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外国為替業務に関する取引方針

(2022年2月現在)

1.法令および市場慣行の遵守

当行はお客さまへの外国為替取引のご提供にあたっては、国内外で適用される法令、当該取引において遵守すべき市場規範および適切な慣行を遵守します。

2.当行の取引形態(プリンシパル)

当行は、お客さまからの外国為替取引のお申込を受け付けた場合、原則としてプリンシパルの立場で取引レートの提示を行います。プリンシパルとは、取引当事者として自らが取引の相手方となる市場参加者を指します。従いまして、お客さまとの取引にあたり当行が提示し、お客さまとの合意に基づき適用する取引レートは、当該取引に限り適用されるレートです。

当行はお客さまとの取引により為替の持ち高(ポジション)を保有することになるため、当該ポジションにかかる価格変動リスク等をコントロールすることを目的に、同時または事後に、外国為替市場においてカバー取引によるヘッジを行う場合があります。

また、お客さまからの取引ニーズに機動的にお応えすることや当行自身のリスク管理を目的に、適切と判断する手法により、お客さまとの取引の前にカバー取引を行う場合があります(プリヘッジ)。このようなカバー取引は、通貨や取引の種類によってはお客さまとの取引から生じるリスクを個々の取引毎に完全にヘッジする場合があります。なお、これらのリスク管理のための取引は、当行の裁量により、当行において適切と判断する役職員に対し適切な権限を付与して行っています。

通常、当行がお客さまとの取引に適用する取引レートと同一のレート・金額(数量)で外国為替市場において取引を執行できる保証はないため、お客さまとの取引レートと当行がリスク管理を目的に行う外国為替市場における取引レートは必ずしも一致するものではありません。

当行が外国為替市場で執行する取引には、お客さまとの取引によって当行が負うことになる為替変動リスク管理を主たる目的に行う取引の他に、当行所定のリスク管理方針の下、外国為替トレーディング業務に従事する役職員が付与された権限の範囲内で行う自己トレーディングを目的とする取引が含まれます。

3. 情報提供

当行はお客さまへの情報提供の一環として、外国為替相場に関する相場見通し等のレポートをご提供する場合があります。当該レポートは、当行が信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、その情報の正確性や完全性を保証するものではなく、また、掲載された見通し等は、作成時点の見解を示すのみであり、予告なく変更されることがあります。外国為替相場に対する評価、先行きの見通しに関する判断はお客さまご自身の責任で行って頂くようお願いいたします。

また、当行は当該レポート等で対外的に表明している外国為替相場に関する相場見通しとは異なる相場観に基づき、自ら外国為替市場の参加者として取引を行う場合があります。

4.取引レートに含まれる要素

当行がお客さまから外国為替取引のお申込を受け付ける場合、お客さまとの取引に適用される取引レートは、当行が市場実勢と判断する取引レート(市場実勢レート)に様々な要素を加味して決定されています。当行がお客さまとの取引において適用する取引レートを主な取引の種類毎に説明すると以下の通りとなります。

(1)市場実勢取引

外国為替取引業務において当行が権限を付与した役職員が市場実勢と判断する取引レートに、当行のポジション管理にかかるコストや収益等を加味し、取引レートを決定します。

(2)公表相場適用取引

当行が当日9時55分頃の市場実勢と判断する取引レートに、当行のポジション管理にかかるコストや収益等を踏まえ通貨毎に決定される値幅を加味し、取引レートを決定します。

  • 公表相場については、当行所定の条件の下、当日中の取引に適用されますが、日中に大きく相場が変動する場合、当行自身のリスク軽減を目的に変更される場合があります。

また、お客さまとの取引やサービスの種類に応じて個々のお客さまとの間で適用される優遇幅を定める場合があります。なお、当行はお客さまとの取引に適用される取引レートを個別に明示したうえで、合意が得られた場合に取引を行いますが、その際に、優遇幅やその他の取引価格に含まれる要素をお客さまに対し開示することは原則としていたしません。

なお、為替デリバティブ取引や通貨スワップ取引等のプライシングにおいては、各デリバティブ市場における市場実勢取引にかかる取引コストに加え、取引にかかる各種リスク評価を考慮いたします。

お客さまから上記(1)(2)には該当しない、第三者が提示する価格を参照する取引のご依頼がある場合には、当行が取引可能と判断する場合に限り、適切な管理態勢のもと取扱います。

5.外国為替取引に関するリスクの説明

外国為替取引には以下のリスクがあります。外貨預金や外貨建貸金等の外国為替相場の変動リスクを内在する商品・サービスをご利用いただく場合においても同様です。

(1)相場変動リスク(市場リスク)

外国為替市場とは多種多様な参加者が電話・電子ブローキングシステム等を通じて相対取引を断続的に行う状況を捉えたものであり、開示規制等が適用される取引所での取引とは価格決定のプロセスは異なります。

通貨や取引時間帯、市場の流動性の状況等によって取引参加者、取引金額の増減が生じるため、取引レートは常に変動します。金融政策、地政学リスクにかかるイベントの発生等によって短期間で大きく相場が変動する場合もあります。

当行は、お客さまとの外国為替取引により負担する価格変動リスクにつき、取引の約定後または状況によっては約定前から所定のリスク管理を行います。このため、当行が提供する外国為替取引(これに準じる市場性商品を含みます)では、取引の約定後は、原則として変更または取消ができません。当行がやむを得ず変更または取消に応じる場合、所定の手数料、費用、清算金、損害金等をお支払い頂くことがあります。商品・サービス毎に定める利用規定、契約書、説明書等があるものについては、詳細はそちらをご覧ください。

(2)その他のリスク

当行または当行が外貨決済口座を保有する銀行(一般的に「ノストロ銀行」といいます)の信用力が著しく低下または破綻に陥った場合、お客さまとの外国為替決済に支障をきたす恐れがあります。

また、当行における外国為替取引業務において用いるシステムや、外国為替にかかる決済機関、決済制度への参加者における関連システムの障害等により、お客さまとの外国為替取引および同取引にかかる決済に支障をきたす可能性があります。

その他、各国政府・中銀等による通貨規制等によりお客さまの外国為替取引および同取引にかかる決済に支障をきたす場合があります。

6.オーダーの執行

当行はお客さまからオーダーを受けた場合、市場実勢レートを踏まえ、当行がリスク管理可能なレート水準を判断したうえで、当行とお客さまとの間で成約可能な取引レートをご提示いたします。

但し、当行は取引の種類によっては、予め当行内でお客さま毎に定める取引限度額に基づき取引の可否を都度判断いたします。当行において、取引限度額の使用状況は、取引額、期間、通貨等を考慮のうえ適切に管理しており、取引限度額は使用状況やお客さまの信用状況によって随時見直しを行います。取引限度額を超過するオーダーをご依頼頂いた場合には、当該取引についてはお断りする場合があります。また、取引限度額如何に関わらず、市場環境の状況により、お取引をお断りする場合があります。

当行は指値でのオーダーをお預かりした場合、当行がお客さまと事前に合意した管理要領に基づき管理します。市場実勢レートがお客さまからご指定を受けた指値に到達していないと当行が判断した場合には、ご依頼頂いた通りの執行ができない場合があります。

また、当行は複数のお客さまから様々なオーダーをお預かりしますので、通貨ペア・売り買いの別・レートが同じオーダーをお預かりする場合であっても、オーダー間の処理の順番は当行の判断により前後する場合がある他、一部のオーダーが執行できない場合があります。当該判断は当行が信用に足ると判断した各種情報ソースに加え、当行のマーケットにおける取引執行経験、マーケットの流動性、担当ディーラーのポジショニング等に基づき、当行において適切に判断権限を付与した役職員により行われます。

当行はリスク管理や自己トレーディングを目的に多様な市場取引を行っていますので、これらの取引がお客さまからお預かりしたストップロス・オーダーのトリガーレベルに近い水準で執行される可能性があります。その場合、当行の当該取引の執行がお客さまのオーダーの参照レート等に影響を与え、お客さまのストップロス・オーダーがトリガーされるきっかけとなり得ます。また、お客さまのオーダーを執行する際には、他のお客さまからのオーダーや、当行が行うリスク管理や自己トレーディングを目的とした取引を合算して執行することがあり得ます。

本項目に記載した当行が行う取引限度額の設定や取引可否の判断、執行の方法の判断等については当行が裁量権を有しており、当該権利は公正かつ合理的に行使されます。当行の裁量権の行使の内容等について、お客さまに個別に開示することはいたしません。

なお、当行はお客さまにアルゴリズムを利用した特定のオーダー執行形態によるサービスを提供する可能性がありますが、かかる提供に際しては、内容について適切な開示またはお客さまへのご説明を行うよう努めます。

7.電子取引締結システム

当行は法人のお客さまを対象に、インターネットまたは専用回線を経由して為替予約等の締結サービスをご提供しています。これには、日本国内での当行のシングルプラットフォームである「i-Deal」を通じたサービス提供のほか、第三者が運営する、いわゆるマルチバンクプラットフォームを経由してのサービス提供が含まれます。当該サービス利用にかかるご利用上の留意点につきましては、別途定めるi-Deal利用規定等をご覧ください。

電子取引締結システムでのお取引においては、サービス利用者からの締結意思表示電文が当行所定の時間内に当行機器に到達しなかった場合は、理由の如何を問わず、当該為替予約取引は成立しません。また、締結意思表示電文が当行所定の時間内に当行機器に到達した場合でも、当行は、当行のリスク管理の目的から、当行所定の手順・時間内で締結可否の判断を行います。このため、当行が締結可能という前提での為替相場を電子取引締結システム上で提示し、サービス利用者から当該価格での締結意思表示が機器上で行われ、当行機器に到達した場合でも、当行における取引限度額の確認結果や、為替相場提示後の相場変動が当行所定の基準を超過する(当行の有利・不利を問いません)等の状況の発生により、当行が締結不可と判断した場合は、取引は不成立となります(「ラストルック」慣行の適用)。この場合、当行は不成立となった旨を当行所定の方法によりサービス利用者であるお客さまに通知します。なお、当行は、当該締結の可否の判断において確認するお客さまからの締結意思表示電文の内容を、当行の提示為替相場の決定その他当行が当該判断実施中に行う取引のために用いることはありません。また、当行が電子取引締結システムで提示する為替相場は、上記4.にかかわらず当行が信頼するに足ると判断した複数の流動性提供者から当行が提供を受けた為替相場から生成する場合がありますが、上記2.で記載の通り、当行は原則としてプリンシパルの立場で取引レートの提示を行いますので、当行が為替相場の提供を受ける流動性提供者を個々に開示することはいたしません。

なお、電子取引締結システムでのお取引については、上記5.に記載のリスクのほかに、当行または第三者が提供する場合には第三者のシステムや回線上の影響により、オーダーの受付や成約、不成立の通知等のレスポンスの速さに差異が生じる可能性があります。

8.外国為替取引に関する利益相反の管理態勢およびその他のガバナンス態勢

当行は多数のお客さまとの間で同時並行して外国為替取引を行いますので、お客さまとの外国為替取引の締結にあたり利益相反を管理する必要がある場合には、当行の利益相反管理方針等に基づき適切に対応いたします。当行の利益相反管理方針につきましては、当行のホームページに掲載しております。

なお、外国為替取引において利益相反を含めたリスク管理を行うため、当行では以下の態勢を整備しています。

(1)適切な権限を付与した職員に対する研修

外国為替市場で取引を執行する職員に対しては、利益相反管理を含めた関連法令、規範の遵守のための研修を行っています。

(2)リスク管理部門、監査部門による牽制

不適切な市場取引が行われることのないよう、リスク管理部門による適切なリスク管理を行うとともに、適切な業務執行態勢に関し独立した監査部署による監査等を実施しています。

(3)取引情報の管理

お客さまのお取引情報について適切に管理いたします。取引情報に機密性がある場合には、当行内でも業務上必要な範囲内での共有に留めるなど、必要な情報管理態勢の下、お取り扱いいたします。なお、当行はお客さまからのオーダーの受付や執行の時刻等についても取引の形態に応じ可能な限り速やかに記録する態勢としています。

(4)リスク管理

自身のトレーディング戦略やポジションの状況、想定されるリスクおよびマーケットの流動性等の状況を踏まえ適切なリスク管理を行っています。



当行はGFXC(Global FX Committee)が制定するFX Global Code(グローバル外為行動規範)を遵守した外国為替業務を行います。FX Global Codeの翻訳は、東京外国為替市場委員会のホームページでご確認頂けます。FX Global Codeの遵守意思の表明書およびFX Global Codeで利用が推奨されている開示資料は以下をご参照ください。