#02
2024年日本シリーズ初出場、
通算1000試合出場達成
原信一朗


挑み続ける人たちが胸に秘めた想いとは
1998年以来、横浜DeNAベイスターズが26年ぶりの日本一を決めたあの瞬間。歓声とどよめきが響き渡る横浜スタジアムで、原さんはホッと胸を撫で下ろした。
「試合が無事に終わって、ホッとする。毎日がそれの繰り返しです(笑)」通算1000試合出場を達成し、年間100試合以上審判を務めることもある原さんの仕事の信条は「良い日と悪い日の波を無くし、年間を通して平常心で常に安定したジャッジを提供し続ける」こと。常に「普段通り」の仕事をやり続けるのは簡単ではない。
自身初の日本シリーズという大舞台でも変わらずそれを貫き通せたからこそ、ホッとした。「シーズン中は、とにかく体調管理を徹底します。逆にオフになった瞬間、風邪をひいたり(笑)」
真剣勝負を支える裏方ならではの機微に気づけなかったことについて筆者が恐縮していると、こうも続けてくれました。
「審判が目立たない試合は、いい試合だと思うんです。審判が注目を集めることなく、純粋にチームや選手の力で試合の勝敗が決する。それこそが私にとってのいい仕事なんです。」目指すは60歳まで現役。原さんの挑戦は続きます。
- 原信一朗(はら しんいちろう)
- NPB審判員。袖番号は32。2005年入局。着実なキャリアを重ね、2024年7月には通算1000試合出場を達成。同年、自身初となる日本シリーズ出場を果たした。冷静な判定と丁寧な場内説明に定評があり、ファインジャッジ賞を3度受賞するなど、次代を担う審判員として期待されている。