超長寿社会が本格的に到来
還暦になっても人生道半ば?

「人生100年時代構想会議」とは、寿命が延びていく日本において、老後を含めて、健康でいきいきとした人生を国民が送るためにはどういった社会にすべきか、といったことを政府で議論していこうというものです。

その中でも取り上げられている、リンダ・グラットン氏の著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で引用されている研究を元にすれば、2007年に日本で生まれた子供については、107歳まで生きる確率が50%もあるそうです。

50%が107歳までというと少し極端な気もしますが、内閣府が発表した最新の「平成29年版高齢社会白書」によると、日本人の平均寿命は2015年の時点で男性80.75年、女性86.99年とのこと。これでも充分「人生100年時代」に近づいていますが、さらに寿命は延びるようで、2020年に男性81.34年、女性87.64年、2065年には男性84.95年、女性91.35年になるとされています。近い将来、多くの方が100歳まで生きる社会が到来する可能性は高そうです。

超長寿社会を楽しく生きるために
私たちができる備えとは?

「人生100年時代構想会議」では具体的なテーマとして、社会保障の充実、高齢者を含む人材採用の多様化等と合わせて、「リカレント教育」が議論されています。

「リカレント教育」とは、「社会人になっても、誰でも何度でも学びなおしの機会を提供しましょう」というもので、私たちの視点からいうと、「第2、第3の人生に備えて、大人も勉強して自己研鑽をしよう」というものです。

現在の日本のサラリーマンのように60歳〜65歳でリタイアすると、人生100年時代ではその後の人生がまだ40年程度あるわけですから、第2、第3の仕事や社会貢献が求められます。それに備えて、スキルや知識を身につける必要があるということです。

お金についても考えておく必要があります。リタイア後40年という期間を健康でいきいきと過ごすために、どのくらい資産が必要か、現役の時からマネープランを立て、資産を形成しておきたいところです。いざ、シニアになったとき、現役時代ほど収入があるかどうかはわかりません。「備えあれば憂いなし」ではないでしょうか。

この流れに歩調を合わせたかどうかはわかりませんが、2017年からは「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる個人向け確定拠出年金の加入対象者が広がりました。

「iDeCo(イデコ)」は、現役時代に毎月の掛金を納め(拠出)、その資金を運用し60歳以降に受け取る私的年金で、様々な税制優遇が用意されています。以前は企業年金のないサラリーマンや自営業者だけが対象でしたが、いまはほとんどの会社員や公務員、専業主婦(主夫)も対象に加わり、現役世代のほとんどが自分の意思で、より慎重に老後に備えられるようになったのです。こういった制度を活用して、超長寿社会に備えるのも一つの方法でしょう。

私の暮らしはどう変わる?

超長寿社会の到来により、「老後」の概念がまったく異なるものになるかもしれません。リタイア後は"余生"ではなく、次の40年への第2、第3の人生のスタートへ。すでに、この流れは始まっています。「学びなおし」や「マネープラン」について、今のうちから考えておくことが重要です。

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