プロフィール

智さん(夫)……29歳、信用金庫勤務
美穂さん(妻)……29歳、保険会社勤務(産休中)
花林ちゃん(長女)……2歳

ここがポイント!

23区内の駅チカ物件を探し、お手頃価格で戸建ての分譲物件を購入!

  • ――お二人がマイホームの購入を考えるようになったのは、いつ頃ですか。

    智さん

    「私たちは共働きで、二人とも全国転勤のない仕事なので、以前からマイホーム購入を考えていました。娘の誕生を機に、広い家に引っ越そうと話し合うようになったんです」

広いリビング

――マイホーム選びの条件は?

  • 智さん

    「23区内で、勤務先から遠くない場所で探しました」

  • 美穂さん

    「私は最寄り駅から徒歩圏内であることが、一番の条件でした」

  • 智さん

    「予算は4,000〜5,000万円で、当初は中古マンションを探したのですが、どれも価格が高くて断念せざるを得ないことに。そこで知り合いの不動産屋に相談したところ、戸建ての分譲住宅をすすめてくれました」

  • 美穂さん

    「駅から近いし、当初の分譲価格よりも数百万円ほど安くなっていて、お得感もありました」

  • ――実際に住んでみた感想はいかがですか?

    美穂さん

    「とても住み心地が良いですね。子どもが多少騒いでも、戸建てなら近隣の方に迷惑をかけづらいので、その点も助かっています」

  • ――住まいのお気に入りポイントを教えてください。

    美穂さん

    3LDKに納戸が二つあって、広さも十分なのが気に入っています」

1階間取り図
2階間取り図
3階間取り図
  • 智さん

    「僕は駐車スペースがあることですね。先日車を購入したので、駐車場代がかからないのはありがたいです。コストパフォーマンスの面でも、戸建住宅にして良かったですね」

  • 高山先生Point

    高山先生Point

    • マイカーを利用する方でマンションの購入を検討されている方は、駐車場の有無や駐車台数などもチェックしましょう。23区内のマンションの場合、月々の駐車料金は3〜4万円が相場です。

▼みんなはどうしてる? マイホームの選び方

こだわりハウス、見せてもらっていいですか?

頭金を1,400万円入れて、月々の返済額を10万円以内に抑える!

――当初の分譲価格よりも安く購入できたとのことですが、購入価格はどのくらいでしたか?

  • 智さん

    「土地代と上物合わせて5,000万円です。頭金は1,400万円で、4,000万円を住宅ローンで借りました」

  • 美穂さん

    「月々の返済額は97,000円で、ボーナス時に60,000円ずつ上乗せしています」

借入額と返済額
  • 高山先生

    「頭金をかなり多めに入れたのですね」

  • 美穂さん

    「はい、私の実家が援助してくれて」

  • 高山先生

    住宅取得資金贈与(高山先生Point参照)の恩恵を受けられたのですね。住宅取得資金贈与の特例は、年々非課税になる金額が縮小されているので、良い時期に贈与を受けたと思いますよ。頭金を多く入れた分、住宅ローンの返済額を低く抑えることができています。ボーナス払いを併用している理由はありますか?」

  • 智さん

    「60,000円くらいなら、負担にならないかと思いまして」

  • 高山先生

    「なるほど。その程度ならボーナス払いを利用しても家計の負担にはならないかもしれませんが、ボーナスは景気の影響を受けて大きく減額される可能性もあるので、気をつけてくださいね」

  • 智さん

    「ありがとうございます。今は家計に余裕があるので大丈夫だとは思いますが、ボーナスが減額される可能性があることを肝に銘じておきます」

  • 高山先生Point

    高山先生Point

    • 住宅購入時に実家から頭金を援助してもらう場合、「住宅取得資金の贈与」の特例が利用でき、一定金額まで非課税になります
    • 住宅ローンは月々の返済のみにして、ボーナス払いの併用はしないことをおすすめします。特に近年は、コロナの影響でボーナスが減額されるご家庭が少なくありません。十分にゆとりをもってローンを組むことが大切です。

▼「住宅取得資金の贈与」についてくわしく

相続税にどう備える? 贈与税がかからない生前贈与の5つの方法

▼借入可能額を調べてみる

住宅ローンシミュレーション

プライベートブランドを中心に、安くて品質の良い商品を賢く購入!

――月々の支出についても見ていきましょう。

毎月の支出
現在の金融資産
  • 智さん

    「わが家は夫婦別財布で、妻が食費や日用品などを、私が保育代や光熱費などを負担しています」

  • 美穂さん

    「住宅ローンや通信費は、おのおので負担しています」

  • 高山先生

    「共働き世帯にしては、とても堅実な家計ですね。食費が10,000円というのは?」

  • 美穂さん

    「実は夫の実家が近く、義父が食費を負担してくれることがよくありまして。それで食費が抑えられているのだと思います」

――家計管理で気をつけていることはありますか。

  • 美穂さん

    「高級品は避けて購入するようにしています。特に食材はプライベートブランドでも質の良いものがありますし、おいしいのでよく買っています」

  • 高山先生

    「ご自身の中できちんと価値基準を設けていらっしゃるのですね」

  • 美穂さん

    「ありがとうございます。あとは夫婦そろってブランド物に興味がないので、自然と節約ができているのかもしれません(笑)」

智さんご家族

――智さんは投資をされているとお聞きしました。

  • 智さん

    「はい、昔から投資に対して興味がありまして。今は日本株を短期で売買しています」

  • 高山先生

    「それはすごいですね。ただ、日本株が金融資産の約9割を占めているのが気になります。お子さんもいらっしゃいますし、万が一のことを考えて、もう少し現金の比率を上げるのをおすすめします。お子さんがいらっしゃる場合、できれば生活費の1年分の貯蓄は準備しましょう」

  • 美穂さん

    「逆に、私は投資でリスクを背負うことに抵抗が……。ただ、最近は友人から『つみたてNISAやiDeCoを始めた』と聞くことも多く、興味はあります。何から始めるのが良いのでしょうか?」

  • 高山先生

    「積立投資なら、リスクを軽減することができますよ。つみたてNISAやiDeCoなら税制優遇がありますし、中長期的に安定してお金を増やしていけるので、ぜひ検討してくださいね」

高山先生Point

高山先生Point

  • お子さんがいらっしゃって資産運用をする場合、生活費の1年分程度の現金を確保したうえで、余剰資金で行うようにしましょう。
  • 小さなお子さんがいるご家庭は、今のうちから教育費の準備を始めましょう。長期・積立・分散投資ができ、20年間非課税になるつみたてNISAがおすすめです。また、智さんご夫婦のように共働き家庭であれば、所得税や住民税が安くなる効果のある iDeCoも良いでしょう

▼つみたてNISAでローリスクかつ長期的な運用を

つみたてNISAとは?

▼つみたてNISAは教育費にできる?

資産運用経験ゼロでも、つみたてNISAで教育費をためられる? 『辛口FP』に聞いてみた!!

まもなく第二子が誕生! これからも穏やかで幸せな生活をしていきたい

――今後の人生設計で、目標にしていることはありますか。

  • 智さん

    「実は、年内に第二子が生まれる予定です。今後の人生設計で考えているのは、子どもの進学とリフォームくらいでしょうか。その時々で必要なお金を用意できればと思っています」

  • 高山先生

    リフォーム代の平均値は、300〜500万円ほどです。教育費は進学プランにより、かかる費用がだいぶ違います。事前にライフイベントを想定して、それに備えて資産を形成するのはとても良いことですよ。お二人で今後のことを話し合いながら、穏やかで幸せな家庭を築いてくださいね」

もうすぐ第二子誕生予定の智さん一家
  • 智さん

    「ありがとうございます。これからも、穏やかで幸せな生活をしていけたらうれしいです」

  • 美穂さん

    「私も夫と同じ気持ちです。高山先生にいただいたアドバイスを参考に、夫と話し合いながら今後のことを考えていきたいです」

まずは家計の見える化から。夫婦の気持ちを一つにすることが、幸せな未来の第一歩に

  • ――智さんご夫婦はご実家の援助を受けながらも、贅沢をするのではなく、身の丈に合った生活をされているのが印象的でした。

    高山先生

    「ブランド物を買わずに質の良いプライベートブランドを購入されるなど、お金の使い方も工夫をされていましたね。一方、旦那さまは株の短期売買を積極的に行っているものの、奥さまは資産形成に対して消極的なのが気になりました」

  • ――共働きですし、ご実家の援助もあるので、のんびり構えていらっしゃるのかもしれませんね。

    高山先生

    「とはいえ、やはり先々のことを考えて準備をすることが大切です。今はつみたてNISAなど、低リスクで安定的に資産を増やしていく方法がたくさんあります。お二人が目指している“穏やかで幸せな生活”を維持するためにも、まずは夫婦二人できちんと話し合って、できれば夫婦共有で家計を管理し、見える化するところから始めてほしいですね」

▼家計管理に関するアンケート調査はこちら

夫婦の家計管理、あなたはどうしてる?

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  • 2022年11月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
高山 一恵(たかやま かずえ)

高山 一恵(たかやま かずえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)、一級FP技能士。株式会社Money&You取締役。
全国での講演活動、執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。女性向けWEBメディア『FP Cafe®』や『Mocha』も運営。また、『Money&You TV』や「マネラジ。」「Voicy」などでも情報を発信している。 主な書籍には、「はじめてのNISA &iDeCo」(成美堂出版)「1日1分読むだけで身につく お金大全100」(自由国民社)」「はじめのお金の基本」(成美堂出版)「マンガと図解 はじめてのFIRE」(宝島社)などがある。

Money&You:https://moneyandyou.jp/

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