2019年1月7日〜
出国税がスタート!出国1回あたり1,000円。

2019年1月7日、新たに「出国税」が導入されました。正式には「国際観光旅客税」。日本を出国する旅客に課される税金のこと。乗り継ぎなどで入国後24時間以内に出国する人や2歳未満の子などは免除となりますが、国籍に関係なく、1人あたり1回1,000円が徴収されます。負担が増えるのはうれしいことではありませんが、この資金を元に、観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる「オーバーツーリズム」など諸問題が改善され、観光産業がよりよい方向に向かうことを期待したいですね。

2019年4月1日〜
働き方改革関連法が施行。罰則付き残業規制で残業が減る!?

2018年6月に成立した「働き方改革関連法」が、2019年4月1日より施行されます。大きな変化の1つは罰則付き残業規制で、残業時間の上限は、月45時間、年360時間が原則です。繁忙期でも年720時間、月100時間未満、複数月で平均80時間となります。中小企業は2020年4月1日からのスタートです。
また、高度プロフェッショナル制度も話題になりました。一定以上の年収(1,075万円以上想定)の専門職は、休日を確実に取得するなど条件はあるものの、労働時間規制や割増賃金支払の対象外とされます。対象となる職種や年収基準は省令で決められます。「高プロ」に該当しても希望すれば外れることも可能ですが、現実に断れるかどうかは別問題との声もあります。

2019年7月〜
民法改正(相続関係)で手続きがしやすくなる?

2019年7月1日の民法改正で相続に関係するルールが変更になります。例えば、これまで遺産分割が確定しなければ、原則預貯金が引き出せませんでしたが、今後は遺産分割協議が調う前でも各口座ごとに法定相続分の1/3までの預貯金(150万円まで)であれば引き出せるようになるなど、現実の問題に即した改正がなされます。

2019年10月〜
消費税が10%に! 軽減税率やプレミアム商品券など複雑な増税対策で大混乱?

2019年10月には消費税が8%⇒10%へと上昇します。増税にともない、低所得層などに配慮していくつかの対策が取られます。1つは軽減税率で、「酒類・外食を除く飲食料品」や「定期購読の新聞」については8%のままです。宅配や出前、テイクアウトも軽減税率の対象です。次に、プレミアム商品券ですが、住民税非課税世帯や2歳以下の子どもがいる家庭、低年金受給者は最大2万5,000円分の買い物ができる商品券を2万円で買えます。利用は2020年3月までの半年間。また、消費税増税後は、クレジットカードや電子マネーなどで支払うと2〜5%のポイント付与が検討されています。期間は2020年6月までの予定です。

2019年10月〜
増税後の景気対策として、自動車税の減税や住宅ローン控除の拡大も!

増税による消費の落ち込みを防ぐため、大きな買い物である車や住宅取得を促進する制度も導入されます。まず、車に関しては、増税後に車を買うと、小型車を中心に自動車税が現行の税率から1,000〜4,500円軽減される見込みです(代わりにエコカー減税が縮小)。また、マイカー取得時に燃費に応じて支払う「環境性能割」の税率(最高3%)も、2020年9月までは1%軽減されます。
住宅に関しては、2019年10月〜2020年末に入居する場合、住宅ローン控除期間が3年間延長されます(合計13年間)。また、「すまい給付金」が年収775万円以下の人を対象に最大50万円と拡大します。他にも、省エネ・耐震機能に優れた新築住宅の購入や改修でポイントを付与される「住宅エコポイント」も復活すると見られています。住宅は、増税前に慌てて購入せず、メリット・デメリットの精査が必要になりそうです。

  • 平成31年1月現在の税制です。今後の税制改正にともない、変更されることもありますのでご留意ください。税金に関しては専門家にご相談ください。

私の暮らしはどう変わる?

2019年は、消費活動において価値観が変化していく大きなターニングポイントとなるかもしれません。
消費増税に対する対策の結果、当面の経済的な落ち込みはないまま、翌年のオリンピックイヤーに突入となる可能性は高そうですが、複雑な対策によって一定期間混乱することが予想されます。
また、クレジットカードや電子マネー、二次元コードなどの優遇策によりキャッシュレス化が大きく進む可能性があります。これまで、現金を中心に家計管理をしていた方は、その方法を見直す必要がありそうです。キャッシュレス支払は、現金払いに比べ、管理しづらいという声もありますが、利用履歴が残るので、やり方次第ではこれまでより管理が楽になる可能性があります。これを機に、家計簿アプリを使うなど、以前よりスマートでわかりやすく家計管理をして、消費増税を乗り越えたいですね。

豊田 眞弓

豊田 眞弓(とよだ まゆみ)

ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、相続診断士。FPラウンジ代表、短大非常勤講師。マネー誌ライター等を経て、94年より独立系FP。現在は、個人相談のほか、講演や研修、マネーコラムの寄稿などを行う。「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「50代・家計見直し術」(実務教育出版)など著書多数。

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