消費者物価指数から見る変化

消費者物価指数(2015年基準)のグラフ
上の図は2015年を基準の100とした消費者物価指数になります。 1998年には100を超えたり、2016年には100を少し下回る動きなどもありましたが、長期的に見ると、確実に国内の物価が上昇していることがわかりますね。
なぜ物価は上昇しているのか?その背景には原価高騰、円安、人件費高騰など、さまざまな要因が絡み合っています。
また、意図的に物価上昇を起こそうとしている側面もあります。例えば、日本銀行はアベノミクスの政策のもと、安定的な経済成長をするため、2013年に2年間で2%のインフレ(=モノやサービスの価格が上昇すること・インフレーションの略)を目指してきました。 結局目標は達成されず、現在も無期限で2%のインフレ達成をめざしています。

身近な商品・サービスの値上げ例

直接インフレとは関係しませんが、2018年の前後で話題となった値上げについてご紹介します。

  • 電気代やガス料金、ガソリンなど
    原油などのエネルギー源の価格上昇などが影響しています。
  • 業務用の米、パン、納豆など
    悪天候などに伴う業務用の米、小麦、大豆などの収穫減少の見込みに加え、燃料費や物流コストの上昇、円安などが影響しています。
  • 乳製品など
    生乳の生産量の減少による生乳価格の高騰、燃料費や物流コストの上昇などが影響しています。
  • 輸入牛肉など
    燃料費や物流コストの上昇、円安の影響、中国での需要拡大による原材料の高騰などが影響しています。
  • 業務用ビール
    酒類の安売り規制の強化、人手不足による物流コストの上昇などが影響しています。
  • 宅配便
    深刻な人手不足による人件費高騰などが影響しています。
  • タバコ
    2018年10月からたばこ税の増税が決定しました。

必ずしもすべての商品やサービスが値上げになっているわけではありません。
また、大手スーパーなどでは、値上げで財布のヒモがかたくなった消費者の購買意欲を高めるため、一部商品の値下げを行っている場合もあるようです。

物価が上がる「インフレ」と上手に付き合うには?

これまで見てきた値上げはインフレが原因ではありません。とはいえ、物価上昇は政策でもあるので、今後もその傾向は続いていく可能性があります。インフレが実現した場合、お金を「現金」で持っていると、物価は上がっているのに現金は相変わらず同じ価値なので、相対的に見てお金の価値が目減りしてしまう...!ということになります。

例えば「年2%のインフレ」が実現したとすると、36年後にはモノやサービスの値段が、今の2倍になる世界がやってきます。もちろん全てのモノが値上がりするわけではありませんが、子どもの頃は80円くらいで買えたお菓子が、最近では150円くらい払わないと買えない!なんて記憶、ありますよね。

そうなると、例えば今の100万円は、36年後には50万円の価値にしかならないということなんです。お金を銀行に預けておけば当然元本は減らないのですが、価値自体は相対的に下がってしまうことになります。

ここで、考えたいのが、現金以外の選択肢です。物価の上昇に連動するものにお金を換えておけばよいのです。
例えば、貴金属、不動産などが考えられます。また、インフレ時は景気が上向きの場合が多いため、株価なども連動して上昇する傾向があります。資産運用の商品を検討するのも1つの選択肢でしょう。少額からコツコツと続けられるNISA、つみたてNISAやiDeCoなどの身近な「資産運用」も増えてきています。もちろんこれらの商品は元本保証ではないので、ご注意ください。

いきなりたくさんのお金を動かすのではなく、少しずつ、積み立てるお金の一部を現金以外に振り分けていってみてはいかがでしょうか。

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水野 綾香(みずの あやか)

水野 綾香(みずの あやか)

女性のためのマネーセミナー講師」としてこれまで全国で6,000人以上の方に講演。むずかしく思われがちなお金の情報を、楽しくわかりやすく伝えることがモットー。FPとして、各メディアでのマネーコラム執筆も多数。ライフミッションは、精神・経済・キャリアにおいて自立していて、自分の人生を自分で選択できる女性をもっともっと増やすこと。

HP:https://www.facebook.com/ayaka.mizuno

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