物価上昇でお金の価値は目減りするばかり。いますべきことは?

2025年は、お米をはじめとした食料品の価格高騰が話題になりました。農林水産省が発表した「スーパーでの販売価格の推移」(日経POS情報、全国・日次)によると、2025年12月23日時点の米5キロ当たりの値段は、銘柄米が4,546円、ブレンド米が3,729円といまだに高水準で推移しています。ほかにも、これまで購入していた食品の価格が上昇していたり、同じ値段でも内容量を減らしたりする「ステルス値上げ」も目立っています。

モノやサービスの価格が継続的に上昇する「インフレ」は、お金の価値も下げてしまうことから、家計を圧迫する大きな要因となります。日本のインフレ率は高止まりが続いており、2026年以降も引き続き、この傾向が続くと予想されます。

もちろん、給与などの収入が物価上昇以上に増えていればいいのですが、多くの人にとっては厳しいのが実情ではないでしょうか。そんなインフレ時代に必要なことは、家計の「見える化」と、日々の支払いを“ムダなく・お得に”整えることです。

まずは固定費の見直しに加えて、支出の流れを把握しやすい状態にすることが重要です。
あわせて、キャッシュレス決済でポイントを貯めて使う「ポイ活」も、無理なく家計を下支えする工夫の一つといえるでしょう。
たとえば三井住友銀行の「Olive」なら、アプリで口座やカード利用、ポイント残高などを一元管理しやすく、家計の見える化にもつながります。貯まったポイントは買い物などに使えるため、物価上昇が気になる局面でも日々の支出を賢く整える助けになります。

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もしも、NISAの「つみたて投資枠」にチャレンジしていたら…

モノやサービスの価格が上昇し、お金の価値が目減りしてしまうインフレ下では、株式投資など、ある程度リスクを取った資産運用が有効とされています。2024年に制度改正されたNISA(少額投資非課税制度)は、年間最大360万円(生涯投資枠1,800万円)までの投資について、その利益にかかる税金が非課税になるという制度。通常は、株式や投資信託で得た利益(売却益や配当)に対して20.315%(復興特別所得税含む)の税金が徴収されますが、NISAを活用することでこれが非課税となり、利益をまるまる手にすることができます。

ここではNISAについての詳しい説明は割愛しますが、詳しく知りたい方は、「【2024年改正】新NISAとは?これまでの制度との違いや注意点をわかりやすく紹介!」の記事を参考にしてください。

投資に対してアレルギーがある方もいらっしゃるとは思いますが、NISAのつみたて投資枠で毎月一定の金額で同じ投資信託を積み立てる場合には、金額と時間を分散することで平均購入単価を平準化してリスクを軽減することができます(ドルコスト平均法)。

下の表は、2025年1月から12月までの毎月月初に、ある日経平均連動型の投資信託(※)に10万円ずつ積み立てた場合のシミュレーションです。2025年12月30日時点では、年間の投資金額120万円に対し、資産は149万5,798円(利益は29万5798円)となった計算になります。これを年利回りに換算すると25%超となり、インフレ率をはるかに上回る結果となりました。もちろん、2026年も日経平均株価が同様の上昇を示すかは現段階ではわかりませんが、少なくとも資産運用の魅力は伝わったのではないでしょうか。

昨年も同様のシミュレーションを紹介しています。あわせて参考にしてください。
「新NISA」スタートから1年。2024年の総括と2025年相場の傾向と対策

【毎月10万円をある日経平均連動型の投資信託で積み立てた場合のシミュレーション】

下の表は横にスクロールできます

  基準価額(円) 購入金額(円) 購入口数
1月 18,975 100,000 5.270
2月 18,594 100,000 5.378
3月 18,248 100,000 5.480
4月 17,343 100,000 5.766
5月 17,749 100,000 5.634
6月 18,244 100,000 5.481
7月 19,490 100,000 5.131
8月 19,885 100,000 5.029
9月 20,572 100,000 4.861
10月 21,865 100,000 4.574
11月 25,276 100,000 3.956
12月 24,197 100,000 4.133
合計   1,200,000 購入口数合計は
60.693口
12月23日現在 24,738 投資金額は120万円 資産の時価は
150万1,423円
  • 本シミュレーションは、SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド(愛称:サクっと日経225)を用い、毎月月初に一定額を購入した場合の試算です。手数料等・税金は考慮していません。上記資料は過去のデータに基づくもので、将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。

なお、金融庁では、現状のNISAのつみたて投資枠を18歳未満に拡充する「こどもNISA」や高齢者向けの「プラチナNISA」の創設を検討しており、早ければ2026年度中にも導入されるかもしれません。

日経平均株価は5万円台を突破し、史上最高値を更新

では、あらためて2025年の日経平均株価の推移を振り返ってみましょう。1月6日の大発会で3万9,945.42円で始まった日経平均株価は、12月30日の大納会で5万339.48円で取引を終了しました。2025年前半は、米国のトランプ大統領による追加関税の影響で、世界の株式市場は大波乱となり、4月7日に日経平均株価は一時3万792.74円の年初来安値まで下落しました。しかし、その後は、追加関税の引き下げなどもあり、世界の株式市場は落ち着きを取り戻します。
米国では、AI(人工知能)や半導体関連の大手企業が次々と好決算を連発し、AI関連やハイテク株が急騰。これを受けて日本株市場でも、AIや半導体、ITセクターの銘柄の上昇が目立ちました。

また、日本では、秋に高市早苗氏が自民党総裁に選出され、女性初となる内閣総理大臣に就任。高市首相は、自身の政策を「サナエノミクス」と称し、株式市場では、株高と円安が進行する「高市トレード」の様相が強まりました。日経平均株価は10月27日に史上初となる5万円台乗せを果たし、11月4日には史上最高値となる5万2,636.87円を記録しています。その後は、米国でAIへの過剰投資によるバブル懸念などが台頭。日本では、台湾有事を巡る高市首相の国会答弁を受けて日中関係が悪化するなど、12月下旬現在、日経平均株価は上値の重い展開となりました(なお、2026年の大発会では、再び5万2,000円台をつける場面も見られました)。

一方、外国為替市場では、12月末現在、1米ドル=156円台で推移するなど再び円安(ドル高)傾向となっています。米国では、12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で3会合連続の利下げが行われる一方、日本では12月の日銀金融政策決定会合で30年ぶりの水準となる利上げに踏み切りました。米国が利下げ、日本が利上げとなると、日米の金利差が縮小することから、セオリー的には為替は円高(ドル安)に動くはずです。それでも円安に進行したのは、わずかな利上げでは物価高を冷やす効果がないとマーケットが判断したからかもしれません。長引く円安は、輸入物価の上昇につながり、国内のインフレ圧力を高めることになります。そういったことからも、2026年はインフレの高止まりが警戒されています。

2025年の日経平均株価の値動き
2025年の主な出来事

2026年の金融マーケットの期待材料と懸念材料は?

では、2026年の株式市場や外国為替市場の注目ポイントを挙げていきましょう。毎年、年末年始にはさまざまな調査機関から2026年の金融マーケットを予測するレポートが出回りますが、それを見ると、日経平均株価の史上最高値更新が予測されているものが目立ちます。

株式市場の最大のテーマは、引き続き「AI(人工知能)」です。足元では、AIバブルを懸念する声も高まっていますが、生成AIは「デジタル時代の産業革命」とも言われています。懸念されているデータセンターへの過剰投資についても、AIによる電力の消費量を考えると、まだまだ建設の余地は十分です。また、AIに関連する先端半導体の開発や製造も急務です。将来的な需要を考えると、「デジタル時代の産業革命」は始まったばかりと考えることができ、関連企業の成長は2026年も続くことが期待できるでしょう。

日本国内では、日中関係悪化の懸念は燻っているものの、高市政権は発足以来、高い支持率をキープしています。直近では、所得税がかかり始める「年収の壁」の引き上げ、中間所得層の減税枠を拡充することへの合意。ガソリン税に上乗せされている暫定税率を撤廃するなどインフレへの対策を矢継ぎ早に実行しています。ただ、高い支持率は株式市場の下支え要因となりますが、一方で高すぎる支持率は下がった時に警戒が必要となります。

また、高市政権では、日本成長戦略会議を開催して「重点投資対象17分野」を選定しました。国策に敏感な株式市場では、すでに2026年の新たなテーマとして銘柄探しが行われています。なお、注目される17の分野は以下の表の通り。2026年の株式市場は、これら分野に関連するセクターが折に触れて注目されることになりそうです。

高市政権が掲げる重点投資対象17分野

一方、米国では、引き続きトランプ大統領の一挙手一投足に相場が振り回されることになりそうです。なかでも、2026年5月に任期を迎えるFRB(連邦準備制度理事会)議長の人事では、トランプ大統領が利下げに積極的な人物を起用することが想定されており、株式市場や外国為替市場に大きな影響を与えそうです。

基本的に、利下げは株式市場にとってポジティブ要因ですが、消費や投資が促進されることからインフレ圧力が高まることになります。2026年の米国経済は、インフレの再燃が警戒されることになりそうです。引き続き、米国が利下げ、日本が利上げという金融政策のスタンスは変わりませんが、2025年12月もそうだったように、日米金利差を意識して外国為替市場が必ずしも円高(ドル安)に動くとは限りません。そういった意味では、日米ともにインフレ圧力に悩まされる年となりそうです。

最後に、2026年11月には、米国で中間選挙が控えています。世界の株式市場の経験則として、「中間選挙の年は相場が弱い」とされています。また、日本の相場格言には「辰巳天井、午尻下がり」というものがあり、2026年の干支である「午年」は、相場が下がりやすいというデータも気になるところです。いずれにしても、2026年は株式市場にとっても外国為替市場にとっても一時的に大きな変動が起こりやすい年となりそうです。2025年に続いて、ボラティリティ(変動率)が高くなることが予想されますので、リスクを十分に把握したうえでの資産運用が求められます。

まとめ

2025年は、お米の価格上昇が話題となりましたが、モノやサービスの価格が上昇する「インフレ」は2026年も続きそうです。インフレ時代には、大切な資産を守りながら、賢く増やすことが重要です。たとえば、家計の見直しによる支出の最適化や、ポイント活用による日々の節約、さらにNISA(少額投資非課税制度)を通じた非課税メリットの活用など 、日々の生活や投資にもひと工夫が必要です。投資に関してはリスクもありますが、積立投資を行うことでリスクを分散することもできます。2025年は投資家にとって株価上昇のうれしい年でしたが、2026年も期待材料はたくさんあります。お得な消費と賢い投資で厳しいインフレ時代を乗り切ってみてはいかがでしょうか。

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三枝裕介

マネーライター。個人投資家向けマネー雑誌『MONEY JAPAN』(現KADOKAWA)で副編集長、書籍編集長などを経て、独立。2011年には、財務省の広報誌『ファイナンス』で1年間特集記事を担当した。2018年、休刊していた『ネットマネー』(産経新聞出版)を株式会社ZUUにて復刊、編集長を務める。2020年にマネーライターに転身し、現在に至る。

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