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公開日:2023.04.07

BI(ビジネスインテリジェンス)とは?機能や導入のポイントなどを解説

BI(ビジネスインテリジェンス)とは?機能や導入のポイントなどを解説

近年、企業が競争力を強化・維持するためには、企業活動に関する様々なデータを把握・分析することが重要になってきています。中でも「ビッグデータ」や「データドリブン」などのワードが会社経営において注目されてきており、社内のデータをすでに活用している企業も増えてきています。
しかし、データが社内システムに散在し、上手く分析・活用できていない方も多いのではないでしょうか。
そういった悩みに対して有効なツールがBIツールです。

本記事ではBIの概要、BIツールにおける主な機能や活用の場面・メリット・デメリット、導入・選定時のポイントなどを紹介していきます。

BIとは?

BIは「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略で、事業上の意思決定に関わる情報を分析して得られる知見などを活用する仕組みや手法を意味します。企業内にある様々なデータを収集・分析・ビジュアル化し、経営層や管理職、人事、現場の職員に対して製品やサービス、業務の改善につながる情報を提供します。

製品やサービス、業務の改善につながる情報を提供するためには、BIツールの導入が効果的です。

BIツールと基幹系・情報系・戦略系システムとの関連性は?

BIツールは基幹系・情報系・戦略系システム等に日々蓄積される膨大なデータを収集・分析し、企業の意思決定に役立つ形でアウトプットするものです。それぞれのシステムについても簡単に紹介します。

基幹系システム

基幹系システムとは、企業の中核業務をコンピューターで管理するシステムのことです。業務系システムやバックオフィス系システムとも呼ばれます。
具体的には、生産管理システム、販売管理システム、購買管理システム、在庫管理システム、勤怠管理システム、会計システム、人事給与システム、ERP(統合基幹業務システム)が該当します。

情報系システム

情報系システムは、社内コミュニケーションや事務業務の効率化を目的としたシステムです。具体的には、チャット、グループウェア、データウェアハウス(DWH)が該当します。

戦略系システム

戦略系システムは、主に企業の営業等の業務を戦略的に自動化・効率化するためのシステムです。
具体的には、CRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援システム)、MA(マーケティング・オートメーション)が該当します。

BIツールの主な機能

BIツール活用の全体像

前述のとおり、BIツールは、基幹系・情報系・戦略系システム等のデータ収集・加工・分析・可視化を可能にするものです。
ここでは、BIツールの主な機能を3つご紹介します。

1.ビジュアライゼーション機能

羅列した数字のデータを見やすいようにグラフや図に変換して表示します。視覚的に分析結果等のデータを見ることができるため、問題や良い事象の発生を把握しやすくなるメリットがあります。

2.OLAP分析機能

OLAPとは「Online Analytical Processing(オンライン分析処理)」の略で、OLAP分析機能とは、データベースに蓄積された膨大なデータに対し、複雑な集計・分析をリアルタイムに実施することができる機能です。また、同一のデータを様々な軸(例えば「売上」「地域」「価格」など)で多次元分析することが可能です。これらにより、売上増加や利益減少の要因を複数の軸で比較・分析し、見つけ出すこともできます。

3.データマイニング機能

マイニングは「発掘」という意味で、BIに集積されたデータから必要な情報を発掘する・導き出すという意味で「データマイニング」と呼ばれています。具体的には蓄積データに対して相関分析などの統計的な処理を行い、データの関係性や傾向を掘り出したり、蓄積データを活用してシミュレーションを行ったりすることに役立ちます。

BIツールの活用場面

BIツールを活用できる場面は様々です。ここでは、活用可能な場面を4つご紹介します。

経営分析

自社の経営状況を客観的・定量的に確認するために、BIツールの活用が有効的です。複数システムに散らばっている収益性に関するデータ(売上・コストなど)や、生産性に関するデータなどをBIツールでタイムリーに集計・分析し、分析結果を踏まえた対策・意思決定の迅速化が重要です。経営分析は、あらかじめ分析のモデル・型を作っておき、月次で集計・分析するなど、定期的に分析することが一般的です。

人事データ分析

人事領域においては、売上や顧客面談数などの定量データを踏まえた客観的な人事評価や、研修結果と営業実績との関係性の分析による社員育成の効果検証などが実施可能です。

予算管理

BIツールを用いて最新の実績データを集計することで、高精度かつリアルタイムでの予算管理が実施可能です。BIツールによってビジュアル化も可能なため、資料作成の工数も削減できます。

データ集計

BIツールであれば、大量のデータをスピーディーに集計することができ、従来のExcelでの集計作業を効率化できる可能性が高いです。また、従来のExcelで管理していたデータをBIツールにインポートすることで、過去データも含めた一元管理も可能です。

BIツール活用のメリット

BIツールを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、メリットを2つご紹介します。

簡単にデータを分析・加工・ビジュアル化できる

Excelなどでは分析しきれないほど大量のデータだったとしてもBIツールであれば、簡単に必要な情報を抽出し、分析・加工することができます。また、その結果をすぐにビジュアル化することができ、現状把握がスピーディーに行えるため、意思決定の迅速化にも期待できます。

レポート作成の手間を大幅に削減できる

月次報告書などの定期的なレポートのフォーマットをBIツール上で決めておけば、データを更新することで、それらのレポートを自動作成することができます。また、分析したデータをドラッグアンドドロップするだけで簡単にグラフを作成することも可能であり、資料作成の大幅な業務効率化につながります。

BIツール活用のデメリット

BIツールの活用にはメリットだけでなくデメリットも存在します。

導入まで時間がかかる可能性がある

既存データとのシステム連携・ファイル連携を実現する必要がある場合、環境によっては導入までに時間がかかる場合があります。BIツールの事業者が導入支援も行うことが多いため、BIツール導入検討時に導入支援サービスの有無も確認しておくとよいでしょう。

従業員への教育が必要な可能性がある

BIツールを使いこなすためには、従業員への教育が必要です。研修やOJTを通じて、従業員のBIツールの利用方法に関する理解を深めましょう。BIツールによっては独自の研修プログラムを提供している場合もあります。

BIツール導入・選定の4つのポイント

BIツール活用のメリットやデメリットは紹介してきましたが、BIツールの導入・選定のポイントについてはどのようなものがあるのでしょうか。主なポイントを4つご説明します。

BIツール導入・選定の4つのポイント

自社の問題・課題を解決できるBIツールか

BIツールを導入する前に自社の問題や課題を整理しなければ、BIツールで課題を解決できず、導入が無駄になってしまいます。BIツール導入の際には、誰が、どのようなデータを分析して、どのような効果を得たいのかを明確にしておくとよいでしょう。

既存の業務データ(各種データベース等)と連携しやすいか

BIツールが既存の業務データとシステム連携・ファイル連携できるかどうかは重要なポイントです。既存の業務データと簡易に連携できなければ、データ登録等に時間を要し、BIツールを導入する効果が限定的です。

導入支援を受けられるか

BIツールを導入する際、既存の業務データと上手く連携できない等の課題が発生する場合があります。課題を自社だけで解決できない場合、BIツール事業者から導入支援を受けることができると、迅速に導入を進めることができる可能性が高まります。導入支援の有無についても、事前に確認しておくとよいでしょう。

従業員がBIツールを活用できそうか

BIツールはプログラミングを必要とするものもあれば、ノンプログラミングのものもあります。自社の従業員がどれくらいITスキルを持っているかを把握しておくことが重要です。また、BIツールを導入した後に従業員向けの研修があるかどうかも確認しておくとよいでしょう。

BIツールを活用し、データ経営に役立てましょう

近年、会社経営において多くの情報がデータ化され始めており、企業は多くのデータを得ることができるようになりました。一方で、得たデータを十分に活用できている企業は一部といえるでしょう。今後、データを活用した経営の重要性はますます増していくと予想されるため、データの収集・分析・可視化が可能なBIツールの活用場面は多くなるでしょう。

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