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経理
公開日:2024.02.07
パーチェシングカードとは?コーポレートカードとの違いを解説

企業が経費の決済に利用できるカードには、コーポレートカードのほかに「パーチェシングカード」があります。経理業務の軽減などを目的に、パーチェシングカードの利用を検討している方も多いのではないでしょうか。
今回は、パーチェシングカードの特徴やコーポレートカードとの違い、パーチェシングカードを利用するメリットについてわかりやすく解説します。是非参考にしてください。
パーチェシングカードとは、経理業務を軽減できる法人カード
パーチェシングカードとは、法人が仕入やシステム利用料などの「企業間取引」に利用できるカードです。パーチェシング(purchasing:購入)という名の通り、主に購買関連に活用するためのカードと捉えてください。
法人用携帯電話の料金や各種クラウドサービスの支払など、企業活動では様々なサプライヤーへの支払が発生しますが、こうした支払を部門や取引先ごとに処理するのはあまり効率的とは言えません。バラバラに処理していた支払をパーチェシングカードで一本化すれば、経理業務を大幅に軽減できる可能性があります。
パーチェシングカードの大きな特長
パーチェシングカードの最大とも言える特長は、複数のサプライヤーへの支払を集約し、まとめて管理できる点です。一般的な企業間取引においては、各サプライヤーから請求書が届き、請求書ごとに支払処理を行っているケースが多いでしょう。
例えば、部門単位で契約しているサービスの場合、それぞれの部門に請求書が届くため、支払日や支払口座が異なる請求書を1枚ずつ処理していく必要があります。結果として経費精算のフローが煩雑になりやすく、支払業務の担当者にとって大きな負担となりがちです。
パーチェシングカードを利用することにより、各サプライヤーの請求をカード会社にまとめて処理してもらうことができます。経費精算のフローがシンプルになり、支払業務の負担を軽減できるのです。

パーチェシングカードとコーポレートカードの違い
法人が利用できるカードには、コーポレートカードのほかにパーチェシングカードがあります。コーポレートカードが経費全般の決済に利用できるカードであるのに対して、パーチェシングカードは用途が特化されている点が大きな違いです。パーチェシングカードを利用することにより、経理業務の軽減だけでなく、ガバナンス強化や不正利用の抑制も期待できます。また、部門名や購買費目ごとにカード番号を発番することも可能です。
■パーチェシングカードとコーポレートカードの特徴

利用目的が異なる
パーチェシングカードは特定の固定費など、法人の購買活動で発生する経費の決済に特化したカードです。一方、コーポレートカードは経費全般の決済が対象となるため、出張費や交際費などの精算にも使える点が異なります。
カードの名義が異なる
パーチェシングカードは法人名義のほか、部署名義や購買費目ごとの名義でカードを発行できます。コーポレートカードの場合、契約主体は法人ですが、カード名義は従業員個人となる点が両者の違いです。
パーチェシングカードはカードレスがほとんど
パーチェシングカードはプラスチックカードが発行されないカードレスタイプがほとんどです。カード番号で管理することから、物理カードを所有・保管する必要がなく、物理カードの紛失や盗難の心配もありません。コーポレートカードの中にもカードレスで発行可能なものもありますが、対応状況はカード会社ごとに異なります。
パーチェシングカードのメリット
パーチェシングカードを利用することで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットについて解説します。

複数ある請求を一本化して経理業務が効率的になる
様々な支払を一本化することで、請求書の処理や振込業務の効率化につながる点がパーチェシングカードの大きなメリットです。複数のサプライヤーによる請求をカード会社が一括処理するため、支払日や支払先の異なる請求をまとめてカード会社に支払うことができます。経理業務の負担が軽減され、効率的になることは大きなメリットと言えるでしょう。
振込手数料を削減できる
支払先がパーチェシングカードの会社に集約されることは、振込手数料の削減という点でも効果的です。請求書ごとに支払処理をする場合、振り込む度に手数料がかかります。同一のサプライヤーへの支払であっても、部門ごとに契約していれば契約件数分の請求書が届くため、振込手数料を複数回にわたり支払っていることになるのです。支払を一本化することにより、振込手数料を抑えることができます。
経費精算システムに利用明細データを連携できる
パーチェシングカードの中には、経費精算システムと連携して利用できるものもあります。連携によって経費精算システムに利用明細を自動で反映できるため、利用日や利用金額の相違が生じにくくなるのです。経費申請・承認業務を合理化すると共に、人為的ミスを防ぐ効果が期待できます。
キャッシュフローの改善につながる
パーチェシングカードで決済した取引の代金は、カード会社が定める支払日にまとめて支払うことになります。利用から支払までの期間に猶予ができ、手元に資金が残っている期間を延ばすことができます。
また、支払日に関しても毎月同じ日で統一されることから、キャッシュフローを見通しやすくなるでしょう。パーチェシングカードの利用によって、キャッシュフローの改善効果が期待できます。
関連記事:「キャッシュフロー改善とは?改善の方法やキャッシュフロー経営を解説」
利用限度額の設定ができる
利用限度額を柔軟に設定しやすいことも、パーチェシングカードのメリットのひとつです。企業間取引においては、一時的に高額な経費の支払が発生することも想定されますが、コーポレートカードの場合、カードごとに利用限度額が決められていて一時的な限度額の引き上げに対応できないということも少なくありません。
一方、パーチェシングカードは限度額を比較的柔軟に設定でき、一時的な限度額の引き上げにも対応できます。また、一回当たりの利用額を制限することもできるため、利用額のコントロールにも有用です。
ガバナンスが強化される
パーチェシングカードの利用は、ガバナンスの強化という点でも有効です。
パーチェシングカードは用途が限定されていることに加え、カードレスで発行されるため、従業員が私的に利用することが難しく、ガバナンスの強化に役立つでしょう。
また、従業員が従業員個人のクレジットカードで会社の経費を立て替えた場合、従業員にポイントが付与されてしまう恐れがあります。その場合、企業が従業員に利益を供与したことになるため、ガバナンスの観点から問題視される恐れがあります。パーチェシングカードで決済し、従業員の立替を発生させないことで、こうしたリスクを回避できるのです。
担当者が代わってもカード名義を変える必要がない
パーチェシングカードは法人名義や部署名義で発行されるため、担当者が異動や退職によって代わったとしてもカード名義を変更する必要がありません。カード名義を担当者と紐付けるのではなく、組織や購買費目と紐付けて利用できるというメリットがあります。担当者が代わった際の変更手続を減らすことができ、スムーズな引継が可能です。
カードの紛失・盗難リスクがない
パーチェシングカードはカードレスで発行されることから、物理カードを紛失したり、盗難被害に遭ったりするリスクがありません。従業員が外出先でカードを落としてしまう・盗まれてしまうといったリスクを回避でき、セキュリティが強化されることも、パーチェシングカードを利用するメリットと言えます。
パーチェシングカードのデメリット
パーチェシングカードを利用するメリットを見てきましたが、デメリットはあるのでしょうか。主なデメリットを以下に挙げますので、併せて確認していきましょう。
外出先での支払などに利用できない
パーチェシングカードはカードレスで発行されるため、外出先での店舗支払などには利用できません。また、支払先を限定する設定をしている場合、限定した支払先以外への急な支払には対応できません。
クレジットカードに付帯する一般的な特典がつかない
パーチェシングカードには、一般的なクレジットカードのようなポイントプログラムがありません。そのため、ポイントによる値引きや特典が受けられないことがデメリットと言えますが、一方でポイントの個人利用によるトラブルを避けることができます。
パーチェシングカードは、業務効率アップにもリモートワークの推進にもおすすめ
パーチェシングカードの導入により、複数のサプライヤーなどへの支払を一元管理でき、業務効率アップにつながります。また、パーチェシングカードは用途が限定されていることや、カードレスで発行されることにより、ガバナンス・セキュリティの強化につながります。自社の目的に適したパーチェシングカードの導入を是非ご検討ください。
SMBCグループが提供する「パーチェシングカード」は、本社・拠点経費の支払にご活用いただくことで、DXやリモートワークの推進にお役立ていただけるサービスです。従業員20名以上のお客さまには「パーチェシングカード」を、従業員20名以下のお客さまには「ビジネスパーチェシングカード」をご用意しております。
パーチェシングカードの活用により、ご利用のクラウド経費精算システムにカードのご利用明細を自動連携することもできるため、経理業務の効率化に役立ち、精査・承認業務の合理化が実現できます。パーチェシングカード導入を検討しているお客さまや、DX推進を検討しているお客さまは、以下の関連記事もご参考に、是非SMBCグループの「パーチェシングカード」「ビジネスパーチェシングカード」のご利用をご検討ください。
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