iDeCoとふるさと納税は併用できる? まずはふるさと納税の仕組みを知ろう

ことこさん ことこさん

iDeCoとふるさと納税は併用できるの?

FP FP

はい、iDeCoとふるさと納税は併用できます。

iDeCoとふるさと納税の併用について解説する前に、まずはふるさと納税についておさらいしましょう。

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ふるさと納税は自分が希望する自治体に寄付ができる仕組みです。実質的な自己負担額は2,000円で、寄付をした自治体からはお礼として特典やサービスを受けとることができます。

ふるさと納税の仕組み
  • 自己負担額が2,000円になるのは、控除額上限の範囲内に収まる寄付金額に限ります。
  • 控除上限額の範囲を超えて寄付を行う場合、超過分は2,000円に上乗せで自己負担額が増加します。

さらに、ふるさと納税は控除上限額の範囲内であれば、寄付をした金額のうち自己負担2,000円を超える部分の税金が控除されます。

控除を受けるためには、確定申告を行うか、確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度(以下、ワンストップ特例)」を自治体に申請する必要があります。定められた条件は下記の通りです。

以下の要件をいずれも満たす方はふるさと納税で確定申告が不要 (ワンストップ特例の適用を受けることが可能)

  • お勤め(給与所得)の方
  • 年間で寄付をした自治体が5箇所以内

以下の要件が1つでも当てはまればふるさと納税で確定申告が必要

  • 個人事業主やフリーランスで、確定申告をして納税する
  • お勤め(給与所得者)の方で、年間に6自治体以上寄付をした
  • ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告を行う方
  • 医療費控除を利用する、住宅ローン控除を初めて利用する など。

iDeCoとふるさと納税を併用した場合の影響は?

ことこさん ことこさん

ふるさと納税とiDeCoを併用すると、節税メリットに影響はあるの?

FP FP

ふるさと納税の控除上限額は減りますが、併用するメリットのほうが上回ります。

iDeCoとふるさと納税を併用すると、ふるさと納税の控除上限額が減少します。

課税所得金額が大きい方のほうが、ふるさと納税の控除上限額も大きくなるという特徴があるためです。この課税所得金額は、給与所得の金額から所得控除額を差し引いて計算します。

まず、iDeCoに加入した際のメリットについて実際に計算してみましょう。

課税所得300万円でiDeCoに加入した場合の所得税比較

課税所得金額300万円の方の所得税額は約20万円です。このケースでiDeCoに年間24万円加入すると、課税所得金額は300万円 - 24万円 = 276万円に下がります。

課税所得金額276万円の方の所得税額は、17万8,500円となり、iDeCoに年間24万円加入することで、結果として24万円分の資産運用を行いつつ、約2万円分の所得税を下げることができます。

さらにiDeCoは所得税だけではなく、住民税も節税のメリットがあります。

しかし、ふるさと納税は、課税所得金額が多い方が控除上限額は大きくなります。iDeCoに加入した結果、課税所得金額が下がるので、所得税・住民税は下がりますが、ふるさと納税の控除上限額も下がってしまうのです。

ただ、あくまでも併用した場合のデメリットは、ふるさと納税の控除上限額が下がってしまう点のみです。併用すればふるさと納税とiDeCo両方の税制優遇が利用できるため、併用したほうが最終的なメリットは大きくなります。以下では、併用する際のメリットを具体的に説明します。

年収400万の会社員がiDeCoとふるさと納税を併用した場合のシミュレーション

ことこさん ことこさん

iDeCoとふるさと納税を併用すると、どれくらいメリットがあるの?

FP FP

併用した場合のメリットを実際に計算してみましょう。 ただ、あまり寄付額や掛金を増やしすぎると家計を圧迫するので要注意です。

iDeCoとふるさと納税を併用した場合、ふるさと納税の控除上限額にどれくらい影響を与えるのでしょうか? iDeCoの節税メリットと合わせて、計算例を紹介します。

紹介するのは、独身、かつ会社員で年収400万円の人がiDeCoとふるさと納税を併用するケースです。併用する場合、ふるさと納税だけでみると控除上限額は減少してしまいますが、トータルでみると所得税・住民税の節税メリットのほうが大きいことがわかります。

下の表は横にスクロールできます

iDeCoの掛け金(年間) ふるさと納税控除上限額 iDeCo加入による所得税の節税メリット(年間) iDeCo加入による住民税の節税メリット(年間)
0円 約4万2,000円 0円 0円
14万4,000円 約3万9,000円 約7,000円 約1万4,000円
24万円 約3万6,000円 約1万2,000円 約2万4,000円
  • 社会保険料を(健康保険料11.64%(介護保険料を含む)+厚生年金保険料18.3%)÷2+雇用保険料0.3%=15.27%で計算。

ふるさと納税とiDeCoはどちらも節税メリットが大きいですが、あまり金額を大きく設定すると、普段の生活費を圧迫してしまいます。お得だからといってどちらの制度も上限額まで使うのではなく、無理のない範囲で利用することを心掛けましょう。

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ふるさと納税以外にもiDeCoと併用できる制度はどれ?

ことこさん ことこさん

iDeCoはふるさと納税としか併用できないの?

FP FP

iDeCoは住宅ローン控除、医療費控除、NISAとも併用可能です。

さて、iDeCoとふるさと納税の併用した際のメリットを解説してきましたが、実は、iDeCoはふるさと納税以外にも併用できる制度があります。以下では、代表的な制度を紹介します。

住宅ローン控除

iDeCoと住宅ローンは併用できます。併用すれば、iDeCoで課税所得金額を減らして税額を減らし、税額から直接控除できる住宅ローン控除でさらに税額を減らせるので、節税メリットの大きい組み合わせです。

しかし、iDeCoで節税をした結果、より節税効果の高い、住宅ローン控除の控除枠を使い切れないことがあります。iDeCo加入時には事前にシミュレーションをしておくことをおすすめします。

医療費控除

自分、または自分と生計を一にする配偶者や親族のために払った医療費は所得控除となり、確定申告をすることで所得税の還付が受けられます。医療費控除とiDeCoも併用すると、より節税効果が大きくなります。

医療費控除の計算式は以下の通りです。

医療費控除額(最高200万円)= その年に支払った医療費 − 保険金などで補填される金額 − 10万円、または所得金額の5%(いずれか少ない金額)

NISA

NISAとは少額投資非課税制度のことで、つみたてNISA、一般NISA、ジュニアNISAの3つの制度の総称です。NISA口座を利用して投資をすると、投資によって譲渡益や、投資信託の分配金などで収益が発生した場合、収益には税金がかかりません。

iDeCoと組み合わせれば、より効率的な資産形成ができます。 NISAやつみたてNISAについては以下の記事でも詳しく紹介していますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

【関連記事】
つみたてNISAとは? メリット・デメリット、向いている人を解説!

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NISAとは? 基本や注意点、活用方法を知ろう!

また、三井住友銀行でNISAを始めることもできますので、NISAを検討されている方はこちらもぜひご確認ください。

▼NISAやつみたてNISAを検討している方へ
三井住友銀行のNISA/つみたてNISA

まとめ

iDeCoとふるさと納税は併用できますが、iDeCoの掛金を増やすと課税所得金額が減少することで、ふるさと納税の控除上限額が減少してしまうため注意が必要です。しかし併用した場合、ふるさと納税の控除上限額の減少よりも、iDeCoによる節税メリットのほうが大きくなるので、無理のない範囲で2つの制度を併用するとより効率的なお金の使い方ができます。

その他、iDeCoは住宅ローン控除、医療費控除、NISAとも併用が可能です。各制度の特徴を理解して、上手に使い分けていきましょう。

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三井住友銀行のiDeCo

  • 2022年12月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

金子 賢司

個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。

https://fp-kane.com/

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