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投資信託の始め方
2021.5.26投資信託Q&A
投資信託とは、プロに資産運用をおまかせして、出資した人が利益を分け合う商品です。私たちのような一般人を含む多くの人や団体(「投資家」と言います)からお金を集め、運用のプロが株式や債券などさまざまな資産に投資して運用してくれます。その運用成果(運用のプロが出した利益)は、出資した投資額に応じてみんなで分け合うという仕組みです。
たとえば、ある投資信託の資産が10%増えたら、投資家一人ひとりの資産が10%ずつ増えるイメージです。たとえ投資している金額がわずかでも、投資信託を購入している人はみんな「投資家」の一人というわけです。
投資信託は、プロに運用を任せることができるため、初心者にとって購入しやすい商品です。
しかし、私たちに代わってプロが運用するためのコストが継続的にかかるため、信託報酬などの手数料が投資している資産から自動的に引かれます。商品の種類によっては購入する時や売却する時にも手数料がかかる場合があります。
投資信託は株式投資とは違い、リスクを分散しながら運用できるのが大きな特徴です。例えば、特定の会社へ株式投資を行うと、選んだ会社の株価によって利益が決まるため、株価が下がった場合に大きく損をするリスクが高まります。
そのようなリスクを回避するには、「分散投資」といって、さまざまな国や地域、会社の株式や債券などを購入する方法が有効です。
投資信託は、株式投資と異なり、多くの投資家からお金を集めるため、投資家自身は少ない投資金額でも「分散投資」ができるため、リスクを軽減することができるのです。
また、投資対象の資産や地域、どの程度の収益を目指すかによって、さまざまなタイプの商品があります。こういった投資信託の商品一つ一つは「ファンド」とも呼ばれるので覚えておきましょう。
投資信託は、銀行預金のような元本保証の商品ではありません。投資したファンドが購入する株式や債券の価格は変動するので、その値動きによって、利益を得られることもあれば、投資に充てた資金(元本)が減って損をすることもあります。これを、価格変動リスクといいます。
投資対象・地域にもよりますが、投資において、リスクのないリターンはありません。その他に考えられるリスクは、次のようなものがあります。
これらの影響を予測して、短期的な売買で利益を上げることは、プロであっても困難です。投資信託は、投資先企業や経済全体の成長の“果実”を受け取ることを期待して、長期間保有することを念頭に購入するのがよいでしょう。
投資信託は、投資初心者や忙しい方に向いている商品です。
投資信託には、「株式中心」「債券中心」「日本国内のみ」「海外中心」など、異なる特徴のあるファンドがあります。最初に、例えば「リスクは大きくても高いリターンを期待したい」、逆に「リターンは低くてもいいからリスクは抑えたい」といった個人の志向に沿ってファンドを決めることができます。
購入後はプロが運用を代わりにやってくれますから、投資信託を長期で運用する場合は、値動きなどを逐一チェックする必要はありません。運用報告書を定期的にチェックすれば、その時点の利益/損失もすぐにわかります。
逆に株式投資の場合は、どの会社の株をいつ購入するか、自分で情報を収集して検討し、購入も自分でタイミングを決める必要があります。
買い方としては一度に購入する一括投資と、定期的に一定の金額分を購入する積立投資の大きく2種類あります。一括投資は、1万円前後から購入でき、数十万、数百万といったまとまった金額の投資も可能です。
積立投資なら、さらに少額で投資を始めることが可能です。一般的には毎月1,000円から始められることが多く、ネット証券等では毎月100円から可能な場合もあります。
購入するためには投資信託口座が必要になります。くわしくは次回にお伝えします。
「投資信託」は、私たちから集めたお金をもとに、プロが投資・運用をしてくれます。少額の投資でも分散投資によってリスクを抑えることができるため、運用方針さえ決めれば投資初心者でも安心して始められる投資法です。最後に投資信託のメリットとデメリットを表にまとめましたので、参考にしてみてください。
次回は、「投資信託の始め方」について解説します。
【投資信託やってみた】
「投資信託を買うための口座を開設しよう!」の記事はこちら
執筆:歌代 将也(うたしろ まさなり)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、社会保険労務士。妻と子ども2人、住宅ローンありという普通のサラリーマンから、「うたしろFP社労士事務所」代表に。社会保険、マネー関連記事の執筆・監修やセミナー講師などを行い、お金のことで必要以上に不安を感じることなく、楽しく働き続けたい人と会社をサポートしている。
うたしろFP社労士事務所:https://uta-fpsr.com