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公開日:2022.01.28

売上拡大には何が必要?売上の構成要素と売上拡大のための戦略を解説

売上拡大には何が必要?売上の構成要素と売上拡大のための戦略を解説

すべての企業にとって最大の関心事である売上拡大。売上とはどのような構成要素から成り立ち、それらを伸ばすためには何が必要なのでしょうか。
顧客のニーズも行動パターンも多様化が進み、かつデジタル技術の進化により、企業と顧客を取り巻く環境が劇的に変わりつつある現代において、売上拡大のための有効な戦略にはどのようなものがあるのかご紹介します。

売上拡大のために知っておくべき売上の構成要素

まず確認しておきたいのは、売上とはどのような構成要素で成り立っているのかです。順番にご説明していきましょう。

売上

売上は、受注金額に成約数を掛けた結果で決まります。

売上=受注金額×成約数

つまり、売上をアップさせるには、「受注金額を上げる」か「成約数を増やす」のどちらか(もしくは両方)を実行することになります。

成約数

成約数は、案件数に成約率を掛けることで求められます。

成約数=案件数×成約率

問い合わせ等を受ける回数を案件数だとすると、営業が商談を行い成約に至る率が成約率です。ですから、成約数を増やすには、「案件数を増やす」か「成約率を高める」必要があります。

リード数

リードとは、見込み顧客のことです。まだ商談をする段階にまでは至らないけれども、自社の商品に関心がある、将来売上に貢献してくれる可能性のある状態の顧客のことです。リード数が増えれば、案件数も増えるという関係性にあります。
リード数は、リーチ数に獲得率を掛けることで求められます。

リード数=リーチ数×獲得率

リーチ数

リーチ数は、広告宣伝や販売促進等を通じて商品を認知した人の数です。広告を増やせば、リーチ数が増える可能性が高くなります。ソーシャルメディアにおいては、投稿された記事を見た数等もリーチ数といいます。

獲得率

獲得率は、個人情報や企業情報を獲得できた割合です。商品を知った人が会員登録をしてくれたり、問い合わせ等でコンタクトをとってくれたりして情報が得られると、リーチ数に対するその割合が獲得率となります。

売上の構成要素 イラスト

自社の課題に合った施策を進める

上記のように、売上をアップさせるには、受注金額を上げるか成約数を増やすかのどちらかの施策を打つ必要があります。自社の課題として、どちらの施策を進めるべきか考えてみましょう。

受注金額を上げるための施策

受注金額を上げるには、商品(サービスを含む)の質を上げる、他社との差別化をする、自社(商品)の強みを訴求する、価格交渉をするといった方法が考えられます。
価格は、顧客の需要との関係性や市場の動向で決まるものなので、当然ながら単に値上げをしようとしてもうまくいきません。競合との相対評価を含めて商品の価値が低いとみなされれば、反対に価格を下げざるをえなくなることもあります。

成約数を増やすための施策

成約数を増やすには、案件数、成約率、リード数、リーチ数、獲得率を、それぞれ増やす必要があります。各種マーケティング戦略や営業戦略はそのための方法といえるでしょう。
また、販路の開拓・拡大やビジネスパートナーとの連携等、経営戦略によって売上を伸ばすことも可能です。

売上拡大に必要な戦略とは?

売上拡大に結びつけるための具体的な戦略には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、5つの戦略をご紹介します。

売上拡大に結びつけるための5つの戦略 イラスト

1 客単価を上げる

売上は「受注金額×成約数」とご説明しましたが、言い換えればこれは、「客単価×顧客数」と同じです。

客単価を上げるには、商品自体の価値を上げて商品の価格を上げる以外にも、下記のような方法が考えられます。

  • ・まとめ買いを提案する
  • ・購入しようとしている商品より上位ランクの商品を提案する(アップセル)
  • ・購入しようとしている商品の関連商品を提案する(クロスセル)
  • ・優良顧客にのみ特別な商品を提案する

また、マーケティング分析には、バスケット分析と呼ばれる分析手法があります。これは、客が小売店で買い物かご(バスケット)にどんな商品をいっしょに入れているかを調査して分析するものです。よくいっしょに購入される商品がわかれば、実店舗ならそれらを近い場所に陳列する、ネットショップなら関連商品として提案すれば購入される確率が上がるかもしれません。客単価は、こうした積み重ねで上げることができます。

2 新規顧客を掘り起こす

これまでとは異なる新規顧客を掘り起こすことができれば、今よりも顧客数を増やすことができます。自社の商品のことをまだ知らないものの、ニーズは持っている状態の顧客のことを潜在顧客と呼びますが、潜在顧客を見込み顧客化し、さらに顧客化することで売上が上がるようになります。
BtoBでも、何か課題を抱えているけれど自社の商品のことをまだ知らないという顧客が多く存在するので、そこを開拓していくことが可能です。

新規顧客の掘り起こしには、既存の流通チャネルや販売チャネル、コミュニケーションチャネルのみに頼るのではなく、積極的に新しいチャネルを見つけ出すことが重要です。たとえば、これまで実店舗を中心に商品を販売していた会社が、ネット販売に着手して大幅に売上を伸ばすといったケースが典型的です。あるいは、コロナ禍という状況も鑑みて、BtoB向けのECを構築して販路拡大のツールとして活用し、新規顧客を獲得している企業も多くなっています。

自社のみでは限界があるという場合は、ビジネスパートナーに力を借りるのもいいでしょう。最近では、ビジネスマッチングサイトで販売会社や営業代行会社、マーケティング会社等を探し、互いのニーズが合致すれば手を組んでビジネスを始めるというスタイルが増えています。

3 リピーターを増やす

新規顧客が単発の購入だけで終わるのではなく、リピーターとして購入するようになってくれれば大きな力となります。そのために有効とされていることが、顧客が商品や企業、ブランドに対して信頼や愛着を抱き、支持してくれるよう働きかけるコンテンツマーケティングです。

顧客が商品やブランドに対して抱くポジティブな感情を、顧客ロイヤルティと呼びます。顧客ロイヤルティを高めて顧客を育て、ファン化することができれば、リピート購入率が向上します。それだけではなく、ファン化した顧客が口コミ等でほかの新規顧客を増やしてくれることもあり、さまざまな相乗効果が期待できます。

4 他社よりも優位な販売環境を構築する

他社との差別化を図ることも、非常に大切です。商品の差別化ももちろんですが、データやデジタル技術を活用した販売環境を構築することで、市場で優位に立つこともできます。

昨今のデジタル技術やITツールを使えば、売上データや顧客データ、営業データ等を収集して管理し、必要に応じて分析して、売上アップへつながる最適な施策を打つといったことが可能になります。
たとえば、次のようなシステムやツールが役に立つでしょう。

  • ・CRMシステム:顧客関係のデータを管理
  • ・SFAシステム:営業関係のデータを管理
  • ・BI(ビジネスインテリジェンス)ツール:データ分析と分析結果の視覚化
  • ・MA(マーケティングオートメーション)ツール:マーケティング活動を自動化

競争力を得るために最新のデジタル技術を活用してビジネスや業務を改革することは、政府が推奨するDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の趣旨とも合致します。
海外企業との競争も含め、今後企業が市場での優位性を失わず売上を拡大していくには、DX化を積極的に進めていくことが欠かせないとされています。

5 顧客コミュニケーションを活性化させる

顧客の声を聞き、意見や要望を取り入れて商品や販売に関わるサービスを改善していくのも、売上アップに効果をもたらします。
特に、顧客ロイヤルティを高めるのは、積極的に顧客の声を拾っていく姿勢・体質です。SNSでの情報発信とリプライ、メールでのやりとり、ウェブでの感想アンケートや商品レビュー募集等、カスタマーサービスを通じたさまざまなコミュニケーションのとり方が考えられます。

売上拡大のための戦略には、これからのデジタル時代に対応した策をとることが大切

売上拡大のための戦略には、昔からあって現在も有効なものもあれば、これまでとは明らかに異なるデジタル時代に対応したものも登場しています。
デジタルマーケティングやウェブマーケティングと呼ばれるデータを重視したマーケティング戦略の台頭に加えて、リアルマーケティングとの融合による新たな可能性も見え始めています。今後、売上拡大のための戦略はさらに進化する可能性があり、その動向をしっかりと追っていくことが重要です。

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また、売上拡大には新たなビジネスパートナーの拡充による販路拡大も有効です。
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