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公開日:2023.02.17

ISDNとは?2024年1月終了による影響や切替のポイントを解説

ISDNとは?2024年1月終了による影響や切替のポイントを解説

現在もなおISDN回線を利用している企業のお客さまは少なくありません。2024年1月にISDN回線が終了することについては、すでに把握されている方も多いのではないでしょうか。
今回は、ISDN回線終了に伴う企業への影響や切替のポイントについて解説します。具体的な代替サービスや切替時の注意点も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ISDNが、2024年1月に終了

そもそも、ISDNとは何でしょうか。ISDNはIntegrated Services Digital Networkの略で、「サービス総合デジタル網」と訳されている、電話線を使用したデジタル回線のインターネット技術です。ISDN以外にINSという呼び方を聞いたことがある方も多いかもしれません。ISDNが国際規格で、INSネットは東日本電信電話株式会社(以下NTT東日本)・西日本電信電話株式会社(以下NTT西日本)が提供するISDN回線という違いがありますが、ここでは、ISDN回線という呼び方をしています。

まずは2024年1月のISDN回線終了によって懸念される影響や、企業に求められる対応にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

ISDN終了によって企業に求められる対応

ISDN回線は様々な用途に使われていますが、まずは、金融機関取引への影響をご案内します。
三井住友銀行では、コンピュータバンクサービスやパソコンバンクサービスを中心としたサービスの一部(※1)でISDN回線が使われており、代替サービスへの切替が必要になります。

なお、NTT東日本およびNTT西日本より、ISDN回線が2024年1月に終了することに伴いIP網への移行を行う旨、公表されておりますが、IP網への移行によりISDN回線だけでなく、固定電話を使ったサービスにも影響が出ることが確認されていますので、注意が必要です。

また、全国銀行協会(全銀協)は、IP網への移行で利用できなくなる全銀協標準通信プロトコル(全銀プロトコル)のベーシック手順とTCP/IP手順のサポートを2023年12月末で終了する予定です。

公衆回線網(公衆回線・ISDN回線)の終了

銀行取引以外にも、公衆回線はさまざまな用途(※2)で使われているため、企業は該当するサービスの有無を調査するとともに、必要に応じて代替サービスへの切替を検討しておくことが大切です。

(※1)コンピュータバンクサービス(外為サービスを含む)、パソコンバンクサービス、パソコンバンク・ナビ、アンサーSPCサービス、パソコンバンク・ナビアンサー
(※2)企業のEB(エレクトロニック・バンキング)、POS(販売時点情報管理システム)、CCT/CAT(信用照会端末)、EDI(企業間電子商取引)、企業内WAN(広域通信網)、レセプトオンライン請求等

ISDN終了に対する企業の対応状況(お客さまの声)

ISDN終了に伴い、各社はどのような対応を検討しているのか気になっている方もいらっしゃるでしょう。
そこで、三井住友銀行のお客さまから伺っているお声を参考に、ISDN終了に対する企業の対応状況をご紹介します。今後の対応方法や対応時期を検討する上で、ぜひお役立てください。

2022年度中に切替を完了させる企業は限定的

お客さまのお声を伺っている限り、2022年度中に切替を完了させるといったお声はまだ限定的です。多くのお客さまは「情報収集の段階・検討段階」あるいは「終了期限がまだ先なので、優先順位が低い」といった状況のようです。

ISDNから代替手段への切替に関しては、部署単独では判断できないという事情もあるようです。たとえば、経理部だけでは対応が完結しないため、システム部と協議しながら対応を検討中といったお声もいただいています。お客さまによっては、ISDN廃止を機に業務の見直しに着手する予定であるといった声も上がっている状況です。

切替手続には時間と手間がかかることへの認知は、まだ足りていない

ISDN回線からの切替に際しては、三井住友銀行サービスに対する申込手続だけでなく、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(以下NTTデータ)への申込手続も必要です。切替対応の必要性を感じつつも、どの内容をどこに問い合わせれば良いのかがわからないといったお声も伺っています。

一例としては、VALUX(※1)サービス(NTTデータが提供する電子証明書とインターネットを用いた接続方法)への切替時にはVALUXへの申込手続が必要になります。あるいは、AnserDATAPORT(※2)接続(NTTデータが提供する専用回線を用いた接続方法)を使うにはConnecure(※3)という専用回線の工事が必須です。

実際に回線の切替手続を進めていくと、「想像していた以上に時間と手間がかかる」といった状況にもなりかねません。切替に際しては、各種手続や回線工事等に要する時間や手間も十分に加味し、無理のない計画を立てておく必要があります。

(※1)「VALUX」はNTTデータの登録商標です。
(※2)「AnserDATAPORT」はNTTデータの登録商標です。
(※3)「Connecure」はNTTデータの登録商標です。

ISDNからの代替サービス

三井住友銀行では、2023年12月末をもって、ISDN回線を利用した各種サービスの提供を終了いたします。EBサービスを引き続きご利用いただくには、代替サービスへの切替が必要です。ぜひ、余裕を持って切替の手続をお願いいたします。
なお、代替サービスは大きく分けて4つありますので、それぞれのサービスをご紹介しましょう。利用形態に合わせて適したサービスをご選択ください。

ISDNからの代替サービス

Web21

法人インターネットバンキングのWeb21は、お客さまのパソコンからインターネット回線に接続してご利用いただくサービスです。インターネットバンキングに切り替える場合は、Web21のご利用をおすすめします。切替手続に要する期間の目安は約1ヵ月間です。

Web21は、パッケージ式のソフト利用とは異なり、金融機関情報の更新やデータのバックアップ等の各種メンテナンス作業が不要で、お手軽に取引口座の照会や振込等にご利用いただけます。ただし、複数金融機関との取引を1つのソフトでまとめて行う「相乗り」ができない点にはご注意ください。

パソコンバンクサービスVALUX接続用

パソコンバンクサービスVALUX接続用は、VALUXサービス(NTTデータが提供)を通じてご利用いただくサービスです。三井住友銀行の他に、複数の金融機関との接続も行えるサービスです。

事前にNTTデータとVALUXの契約、および全銀VALUXに対応したEBソフトをご準備ください。当行では、全銀VALUXに対応したEBソフトの申込受付を2022年11月に開始しています。切替手続にかかる期間の目安は、三井住友銀行への申込書提出から約1ヵ月間です。

AnserDATAPORT接続

AnserDATAPORT接続は、汎用コンピュータまたはお客さまにて独自にカスタマイズされたソフトから、NTTデータが提供する専用の回線網経由でご利用いただくサービスです。

切替手続に要する期間の目安は、約2〜3ヵ月間です。また、事前にNTTデータへのお申込をした上で、Connecureという専用回線を引く必要があります。Connecure回線の開通には約3ヵ月必要となりますので、ご導入にあたっては、期間に余裕を持ってご準備ください。

Global e-Tradeサービス/i-Deal

Global e-Tradeサービスは、お客さまのパソコンからインターネット経由にて、外国回線でLC取引等の外為関係のお取引をご利用いただくサービスです。切替に要する期間の目安は約1ヵ月間です。

代替サービスに切替を進めるためのポイント

ここでは、代替サービスに切替を進める上で、押さえておきたいポイントをご紹介します。下記の3点を把握しておき、切替をスムーズに進めてください。

代替サービスに切替を進めるためのポイント

利用形態に応じた代替サービスを把握しておく

代替サービスを選ぶ際には、利用形態に合ったものを選択する必要があります。現状の契約内容と、回線の用途を把握した上で代替サービスを選びましょう。
切り替えるサービスをご検討いただく際には、下記をぜひ参考にしてください。

<利用形態に応じた代替サービス>

(1)コンピュータバンクをご契約中のお客さま
  • ・AnserDATAPORT接続を推奨
(2)パソコンバンクサービスをご契約中のお客さま
  • ・当行口座のみご利用で、相乗りを行っていない(他行口座の利用のない)お客さま:Web21を推奨
  • ・相乗りを行っている(当行・他行口座の両方でご利用の)お客さま:パソコンバンクサービスVALUX接続用/BizHawkEye(※)を推奨
  • ・市販ソフト、他行ソフトをご利用中のお客さま:パソコンバンクサービスVALUX接続用/BizHawkEyeを推奨
  • ・インターネット回線の利用を避けたいお客さま:AnserDATAPORT接続を推奨

(※)NTTデータ提供のマルチバンクWebサービス

代替回線の申込等を早めに行う

代替回線への切替に際しては銀行契約に関する手続だけでなく、NTTデータへの代替回線の申込等も必要となります。それぞれの手続には時間を要するため、早めにご対応ください。不明点や疑問点がある場合は、NTTデータや取引金融機関にご相談いただくことをおすすめします。

お取引金融機関に相談する

金融機関によって対応は異なりますので、早めにお取引金融機関にご相談ください。金融機関によっては、ISDNの切替手続に関するサポートデスクを設置している場合があります。用途に合った切替先や具体的な手続方法に関する情報を得られるため、サポートデスクを活用するのもひとつの方法です。三井住友銀行では、専用の「EBサービス切替サポートデスク」も設置しています。当行への代替サービスのお申込みに関するお問い合わせにつきましては、お気軽にお問い合わせください。

ISDN代替サービスへの切替は、できるだけお早めに進めてください

ISDN終了は業務に多大な影響を及ぼすことが予想されるため、早めの対策が求められます。切替期限は2023年12月末までであり、対応に残された期間は決して長くはありません。今回ご紹介したポイントや注意点を参考に、代替サービスへの切替をできるだけ早めに進めてください。

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