そもそもつみたてNISA(積立nisa)の金額変更はいつでもできる?

たておさん たておさん

つみたてNISAの金額変更は制限などないのですか?

FP FP

金額変更はいつでもできますが、積立金額には月額上限があります。

つみたてNISAの金額変更はいつでもできますが、積立金額の月額上限があることに注意が必要です。

そもそもつみたてNISAは、どのような制度なのかここで簡単におさらいしておきましょう。

  • 非課税保有期間最大20年
  • 年間非課税枠40万円
  • 非課税枠は翌年に持ち越し不可

上記のとおり、つみたてNISAの年間非課税枠は40万円です。つまり、毎月一定額を積み立てる場合の月額上限は40万円÷12ヶ月=3万3,333円となります。

したがって、つみたてNISAの金額変更は上限3万3,333円までなら、金額変更ができます。
投資できる金額の単位は金融機関によって異なりますが、三井住友銀行ではわかりやすく月1万・2万・3万円から選択するプランがあります。

▼三井住友銀行の積立商品を知りたい方へ
積立商品を知る つみたてNISA: 三井住友銀行

つみたてNISAについて、もっとくわしく知りたい人は「つみたてNISAとは? メリット・デメリット、向いている人を解説!」も参考にしてみてください。

つみたてNISAの金額変更のタイミング

たておさん たておさん

金額変更って、どういうときに検討するのがいいのでしょうか?

FP FP

ご自身の金銭事情や運用中の積立投資銘柄に変化があった際に考えてみると良いでしょう!

では、実際につみたてNISAの金額を変更するタイミングはどのようなときなのでしょうか。

ここでは、つみたてNISAの金額変更のタイミングを4つ紹介します。

家計状況が変化したとき

家計状況が変化し、それまでの積立金額を維持できなくなった場合、つみたてNISAの金額を変更することで対処できます。

たとえば、それまで3万3,333円を毎月積み立てていたものの、子どもの進学資金が必要になり、満額は積み立てられなくなった場合に減額することで家計を整えることができます。

積立投資銘柄を増やしたり、減らしたりしたとき

つみたてNISAで運用する銘柄を増やしたり、減らしたりしたときも金額変更のタイミングです。

積立銘柄を増やした場合、月額上限までに収めなくてはならないため、金額調整が必要になるケースもあります。たとえば、それまで月額3万3,333円を積み立てていたが、銘柄を1つ増やして運用したい場合、ほかの銘柄の積立金額を減らさなくてはなりません。

運用する銘柄数を減らしたときは必ずしも金額変更の必要はありませんが、非課税枠をぎりぎりまで活用したい場合は積立金額の見直しが必要です。

銘柄3つで3万3,333円の積み立てから2つの銘柄に減らしたときは、それぞれの積立金額の増額を検討して3万3,333円に調整する必要があるかもしれません。

積立投資銘柄の値下がりが続くとき

積立投資をしている銘柄の値下がりが続く場合、投資額を増額を検討してみましょう。
「減額」ではなく「増額」である理由は、つみたてNISAはドルコスト平均法で運用するからです。
つまり、値下がりしているときでも一定金額を買い続けるからこそ、平均購入単価が下がり、将来の利益に繋がるのです。
投資額を減額するほうが損失は抑えられますが、つみたてNISAのメリットであるドルコスト平均法の効果は発揮しづらくなります。

もし、値下がりが続き、積み立てている銘柄に不安を抱いたら、銘柄を変えることも考えてみましょう。

非課税枠を使い切りたいとき

前述のとおり、つみたてNISAの年間非課税枠は40万円です。毎月2万円を積み立てていた場合、年間の投資額は24万円となり、非課税枠が16万円分も残ってしまいます。

非課税枠を残しても問題ありませんが、家計に余裕があれば増額して将来のために積み立てたほうが、つみたてNISAのメリットを得やすいと考えられます。その場合、残っている非課税枠の分を増額し、枠を使い切ることも可能です。

非課税枠を使い切る方法

つみたてNISAの非課税枠を使い切る方法は、以下の2つです。

  • 増額設定
  • ボーナス設定

増額設定とは、つみたてNISAの非課税枠いっぱいまで増額することです。

一方、ボーナス設定はボーナスが入る月に合わせて投資額を増やすことをいいます。通常の積立設定のほか、設定月のみ増額して積み立てできるため、非課税枠を無駄なく活用できます。 また、一年の途中から始めた場合は月額設定にすると非課税枠を使いきれないため、非課税枠を使いきるにはボーナス設定が有効です。

三井住友銀行では、月々自由に設定金額を決められるだけでなく、「フル活用プラン」があります。
「フル活用プラン」はボーナス月に合わせて投資額を多く設定できます。毎月3万円、 1月と7月は5万円で積み立てていき、年間40万円積み立てるプランとなっています。 ボーナスが入り、預貯金に余裕ができる方はこちらのプランで積み立てを検討してみるとよいでしょう。

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フル活用プランを知る

つみたてNISAの金額変更にはデメリットがある?

たておさん たておさん

つみたてNISAで金額変更を行った場合、デメリットはあるのでしょうか。

FP FP

デメリットとしては、運用益がうまく得られない可能性が出てしまうことなどです。

前述のとおり、つみたてNISAは途中で金額変更できます。しかし一方で、金額変更するデメリットもあります。

つみたてNISAの金額を変更する前に、ここで紹介するデメリットを理解しておきましょう。

長期的な運用によるローリスクの構造が崩れる

つみたてNISAには、ドルコスト平均法で積み立てられる特徴があります。

ドルコスト平均法とは、一定の金額を時間分散して定期的に買い続ける手法です。この手法を使うことで、購入タイミングによる損失を抑えられます。

しかし、つみたてNISAの金額変更を頻繁にしてしまうとドルコスト平均法によるメリットが得られなくなり、長期的運用によるローリスク構造が崩れてしまいます。

【減額した場合】金額変更すると運用益が少なくなる可能性がある

つみたてNISAを減額する場合、運用益が少なくなる可能性があることもデメリットです。

たとえば、以下の条件で金額変更した場合、20年の運用でどれくらい利益が変わるのかみてみましょう。

設定 変更前 変更後
毎月の積立金額 3万円 2万円
利回り(年利) 5% 5%

金融庁の「資産運用シミュレーター」では、変更前と変更後の運用益には約171万円もの差があることがわかります。

下の表は横にスクロールできます

設定 変更前 変更後
元金 720万円 480万円
運用益 513万1,000円 342万1,000円
最終積立金額 1,233万1,010円 822万673円

【増額した場合】相場が下落すると損失が大きくなる可能性がある

つみたてNISAを増額した場合、そのタイミングで相場が下落すると、変更前より損失が大きくなる可能性もあります。

もちろん、その後相場が値上がりする可能性はあります。しかし、タイミング次第で、損失につながる恐れがあることも理解しておきましょう。

つみたてNISAの金額変更の手続き

たておさん たておさん

金額変更はどのような手続きが必要ですか?

FP FP

手続きは、ご自身がつみたてNISA口座を開いている金融機関によって異なります。

つみたてNISAの金額変更の手続き方法は、金融機関によって異なります。

ここでは一例として三井住友銀行での手続き方法を紹介します。

三井住友銀行での金額変更手続き

三井住友銀行でつみたてNISAの金額変更をする際は、以下の手順で手続きします。

ステップ@ログイン

SMBCダイレクトにログインして、メニューから投資信託を選択します。さらに、投資信託ページ内の「積立内容の変更・中止」ボタンを押します。

ステップA変更する口座を選択

金額変更する口座を選択後、ファンドの選択画面で「積立内容の変更」ボタンを押します。

ステップB積立金額の変更

現在の契約内容が表示されたら、変更したいファンドの積立金額を選択します。

ステップC目論見書の確認

交付目論見書をダウンロードして確認後、「確認して次へ」ボタンを押します。

ステップD変更を実行

最終確認後、「取引実行」ボタンを押すと変更手続きは完了です。

積み立てが難しくなった場合の対応方法

たておさん たておさん

もし、積み立てが難しくなった場合には、どうすれば良いでしょうか

FP FP

積立金額の減額や積立停止を検討しましょう!

つみたてNISAは一度売却してしまうと、その分の運用は終了となります。将来への備えができなくなり、現金化されてしまいます。

そのため、積み立てが難しくなった場合はまず、積立金額の減額や積立停止を検討しましょう。

まとめ

つみたてNISAは、毎月一定額を積み立てる場合、上限3万3,333円の範囲内で自由に金額変更できます。家計状況が変化したときや、銘柄を変更したとき、非課税枠を使い切りたいときなどに金額変更して調整しましょう。

ただし、ドルコスト平均法が崩れることや運用益が少なくなること、下落によって損失につながる可能性があることなどのデメリットがあります。

つみたてNISAの金額変更の方法は金融機関によって異なるため、しっかりと確認してから手続きしましょう。

  • 2023年4月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

大木 千夏(おおき ちなつ)

独立系FP、金融ライター。もともとは臨床検査技師として病院に勤務、その後フリーランスライターとして独立した。ライターとして活動するうち、金融業界に興味を持ちAFP取得後、独立して横浜に事務所開設。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP。

https://oki-fp.jp/

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