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公開日:2022.07.26

SFAとは?導入の目的や活用方法、メリット・デメリットなどを紹介

SFAとは?導入の目的や活用方法、メリット・デメリットなどを紹介

現在、人手不足や顧客の購買行動の変化、サービス・商材の変化等を受けて、多くの企業が従来の営業スタイルからの転換を図っています。SFAは、今の時代に合った効率的な営業スタイルを取り入れたい企業のニーズに合うツールです。
ここでは、近年よく聞くSFAについて、その導入によって得られる効果や活用方法のほか、メリット・デメリットを解説します。

SFAとは営業支援システムのこと

SFAはSales Force Automationの略語で、日本語では「営業支援システム」と表されます。
SFAを導入すると、企業の営業部門が保有するあらゆる情報のデータ化が可能となります。さらには、それらのデータを一元的に管理して、業務プロセスを可視化・自動化することも可能です。過去の営業活動に伴う情報が1ヵ所に蓄積されるので、見込み顧客へのアプローチの確度を上げることができます。
また、従来のように、営業一人ひとりが紙やExcelなどで管理する方法に比べて、セキュリティの面でも不安が軽減される点も特徴です。

時代的な背景によってSFAが求められている

近年、多くの企業がSFAを導入しているのは、顧客の購買行動にまつわる下記のような変化を要因として、営業スタイルの刷新を余儀なくされたためと考えられます。

・顧客の購買行動の多様化

従来の営業といえば、「足で稼ぐ」スタイルが基本でした。できるだけ多くのアポイントメントを取って営業先への訪問数を増やし、質の高い商談をすることで契約に結びつけるやり方が主流でした。
しかし、インターネットの普及で顧客の購買行動が多様化した現代において、そうした営業手法が非効率である場合も見られるようになりました。現在は必要な商品があれば、インターネットで検索をしてすぐに情報を得られる時代です。営業担当者がアポイントメントを取ろうとしているあいだに、顧客はインターネットを活用して競合と比較検討をしたり、発注まで済ませていたりすることも十分ありうるのです。

・顧客ニーズの多様化

今日における、顧客の購買行動やサービス・商材の変化等により、顧客ニーズは多様化しており、不特定多数に画一的なアプローチをするマス的手法では、顧客の心に響きにくい時代となっています。企業は顧客ニーズを踏まえ、パーソナライズされた商品やサービスをできるだけスピーディーに提案していく必要があると考えられます。
こうしたことから、従来の属人的な営業スタイルから脱却し、時代に合った営業スタイルへシフトすることは、あらゆる企業にとって喫緊の課題です。ブラックボックス化しがちな営業活動は、最適化を図らなければなりません。案件を効率的に管理してパーソナライズされた商品やサービスを提案していくことは、時代に合った営業スタイルへの第一歩であるといえます。

SFAの機能

SFAを導入すると、具体的にどのようなことができるのでしょうか。SFAの主な機能を、5つご紹介します。

顧客管理

これまで、多くの企業で一般的に採用されてきた顧客管理は、営業一人ひとりに担当するクライアントの情報管理を任せるやり方です。
Excelで顧客情報を一覧にする人もいれば、名刺に情報を書き込む人もいるというように、管理の仕方も一律ではないため、急な欠勤や退職に伴う引き継ぎなどで混乱が起きることも珍しくありませんでした。

SFAでは、社名、担当者名、担当者の役職、連絡先といった属性情報のほか、商談履歴や問い合わせ履歴、取引履歴などをまとめて管理できます。これにより、営業担当者の退職時にうまく引き継ぎが行われなかったといった機会損失を減らすことができます。

案件管理

営業担当者にすべての顧客管理を一任すると、案件ごとの進捗状況が見えにくくなります。「順調に進捗しているように見えていたが、結果的には目標金額に達していない」「大きな失注が公表されていなかった」といった状況が相次ぐと、チーム全体の目標達成に関わる事態にもなりかねません。
SFAを導入すると、進捗状況が案件ごとに可視化され、組織として最適な戦略を立案することができます。また、過去の商談履歴や案件化までの道のりも共有できるため、トップセールスの営業手法を部署全体のノウハウとして共有することも可能です。

行動管理

SFAは、アポイントメントの数、訪問数、商談数、成約数、リピート数といった営業の行動にまつわる数値を管理できます。
成約までのプロセスが見える化されるため、「アポイントメント数はあるが商談数が伸びていない」「商談はしているが、成約に結びつく件数が非常に少ない」といったボトルネックが可視化され、営業の行動改善に役立ちます。

予実管理

SFAなら、営業担当者、部署、商品など、さまざまな軸で予算と実績を管理できます。これによって予算配分の適正化、営業方針の見直しなどを行うことが可能となります。

レポート管理

日本企業の営業活動には、1日ごと、または週ごとに状況報告を求める日報や週報の習慣が定着しています。
多忙な1日の終わりに、その日の活動記録を細かくまとめたレポートを提出するのは営業にとって負担が重く、チームのメンバーすべての日報・週報を確認する管理者の手間も大きいものです。しかし、SFAなら定型化されたフォーマットに入力して送信するだけで、レポート作業が完了します。フォーマットが統一されているため、管理者もチェックしやすくなるでしょう。
タイムライン通知もできるので、管理者がリアルタイムで営業の行動と成果を把握することも可能です。

SFAのメリット

SFAを導入すると、営業活動にまつわるさまざまなステップを可視化できることがおわかりいただけたかと思います。ここからは、SFA導入のメリットを、より具体的に見ていきましょう。SFAのメリットには、大きく5つあります。

SFAのメリット

営業活動を高度化することができる

従来の営業活動は、営業担当者の経験と勘に依存する部分が大きく、「数をこなす」ことや「その場の臨機応変な対応」が重視される傾向がありました。
しかし、SFAで営業の行動状況、案件の進捗状況、顧客とのコミュニケーションの状況を可視化し、売上予測や成果の分析結果をもとに戦略を立てると、暗黙知にもとづいた不透明な営業活動が減少します。結果として、データを拠り所としたロジカルな行動が可能になり、営業活動を高度化して部署全体の底上げを図ることができます。

精度の高い売上予測が立てられる

これまで、それぞれの営業の報告によって立てられていた売上予測は、営業担当者の主観によるところが大きく、思わぬ失注などで覆ることがよくありました。しかし、SFAで売上予測の基準を設定し、進行中の商談ごとの成約確度や予想される成約金額などを正確に算出すれば、精度の高い売上予測が立てられます。

営業活動の効率化が可能

SFAには、1度だけ活動報告を入力すれば、その情報が顧客情報・スケジュール・実績表・商談リストなど、さまざまな項目に自動で反映される「シングルインプット」「マルチアウトプット」の機能が備わっています。
この機能によって、営業の負担が軽減されて効率化につながる上、報告の抜け・漏れの減少も期待できます。

営業活動の標準化が可能

個々のスキルに依存した営業活動は、経験やセンスによって「売れる人」と「売れない人」に分かれやすいほか、売れる人の退職や異動に売上が左右されるリスクがありました。
しかし、SFAを使い、営業にまつわるさまざまな情報を一元的に蓄積・分析すれば、営業活動の標準化が可能です。

顧客満足度が向上する

SFAでデータを分析すると、多様化した顧客ニーズを正確に把握できます。把握したニーズを企画や開発などの部門と共有すれば、パーソナライズされた製品を提供したり、より多くのニーズに応える製品を開発したりすることができるでしょう。
こうした積み重ねは、顧客満足度を高め、リピート購入してくれる優良顧客の育成につながります。

SFAのデメリット

SFAのメリットを十分に享受するには、SFAのデメリットにも目を向け、納得した上で選ぶことが大切です。SFAのデメリットには、大きく下記の2つがあります。

SFAのデメリット

毎月のコストが発生する

クラウド型で提供されているSFAは、ID数に応じた月額料金が発生することが多いです。SFAによって得られるメリットが大きければ、必要経費として支払う企業がほとんどでしょう。
しかし、購入するID数には注意が必要です。大量に購入したにもかかわらず、現場の理解が得られず導入が進まなければ、無駄になってしまう可能性が高いからです。「適正なID数を見極めたうえで導入する」「SFA導入プロジェクトチームを組んで対応する」といった初期対応を行うことが一般的には推奨されています。

入力作業の負荷を考える必要がある

SFAは、蓄積されたデータが多いほど効果を発揮します。しかし、最初から入力項目を増やしすぎると、営業は作業を「面倒」「大変」と感じて、やめてしまう可能性が高くなります。
とはいえ、SFA導入からしばらく経った後に入力項目を増やすと、整合性がとりにくくなるでしょう。入力すべきデータは導入前に整理しておき、十分に内容を検討する必要があります。

SFAの導入で、売上アップを実現しよう

SFAは、営業活動を可視化・効率化し、売上の拡大を実現するツールです。CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)や、MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)」などのツールと併せて使用することで、社内の基幹システムとして活用の幅を広げることもできます。
まずはSFAの導入で、営業の無駄やボトルネックをなくし、効率的かつ効果的に売上に貢献する営業体制を構築していきましょう。

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