「iDeCo」(イデコ)(個人型確定拠出年金)と「企業型DC」(企業型確定拠出年金)の違い
どれみさん
FP
最も大きな違いは、掛金を加入者が出すか、企業が出すか、という点です。
iDeCoと企業型DCは、どちらも老後の資産づくりに活用できる年金制度で、掛金の負担者や、拠出限度額、手数料などに違いがあります。iDeCoと企業型DCの違いや共通点について、わかりやすく以下の比較表にまとめました。
|
iDeCo |
企業型DC |
加入対象者 |
20歳〜65歳の方※1 |
企業型DCを導入している会社に勤める会社員 |
加入手続き |
加入者が選んだ金融機関に自身で加入手続きを行う |
会社に加入手続きを行う |
掛金を出す人 |
加入者 |
会社※加入者が任意で掛金を上乗せすることも可能(マッチング拠出) |
拠出限度額(月額) |
自営業者 |
6万8,000円 |
5万5,000円 (他の企業年金等※2の加入状況によって変動) |
会社員 |
2万円〜2万3,000円 (他の企業年金等※2の加入状況によって変動) |
公務員 |
2万円 |
専業主婦(主夫) |
2万3,000円 |
積立期間 |
最長65歳まで※1 |
会社の規定により最長70歳まで |
掛金に対する節税効果 |
全額所得控除の対象 |
マッチング拠出の場合、加入者掛金は全額所得控除の対象 |
運用にかかる費用(手数料等) |
個人が負担 |
会社が負担 |
運用方法 |
加入者が決める |
掛金の支払方法 |
加入者の給与天引きまたは口座振替 |
マッチング拠出の場合、加入者掛金は給与天引き |
年金の受取方法 |
一時金受取または年金受取から選択 |
- ※1企業型確定拠出年金を導入している企業にお勤めの場合は、企業がマッチング拠出を選択していないことや、企業型確定拠出年金の事業主掛金とiDeCoの掛金が各月拠出限度額の範囲内である必要があります
自営業者の場合、国民年金に加入しており、障害基礎年金の受給者を除いて全額免除・半額免除などを受けていないことが条件です
- ※2「他の企業年金等」とは、確定給付企業年金や厚生年金基金を指します
iDeCoと企業型DCの主な違いについて詳しく解説します。
掛金を出す人
iDeCoは掛金を自分で出しますが、企業型DCは勤め先の会社が掛金を出す点です。ただし、給与の一部を「ライフプラン手当」などとし、ライフプラン手当の範囲内で掛金額を従業員が選べる「選択制」を採用している企業など、異なる方式を採用している場合もあります。
拠出限度額
企業型DCは勤務先が用意している企業年金への加入状況によって、拠出限度額が決まりますが、iDeCoは企業型DCの要件に加えて、職業も拠出限度額に影響します。なお、拠出限度額(月額)は、企業型DCが5万5,000円(他の企業年金制度に加入している場合は5万5,000円から他制度掛金相当額を引いた額)で、iDeCoが2万円〜6万8,000円です。また、2025年度の税制改正により、iDeCoの拠出限度額が引き上げられる予定です。
手数料を負担する人
iDeCoは加入時に2,829円と、運用中に金融機関によって異なりますが、数百円程度の手数料がかかります。しかし、企業型DCはこれらの手数料は企業が負担をするため、従業員が支払う必要はありません。ただし、信託報酬は企業型DCでもかかります。
会社員のiDeCo掛金上限等ついてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【関連記事】
【2024年12月改正】iDeCo掛金の上限額が引き上げ!制度の内容と影響を解説
企業型DCの場合、掛金の管理を自分で行う必要はありませんが、運用自体は加入者自身が行いますので、商品の選択や掛金の配分(どこにどのくらい積み立てるか)をしっかり考える必要があることを覚えておきましょう。