お金と向き合う第一歩は、家計の収支を把握することから

お金をしっかり貯めていきたいけど、なんだか難しいし、きちんと向き合うのが大変そう......と不安に思う方は多いのではないでしょうか。ただ、見ないようにフタをして先延ばしにすればするほど、やり直しが大変になってしまいます。

家計簿などで、家計・資産管理をしている人の割合の円グラフ

調査によると、家計の収支について、家計簿などで管理できている家庭は全体の6割以上に上ります。まだ家計の管理ができていない方は、まず下記を参考に、自分に合った管理方法を見つけるところから始めてみましょう。

ステップ1 棚卸しをして、資産を把握しよう

意外とできていないのが、自分の「資産」がどれくらいあるのかを把握すること。新入社員の頃から自動で貯めていた財形貯蓄や定期預金、持株、有価証券の他、実は資産価値のある保険もあるので、これらの金融資産を確認してみましょう。プラスになっている資産だけでなく、住宅ローンや車のローンも、いくら残っているのか、後何年返済するのか、借入金利は何%なのかを把握することが大切。場合によっては借り換えをすることで、返済額がグンと減るケースもあります。現状を正確に把握するだけでも、何か気づきがあるはずです。

ステップ2 家計簿をつけて、浪費を見つけよう

今の状態を確認したら、次は日々のお金の動きも見ていきましょう。「あれ? 何に使ったのかわからないけど貯まってない!」という使途不明金が多い方は特に要注意です。お金の管理がしっかり出来るようになるまでは、家計簿で可視化していきましょう!

でも、すぐに家計簿をつけ始めるのはなかなか難しいですよね。私は以前、手帳を家計簿として兼用していました。マンスリーではなく、デイリーの欄に1日の支出を全て書き出し、横に「消費・浪費・投資」を書いていきます。最初は浪費だらけでしたが、「来月はもっと減らそう!」と浪費にあたる支出を減らしていくと、ゲーム感覚で楽しめますし、お金を使う段階で「あれ?これは浪費かな?」と意識が出来るようになります。

具体的なやり方を紹介すると、まず、毎日使ったお金を1円単位で家計簿に書き出して、その横に「消費・浪費・投資」のいずれかを書きます。
ちなみに定義は以下です。

消費
家賃や通信費・交通費、生活用品などで日々必要なものに使うお金。ここの見直しも家計改善のポイント!

浪費
厳しい言葉でいうと、無駄遣いのこと。例えば、衝動で使いもしないものを買う、一瞬の満足のために少しハイクラスな贅沢をする、など。

投資
その名の通りお金を資産形成に向けて投資することや、習い事などで自分のスキルを向上させるためのお金、大切な家族と過ごすために使うお金など。

書き出して可視化ができたら、浪費を限りなく0にして、投資を最大限に増やせるようにお金を賢く使っていきましょう!
もちろん家計簿アプリなどを使っていくのもありですが、多くの人が持っている手帳に書く方法は手軽に始められるはずです。

ステップ3 いつまでにいくら貯めるか? ライフプランを立ててみよう

最後にライフプランについての、考え方をお伝えします。例えば、ゴールのないマラソンを漠然と走り続けることを想像してみてください。ペース配分や、何キロ走ったところでラストスパートをかけるのかがわからないと、精神的にとても辛いと思いませんか?
お金も同じで、漠然とゴールを決めずに心配するよりも、ある程度計画を立てた方が準備しやすくなり、余計な心配事に悩まなくて済みます。
家計簿は1ヶ月単位で収支を把握していきますが、ライフプランは数年〜数十年の長いスパンで考えます。そうすることで、「短期・中期・長期」の視点でどれくらいのお金が必要になるのか整理することができます。

いきなりライフプランをイチから作るのは難しいと思いますので、インターネットでかんたんな自動シミュレーションを探したり、ファイナンシャルプランナーや金融機関などに相談することもオススメです。

ライフプランを作ることで、ゴールから逆算をして貯蓄計画を立てることや、お子様の教育プランをどうするかなどを考えるきっかけになるかもしれません。ただし、シミュレーションはあくまでシミュレーションであり、未来は不確定だということも忘れないようにしましょう。フトコロの大掃除で、お金の悩みをスッキリさせて、明るい気持ちで新年をお迎えください!

水野 綾香(みずの あやか)

「女性のためのマネーセミナー講師」としてこれまで全国で6,000人以上の方に講演。むずかしく思われがちなお金の情報を、楽しくわかりやすく伝えることがモットー。FPとして、各メディアでのマネーコラム執筆も多数。ライフミッションは、精神・経済・キャリアにおいて自立していて、自分の人生を自分で選択できる女性をもっともっと増やすこと。

HP:https://www.facebook.com/ayaka.mizuno

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