へ届ける必要性があります。SNSが発達したことにより、販売者は、顧客へ直接アプローチをかけることができるようになりました。
少量生産に対応可能な商品生産体制
近年、サプライチェーンの変化により、商品を少量ずつ生産する取組が増加しています。
これにより、顧客のニーズを敏感にキャッチした柔軟な商品生産を行うことができるようになりました。
EC市場規模の発展
D2Cの市場規模を考える上で参考になるECサイトの市場規模は、経済産業省の調査結果によるとここ10年間で大きな伸びが見られ物販分野においても、継続して市場規模が拡大しています。
そして、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出規制の影響が縮小してきた2021年においてもなお、物販分野におけるBtoC-EC市場規模は13兆円超と引き続き増加しています。
このことから、我々の消費生活の中において、ECの利用が普及していることがうかがえ、ECサイトの需要増加、D2C市場も拡大を続けることが予想されます。
出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)
D2Cを導入するメリット
ここでは、D2Cを導入における3つのメリットについて説明します。
高い収益性が見込める
D2Cでは、製造から販売までを一貫して自社で行うことができるため、手数料やその他仲介料、流通コストを削減することができ、結果、収益性を高めることができます。
より多くの顧客情報を収集・活用可能
自社ECサイトを活用すれば、設定次第で、サイトを訪問した顧客の滞在時間や属性等を収集・蓄積することができるため、従来の販売方法よりもより効果的なマーケティングを行える可能性が高まります。
様々な観点から自由に施策を実施可能
大手プラットフォームで販売を実施する場合に比べ、自社ECサイト上で販売を行うと、自社の販売方針に沿った様々な販売方法を、より柔軟に実施することができます。
D2Cを導入するデメリット
D2Cには、多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。ここでは、D2Cを導入するにあたって、注意すべき2つのデメリットをご紹介します。
導入コストが大きい
D2Cの実施にあたっては、自社でECサイトを構築する必要性があり、初期コストがかかります。
売上に成果が出るまで時間がかかりやすい
自社の製品をどのようにして幅広い顧客に認知してもらうかが大きな課題となります。
D2Cを成功させるポイント
D2Cを成功させるためには、抑えるべきポイントがいくつかあります。ここでは、4つ説明します。

D2Cに適した商品を選択する
D2Cを成功させるためには、販売しようとしている商品が、D2Cに適しているかという点を意識する必要があります。
実際に、物販分野で販売されている商品の内訳をみてみると、EC化率に大きな差があることがわかります。一概には言えませんが、EC化率が高い商品はD2Cにも適している可能性が高いです。
物販系分野のBtoC-EC市場規模
分類 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
市場規模 (億円) ※下段:前年比 |
EC化率 | 市場規模 (億円) ※下段:前年比 |
EC化率 | 市場規模 (億円) ※下段:前年比 |
EC化率 | ||
① | 食品、飲料、酒類 | 18,233 (7.77%) |
2.89% | 22,086 (21.13%) |
3.31% | 25,199 (14.10%) |
3.77% |
② | 生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 | 18,239 (10.76%) |
32.75% | 23,489 (28.79%) |
37.45% | 24,584 (4.66%) |
38.13% |
③ | 書籍、映像・音楽ソフト | 13,015 (7.83%) |
34.18% | 16,238 (24.77%) |
42.97% | 17,518 (7.88%) |
46.20% |
④ | 化粧品、医薬品 | 6,611 (7.75%) |
6.00% | 7,787 (17.79%) |
6.72% | 8,552 (9.82%) |
7.52% |
⑤ | 生活雑貨、家具、インテリア | 17,428 (8.36%) |
23.32% | 21,322 (22.35%) |
26.03% | 22,752 (6.71%) |
28.25% |
⑥ | 衣類・服飾雑貨等 | 19,100 (7.74%) |
13.87% | 22,203 (16.25%) |
19.44% | 24,279 (9.35%) |
21.15% |
⑦ | 自動車、自動二輪車、パーツ等 | 2,396 (2.04%) |
2.88% | 2,784 (16.17%) |
3.23% | 3,016 (8.33%) |
3.86% |
⑧ | その他 | 5,492 (4.79%) |
1.54% | 6,423 (16.95%) |
1.85% | 6,964 (8.42%) |
1.96% |
合計 | 100,515 (8.09%) |
6.76% | 122,333 (21.71%) |
8.08% | 132,865 (8.61%) |
8.78% |
出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)
利用者が希望する支払い方法をより多く用意する
ECサイト上での支払い方法については、「クレジットカード決済」「オンライン決済」「コンビニ決済」「代金引換」等、様々な支払い方法のニーズがあると予想されます。より多くの顧客のニーズに応えることができるように、多様な支払い方法を準備しておくことが大切です。
スピーディーな商品配送を心がける
顧客は商品を欲しいと思うタイミングで商品を購入し、購入した商品が早く手許に届くことを希望します。商品の製造から顧客に商品が到着(場合によっては顧客からの返品)するまでの流通体系を整理し、スピーディーな対応を心がけることが大切です。
SNSを活用する
D2Cにおいては、様々なツールを通じて顧客へ直接アプローチを行うことが大切です。
また、SNS等を積極的に活用し、顧客との交流を図ることで、顧客のニーズを敏感に感じ取りましょう。
D2Cの成功事例
D2Cを導入し、成功した企業は多数あります。ここからは、D2Cの成功事例を見ていきましょう。
酒造メーカー
某酒造メーカーは、伝統と革新を活かした独自の世界観を持ち、D2C日本酒市場のキープレイヤーとなっています。海外にも製造所を持つ当該メーカーは、日本酒の伝統と、海外で得た着想を組み合わせた酒造を行っています。当初は飲食店へ商品の供給を行っていましたが、ECサイトでの販売も開始し、売り上げを大きく伸ばすことができました。今後も海外の他地域への進出を予定するなど、販売の拡大が見込まれます。
化粧品メーカー
某化粧品メーカーでは、顧客のニーズをとらえた新たなターゲティングを行い、洗練されたデザインの商品を扱っています。インターネットを活用した様々なマーケティング施策を行い、ECサイトにおいては、顧客の柔軟なニーズに合わせた販売方法を取り扱っています。こうした様々な施策や、巣ごもり需要の影響もあり、創業から数年で業界のリーディングカンパニーへと躍り出ました。
鞄メーカー
某鞄メーカーは、鞄を中心とした多様なレザー製品を製造し、自社ECサイトで販売している老舗企業です。
老若男女をターゲットとし、実店舗も持ち合わせていた当社は、実店舗とECサイトをうまく組み合わせたり、多様な商品シリーズを展開したり、様々な戦略を打ち出すことで、大きく売り上げを拡大させています。
食品メーカー
当社はECサイトをメインにお菓子のサブスクリプションサービスを提供する食品メーカーです。顧客の好みに合わせたお菓子が自宅等に届けられ、大きな反響を得ています。多数のラインナップと、宅飲み需要の影響も相まって、創業から数年で数多くの顧客へ商品を提供し、多数のメーカーとも提携を行っています。
インターネット社会に合ったD2Cを導入しよう
D2Cを用いて商品販売を行うと、大きなメリットがあると同時に、「ECサイトの構築」や、「マーケティング」、「物流の管理」など、対応すべきことがあります。
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